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心地よく秘密めいたところ 創元推理文庫
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 東京創元社 |
発売年月日 | 1988/11/01 |
JAN | 9784488548018 |
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心地よく秘密めいたところ
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商品レビュー
4.6
12件のお客様レビュー
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死んだように生きる中年の男と死を受け入れられない死者との交流を描いた物語。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
不思議な小説だった。 約20年間を墓場で暮らした男がそこを出るまでの物語。 ストーリーは大きく動かず登場人物も少ない。 にもかかわらず400ページ超もあり、やや冗長にも感じたが、登場人物は魅力的。とりわけ上品で明るく人の良いクラッパー夫人がチャーミング。 鴉もドライだが気のいいキャラクターでよい。 この鴉は19年間食事を運んできて主人公を“養っている”。チェスの駒なんかも運んでくる。 そして当然に主人公や幽霊たちと話すことができる。 しかしその事について現実世界に何も説明はなされない。 巻末の鏡明氏の解説に反して、もし無理矢理に物語の寓意を読み取るとしたら、幽霊たちも鴉が喋る事も全てレベック氏の妄想という身も蓋もない答えを思い浮かべてしまう。 チェスの駒を運んでくるのは鴉が光り物を集める習性があるから。主人公は鴉が巣に運んだ食べ物のおこぼれをもらっているのかも…!? いや、それは鏡氏の言う通りあまりにも悲しい。やはり深読みするのはやめよう。 この本はファンタジーなのだ。鴉だって喋るし幽霊だって愛し合うさ。 作者が本書を執筆したのは19歳の時だというから驚きだ。 レベック氏が語るチェロのくだりなど、こんな風に人を愛した経験が無ければピンとこないかもしれない。 私が19歳でこれを読んだとして、この本に書かれている精神の、愛の、深いところについて、きっと理解できなかった点が多々あっただろう。 かつて交際していた人が贈ってくれた本。 曰く、表紙画の「墓場で飛び跳ねている様子が君っぽい」とのことだった。 それを今のパートナーに話すと「その人はあなたをよく知ってくれていたんだね。内面的にこんな感じだね。」と言われたが悪い気はしない。
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