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愛の完成・静かなヴェロニカの誘惑 岩波文庫
定価 ¥594
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 岩波書店 |
発売年月日 | 1987/12/01 |
JAN | 9784003245019 |
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愛の完成・静かなヴェロニカの誘惑
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商品レビュー
4.2
7件のお客様レビュー
古井由吉さんがあとがきに書いたように、難解だった。比喩が多く場面場面が何処を捉えているか混乱しながらもストーリーは進みいつのまにか着地し、終焉を迎えていた。ただ余りあるほどに美しい描写や美しい文章に出会えたことは感謝したい。
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20世紀初頭の雰囲気に浸れる文学作品。形而上学的な問いに満ちていて、大変分かりにくい。しかし、行きつ戻りつ読むことそのものが目的になるような美しい文章は簡潔にして極上と言えましょう。
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濃い緑に覆われ外の光から切り離された部屋に愛し合う男女がふたり。ではなぜ読者は彼らが愛し合っているとわかるのか。そのように書かれているから?だとしたら、それを可能にできるのは時間と空間を流動でき、男と女の内面を均質なものと捉えられる超越者のみだ。物語の最後で女は夫以外の男との行為...
濃い緑に覆われ外の光から切り離された部屋に愛し合う男女がふたり。ではなぜ読者は彼らが愛し合っているとわかるのか。そのように書かれているから?だとしたら、それを可能にできるのは時間と空間を流動でき、男と女の内面を均質なものと捉えられる超越者のみだ。物語の最後で女は夫以外の男との行為の最中で、小春日和の心地よさを思い出す。大勢のなかにいて、同時にただ一人のために存在することもまた可能であることを。そして子どもの時に神を思い、神は大きいのだと言うように自分の愛を感じるのだ。 女が注ぐ紅茶は静かなさざめきを立て、やがてトパーズのように静止する。窓からの光はレースのカーテンを黄金に凝固させる。そして時間は二人の空間を硬化させていく。妻にとって夫が夫でいる意味はないのではないのかという問いが空間を歪ませていくのだ。 ただそのぎこちなさすら二人にしか共有できない不協和なのである。幸福の重みに耐えかね、目と目でしっかりと捉え合いながらもお互いのことを何一つ語りあってはならぬと感じ合う不協和だ。だからこそ第三の認知的要素を加算し、先立つ不協和を埋める必要があった。 意味の一貫性を求める人間の性は時に現実の否定を伴う。この女もまた姦淫という罪を通して、夫との穏やかな日常を一度否定して意味を確かめたかったのであろう。
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