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芽むしり仔撃ち 新潮文庫
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芽むしり仔撃ち 新潮文庫

大江健三郎(著者)

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芽むしり仔撃ち 新潮文庫

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 新潮社
発売年月日 1997/08/01
JAN 9784101126036

芽むしり仔撃ち

¥330

商品レビュー

3.7

80件のお客様レビュー

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2010/05/28

戦争末期のある閉鎖さ…

戦争末期のある閉鎖された農村における、疎開した10代の少年院の子供たちの、農村の大人たちに対する抵抗を描く。少年たちは自由社会を築こうともくろみ一時的に成功するが、その夢ももろくも崩れさる。

文庫OFF

2010/05/28

大江の初期の文章をさ…

大江の初期の文章をさして、思想を表現する文体とはよく言ったものだ。ものすごくひっかかる言い回しが多くて、なんという文章だろうと思った。その文体で描かれる世界は濃厚で、人間の連帯するときの卑怯さみたいなを執拗に描く。読後感爽快とはいかないが、本当のことを読んだという充実感がある。

文庫OFF

2025/10/23
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

学生時代、友人が、卒論代わりに大江健三郎の書誌を作った。 身近に大江健三郎を読む友人などいなかったので「好きなの?」と聞いたら、「難しいけど、好きなんだよね。特に『芽むしり 仔撃ち』が」との返事に、「めむしりこうち」という音が意味するところが分からず、当惑した。 後に漢字表記を見て、間引きの話か、と思った。 感化院(昔の少年院)の少年たちが、集団疎開のために山奥の村に連れてこられる。 彼らはもちろん良い子ではないが、イメージするほど悪い子たちだとも思えない。 戦時中という時代を考えれば、子どもたちの心がすさんでいるのもしょうがないと思う。 谷を渡るトロッコに乗らなければ村に入ることはできない。 村の手前で、脱走兵を探す予科練の生徒たちと出会う。 閉塞感が増してくる。 農家の手伝いをしたら、生活の面倒を見てもらえる。 そう思ってやって来た子供たちの期待は、引率の先生がいなくなった途端に打ち砕かれる。 村の人たちは猟銃や竹槍や鍬などを持ち子どもたちを閉じ込め、常に白い眼を向けながらこき使い、必要最低限の食事を与えるのみ。 そんな中、村に疫病が発生する。 村人たちは、子どもたちを閉じ込めた家に錠をおろし、食事も何も与えないまま放置し、隣村へと避難する。 残された子どもたちはなんとか脱出し、村を出ようとするが、トロッコの前には壁が作られ見張りを置かれ、病とともに村に取り残される。 最初は疎開が「間引き」だと思った。 親はもちろん、空襲がなく食事もさほど不自由していないだろう田舎に送ることが、子どものためだと信じている(人が多いと信じたい)。 しかし、国や町の偉い人たちは、少ない食料を働き手にならない子どもに分けることを避けたとも考えられる。 感化院の子どもたちなどは、都会でも田舎でも、ただの無駄飯食いなのだ。 いなくなってくれればよい、と思っていなかったとは言えない。 疫病の発生を知って残される子どもたち。 その中で、なんとか生き延びた子どもたちを迎える運命の非情さ。 だって、子どもたちは、村に残っている食料をかき集めて食べないと、生きていかれないんだもの。 それを、後に帰ってきた村人たちが強奪だ、略奪だというのはおかしい。 大人としての義務も優しさも持たず、ただつらく当たる。 村も食うに困っていたならまだしも、ある程度食料はあったわけだし、村長の家など言わずもがななのに。 「おまえのような奴は、子供の時分に絞めころしたほうがいいんだ。できぞこないは小さいときにひねりつぶす。俺たちは百姓だ、悪い芽は始めにむしりとってしまう」 生き残るための間引きではなく、自分たちと違うものを排除する間引き。 視野狭窄で排他的な村人たちのおぞましさ。 生き延びるために村人たちにしたがう子どもたちと、ただ一人したがわず追放された語り手の少年。 しかし彼が生き延びられる可能性は低いように思った。

Posted by ブクログ