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利益とコストの人間学
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商品詳細
内容紹介 | |
---|---|
販売会社/発売会社 | 講談社 |
発売年月日 | 1996/09/25 |
JAN | 9784062070751 |
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人間関係を「経済の視点」で「見直す」ことの大切さを感じる。 このように考えると「心理ゲーム」「心理的かけひきの計算」としておもしろい。 人の心も進化する。人間を動かす真の動機は何か?人はなぜ「つり合い」を気にするか?能力より人柄で出世する理由は何か?など、知りたいことが多い。 対...
人間関係を「経済の視点」で「見直す」ことの大切さを感じる。 このように考えると「心理ゲーム」「心理的かけひきの計算」としておもしろい。 人の心も進化する。人間を動かす真の動機は何か?人はなぜ「つり合い」を気にするか?能力より人柄で出世する理由は何か?など、知りたいことが多い。 対人心理学の手法「人間関係を心理学で説明する」 「対人心理学では人間を対象に、仮説に基づいて調査したり実験したりして、そこで生じる反応をデ-タとして集め、統計学を利用して分析し、その結果を当初の仮説と比較して、あれこれ解釈するアプローチを採用している」 人間関係の原理について 人間関係は一般には、複雑で、からみ合っていてわかりにくくて微妙で扱い方も難しいと思われている。人間関係に悩み、傷つく人も少なくない。 人間をつき動かしているのは、単純な動機であって、一つか二つの原理で説明できるのではないか。 その原理は「衡平」と「返報」という原理である。 衡平は「報復とコスト」と「利益」という経済用語でできている。 衡平とは、アメリカの心理学者 ウオルスターが定義した。 ①人は、自分の利益を最大にしようとつとめる。②人は、自分が他者と不衡平な関係にあると気づくと、苦悩を感じる。③自分が他者と不平衡な関係にあると気づいた人は、衡平を回復することによって、苦悩を取り除こうとする。不衡平が大きいほど、感じる苦悩は大きく、それだけ懸命に衡平を回復しようとする。④集団は、成員間で資源を衡平に分配するシステムを採用すれば、集団の利益を最大にできる。⑤集団は、他の成員を衡平に扱う成員に報酬を与え、不衡平に扱う成員に罰を加える。 分け前とは、「二人は力を合わせて」仕事をしたときに、報酬はどう分け合うのか? ①できるだけ自分の取り分をできるだけ多くしたいと思っている。②できれば自分の取り分を多くしたいと思っているが、相手の分まですべてとってしまうなどということは一般にやらない。→両者のコストに応じて報酬を分けようとする。衡平分配。③平等分配は建前であって、本音は衡平分配である。平等分配は公平であると感じない。衡平分配は公平である。 「機会の平等」は認めるが、「結果の不平等」は認めている。 原因をどこに求めるのか? やる気は、成功、失敗の原因をなにのせいにするかによって違ってくることが実験的に証明されている。たとえ失敗してもその原因が自分のコントロールのきくものによると思えば、やる気をうしなわない。 「情けは、人のためならず」のあとに「自分のためだ」という言葉が省略されている。 現状では「下手に情けをかけたり親切にすると、その人のためにならない」という自立をうながす諺となっている。 人間関係において相手の話をよく聞くことが重要。よくきくことが、相手に報酬を与えることである。聞き手の時は、相手の話に道徳的な判断を下したりお説教じみたことをいわない。 相手の話は、「情報の伝達」か「感情の共有」とに分けることができる。 感情の共有は、「非論理的、非合理的」である。 まず自分から相手になにかを与えることである。 荀子はいう「人の性は悪にしてその善なるものは偽なり。今、人の性は生まれながらにして利を好むことあり。是に順(した)がう」。含蓄深し。
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経済学には疎く興味もなかったが、衡平理論というものを心理学と結びつけて対人関係を明らかにしており、とても面白い。 文脈や話の流れも決して難しく書かれておらず、読みやすくユーモラスであった。 人間の行動や感情を利益とコストという一見客観的な面から丁寧に分析しており個人的には刺激的な...
経済学には疎く興味もなかったが、衡平理論というものを心理学と結びつけて対人関係を明らかにしており、とても面白い。 文脈や話の流れも決して難しく書かれておらず、読みやすくユーモラスであった。 人間の行動や感情を利益とコストという一見客観的な面から丁寧に分析しており個人的には刺激的な本だった。
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