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鉄を生みだした帝国 ヒッタイト発掘 NHKブックス391
定価 ¥957
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 日本放送出版協会 |
発売年月日 | 1981/05/01 |
JAN | 9784140013915 |
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鉄を生みだした帝国
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商品レビュー
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3件のお客様レビュー
考古学者を志す学生の青春奮闘記的な要素と、ヒッタイト帝国の製鉄した痕跡を巡るミステリーというか学究的要素、考古学というものを覗き見る知的満足が得られる本。どれも良いバランスだったが、結局、この調査にはオチがあり、それも含めて学生時代の淡さを思い出すような爽やかな読後感があった。 ...
考古学者を志す学生の青春奮闘記的な要素と、ヒッタイト帝国の製鉄した痕跡を巡るミステリーというか学究的要素、考古学というものを覗き見る知的満足が得られる本。どれも良いバランスだったが、結局、この調査にはオチがあり、それも含めて学生時代の淡さを思い出すような爽やかな読後感があった。 ヒッタイト語の解読と実地調査、未習熟なトルコ語と格闘しつつ、ドライで厳しい教授に鍛えられながら、現地の友と議論を交わす。製鉄の痕跡が見つからない。もしかして、ヒッタイトは製鉄をしていなかったのでは。 ー 私は二一行目をそのまま解釈してみることにした。となれば、この行の「生産するには悪い時期」を、どのように説明をしていくかが問題になる。文字どおり解釈すると、生産の時期ではないということである。ということは、逆に考えると、生産する時期があったということだ。 生産の時期とは、製鉄を行なうのに適した時期、そうも解釈できる。それはいつの事なのだろう か。 季節風と火事。製鉄で用いる火の関係性を探る。しかし、答えは出ない。答えの出ない研究に学生時代の苦悩を思い出す。しかし、それは今から考えるとかけがえのない幸せな時間だった。 ー 「調査が終わって、こうやって帰る段階に入ると、なんともいえない淋しい気持になるね、サチヒロ。これが人生かね」彼はあたかも悟りきったような表情である。「クチュック、そうかもしれない。こんなことをしながら人生は終わっていくのかもしれないね」「しかし、それにしてもどうして俺たちは年がら年中、発掘だけしているんだろうね。まわりの連中は、全員就職しているというのに」 オチは書かない。古い本だが、良書である。
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1981年刊行。謎に包まれているヒッタイト帝国。オリエント史の中では一条の光のごとき存在ではあるが、強烈なインパクトを残す。それは鉄を世界で初めて活用した帝国であるのに、その鉄の実態が霧の中にあるからに他ならない。本書は、若きヒッタイト学徒が、その霧の中に分け入り、もがく様を丁寧に叙述。謎解きというより、青年研究者の苦闘の物語である。読後感は、場違いかもしれないが爽やか。
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