中野式漢文なるほど上達法 「なぜ」「どうして」をスパッと解説！

中野清(著者)

• 販売会社／発売会社: ライオン社
• 発売年月日: 2002/02/05
• JAN: 9784844035169

商品レビュー

2011/09/29

　かなり過激な論調の漢文の学習参考書。「プロローグ」にて漢文の学習を始める前に「捨てるべきもの」として３つのものを掲げています。すなわち、「１　高校の先生に習ったことすべて。」「２　暗記だの慣れだのということが書いてある参考書の類。」「３　漢文練習盤などというアホなプラスチックの板。」の３つ。まあ、「漢文練習盤」なんてすっかり見なくなりましたが。ちなみに「２」には追記として「ということは、中野先生の本以外は全部捨てなくてはいけない。」なんて書いてある（笑）。
　そんな中野先生は漢文を「絶対に国語ではない！」「外国語である！」「中国語なんだ！」と言う。だから、一から基本文型や文法、語法を学べばいいというわけ。その考え方自体は決して目新しいものではないが、本書の解説を読み進めれば、その考え方は実に理にかなったものであることが納得できる。

　全ての項目が見開き１ページに収まっており、まるで簡単なコラムを読んでいるかのように漢文の知識を得ることができる。この作りはお見事だ！　ところどころで、中野先生の主張が強く現れ、「本当は間違っているんだけど、受験国語ではこうなっているから仕方がない」というような意見が多発することにはやや残念さが出てしまうが、それでもこの一冊によって、多くの先生が説明を逃げてきた、漢文の「何故そうなるのか」が解決できることに間違いはない。

　受験国語の中ではどんどん肩身の狭くなる漢文。当然、そんなものに勉強時間を割きすぎるわけにはいかないわけです。自分で勉強を進められる高校生ならば、この本を一度通読することで、結構な効果が得られるのではないかと思われる。でも、練習問題みたいなものはないので、そこには注意！

【目次】
プロローグ
第一章　中野式元気になる漢文学習―６講
第二章　中野式漢文飛躍のカギ―７講
第三章　中野式漢文読解のポイント―９講
第四章　中野式漢文重要語法虎の巻①―９講
第五章　中野式漢文重要語法虎の巻②―９講
第六章　中野式漢文重要語法虎の巻③―10講
エピローグ