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物語が生きる力を育てる
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 岩波書店 |
発売年月日 | 2008/01/31 |
JAN | 9784000253017 |
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物語が生きる力を育てる
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商品レビュー
4.7
10件のお客様レビュー
子どもが成長するうえで大切なのは、五感を使い磨く経験を重ねること、喜怒哀楽の感情を味わいそれに対処する経験を重ねること、自分や世界を俯瞰して見る視点を身につけること。 それらを得る上で効果的なのが、物語を聞いたり読んだりすること。そして、大事なのはそれらの経験を積むことであって、...
子どもが成長するうえで大切なのは、五感を使い磨く経験を重ねること、喜怒哀楽の感情を味わいそれに対処する経験を重ねること、自分や世界を俯瞰して見る視点を身につけること。 それらを得る上で効果的なのが、物語を聞いたり読んだりすること。そして、大事なのはそれらの経験を積むことであって、読書自体は目的ではない。 物語は古くから人間が世界と折り合いをつけて生きていくために語り継がれてきたものでありさまざまな経験や視点が詰まっている。 というお話。 人と世界と歴史などについて考えさせてくれる、深いテーマの本でした。
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私は小学低学年に定期的に読み聞かせしているのですが、物語を楽しめない子供も多く色々考えてしまいます。まずは子供にとって物語、お話しってどんなものなのかと思って読みました。 ❐赤ちゃんの成長のために 子供がちゃんと育つために必要なのは「実体験」だ。赤ちゃんの時に、泣く指差すなどの...
私は小学低学年に定期的に読み聞かせしているのですが、物語を楽しめない子供も多く色々考えてしまいます。まずは子供にとって物語、お話しってどんなものなのかと思って読みました。 ❐赤ちゃんの成長のために 子供がちゃんと育つために必要なのは「実体験」だ。赤ちゃんの時に、泣く指差すなどの発信に周りが答えることによりコミュニケーションが取れるようになっていく。言葉はその延長にある。五感の発達も大切になる。全身を使って世界を感じて運動能力を高めてゆく。成長には、赤ちゃんが世界を感じる興味や発見の喜びを味わうことが大切になる。 ❐昔話 昔話では聞き手は登場人物と一体化する。しかし「おじいさん/おばあさん/隣のおじいさん」「お兄さん/弟」など個性を持たないので、一体化の相手を一人の登場人物から次の登場人物へと渡っていくことができる。一体化と感情移入とはまた違う。(昔話と物語の橋渡しのような感情移入できるものもある) 日本の昔話では幸運は突然降って湧いてくることが多い。幸運は「降ってくる」事がある。しかし苦く厳しい現実をしっかり受け止めて生きなければいけない。 ❐心の理論 「他者が自分とは違う知識、考え、感情を持っていることを理解し、その内容を推測できる能力」のこと。 昔話では「自分はこのような人間」という認識が明確ではない語り方なので、おおらかに物語を楽しむことができる。 しかししっかりと感情移入して物語を楽しむには、心理描写や情景描写が大切になる。 ❐情動の知性 自分の心に沸き起こる情動を認識し、必要に応じてコントロールして、破壊的な結果にならなようにする能力。 子供のうちに、周りの人間と感情を共にする経験を重ね、心を動かすこと(感情体験)を身につける。特に深い感情を体験してそれからどう抜け出すかを習得することが大切。 豊かな喜怒哀楽感情を持ち、状況に応じてそれを抑える力を育てることが必要になる。 ❐感情移入 不快感情に対応するためにも物語には力がある。物語では困ったことや嫌なことにあっても助けてくれる人がいたり、意味のある経験を通して抜け出すことができる。そんな物語に触れていれば、現実での不快なことにあっても「こんな感情を持つのは自分だけではない」「この状況から抜け出せる」という希望を持つことができる。 物語で主人公の心の中が的確な言葉で表現されることは「感じていることを言葉でとらえる」ことに役立つ。 物語は、ただ感情移入しきってしまうのではなく、感情移入しながらも読者として客観的に見つめる練習にもなる。すると自分自身の困難の時に冷静に自体を見守って半d何を下せる「もう一人の自分」を育てるトレーニングになる。 ❐ゆっくり読み取る 物語では粗筋だけを追うのではなく、情景や風景描写も読み取る。主人公の困難を一緒になって考える。自然描写のなかに感情を読み取る。『ハイジ』の場合、山に帰るハイジの長旅があるからこそ、読者はハイジの喜びや不安を一緒に味わうことができる。 そして自然描写の豊かさも物語の大切なところになる。自然の持つ複雑さや美しさを言葉にすることはかなり高度な言語表現が必要になる。そこで豊かな表現で自然や情景を描写している物語は読者の心に響く。 …私は読んでわからないと「ええい、割り切って粗筋だけを追ったり分かるところだけ読み進めよう」としてしまうので、反省いたすところ。 ❐耳からの物語の大切さ 読むと飛ばしてしまうようなことも、語られると全ての言葉が耳に入るので、物語の情景や感情に寄り添うことにつながる。 ❐物語 子供に良い物語とは、夢を描くことと、現実を認識することを行ったり来たりするもの。現実の厳しさと乗り越える希望を読み取る。 良い物語とは夢や願いを叶えてくれるもの。ハッピーエンドでなくて悲しい出来事で終わったとしても「良かった」と思えるものがある
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※このレビューにはネタバレを含みます
自分を客観視する目、より広い視野からみる目を身につける。「メタ認知能力」質の良い物語を読むことによって育っていく。主人公に感情移入しながら、同時に読者として客観的に眺めるトレーニング。
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