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しろい虹
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | ベストセラーズ |
発売年月日 | 2008/01/28 |
JAN | 9784584130490 |
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しろい虹
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商品レビュー
3.6
13件のお客様レビュー
ただ文字を追っているだけで内容が全然入ってこなかった。読み終えるまでに時間がかかった。 他の方が書かれてるように、ゆったりと読める心境の時じゃなきゃダメなんだと思った。
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接続詞などが少ない不思議な文体。 何気ない日常を切り取ったエッセイだけれど、読むのに少々苦労し、読み進めるのが困難だった。 ちょっとだけ、私とは毛色が違ったみたいだ。
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『傘を持って出ると、振らないことになっている。大雨強風注意報が出ています、一時間に30ミリです。ラジオにおどかされ、こうもり傘をひきずって、電車を降りたら、夕空は色つき綿あめのように明るかった』ー『アワ』 『そんなときに、だれかが作ったものを見ると、よくわかる。そのものに向きあ...
『傘を持って出ると、振らないことになっている。大雨強風注意報が出ています、一時間に30ミリです。ラジオにおどかされ、こうもり傘をひきずって、電車を降りたら、夕空は色つき綿あめのように明るかった』ー『アワ』 『そんなときに、だれかが作ったものを見ると、よくわかる。そのものに向きあっていられない。なんでも言葉にしたくなるときが、あぶない』ー『タビ』 石田千の言葉は捉えどころがない。文字の並びから言葉を立ち上げ、それを繋げて文章として追いかける。そのひとつづきの流れのどこかでいつも、何かが逃げてゆく。意味を読み取ることもなく、音を追いかけるでもなく、いつの間にか、ぼんやりと頁をめくっている自分がいる。あわてて頁を元に戻して既に「見た」筈の言葉を捜す。確かここにこんな言葉があった筈だ、と自分の意識は訴える。けれど、お目当ての言葉は見つからない。目隠しに会ったような気分になる。 何度も何度もそんなことをくり返しながら、少しずつ読み進んでゆく。掬い上げる。捉えどころのない文章の中に、静かに佇んでいるかのような、感情のわずかな動きを察知して捉えようとする。そうしてそうやって得たものを抜き出して脇へ置いてみると、そこに実は随分と大きな気持ちの揺らぎがあることを知る。 どうしてそんなことにすら気付かずに、通り過ぎてしまいそうになったのだろう。しかし今度こそ大丈夫。これで解った。この流れの行き先を見定めたようなつもりになって、再び読み始める。すると、やはり再び迷子になる。 友人や知人や近所の人々が登場しても、ここにあるのは圧倒的な一人という存在。それだからといって、この少しばかりさみしい気持ちが滲んでくるような文章から、孤独、というイメージが立ち上がるかといえば、そんなことはない。むしろ、世はなべて一人、という清々しい宣言のような声さえ聞こえてくる。 その宣言は、自分が「その」世界の中心にいることを意味している。ならば、もっと自分の周りに存在するものや、そこに生きている人々、鮮やかに咲く花々に見を配ろう。自分が中心にいる世界においてそれらに輝きを与えることができるのは、自分だけなのだから。それは潔く、明るい。といっても目を向けられないような眩しさではなく、暖かな明るさだ。石田千の文章にはそんなものがあるように思えてくるのである。 『すべて手ばなしたように見えるただずまいにも、呼吸だけはかならずひそんでいる。そういう、ひとりという鳥と会い、足をとめる。いまの世の軸はここではないかと思うほど、くっきりとそばにいる。……しょせん、さいごはひとりなんだから』ー『トリ』
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