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指揮官の決断 八甲田山死の雪中行軍に学ぶリーダーシップ 中経の文庫
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商品詳細
内容紹介 | |
---|---|
販売会社/発売会社 | 中経出版 |
発売年月日 | 2008/01/03 |
JAN | 9784806129271 |
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指揮官の決断
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商品レビュー
3.5
7件のお客様レビュー
成功したリーダー
雪の八甲田山踏破に成功した弘前隊リーダー福島泰蔵大尉に書かれた本。青森市出身の著者はかなり良く調査しています。新田次郎さんの八甲田山死の彷徨と合わせて読むと良いと思います。新田次郎さんの本では仮名になっていますが、本書では関係者は実名になっています。
岡博文
明治35年の八甲田雪中行軍遭難事件の当事者であった青森隊と同時期に、同じく八甲田雪中行軍を実施し成功させた弘前隊の隊長・福島大尉をメインに据えた一冊。青森隊と弘前隊の経過を比較しながら、悲劇の陰に埋もれてしまった福島大尉の功績を明らかにしてゆく。 基本的に福島大尉がいかに国のこ...
明治35年の八甲田雪中行軍遭難事件の当事者であった青森隊と同時期に、同じく八甲田雪中行軍を実施し成功させた弘前隊の隊長・福島大尉をメインに据えた一冊。青森隊と弘前隊の経過を比較しながら、悲劇の陰に埋もれてしまった福島大尉の功績を明らかにしてゆく。 基本的に福島大尉がいかに国のことを想い、また対ロシア戦争を考えた雪中行軍訓練に真剣かつ周到に取り組んだかを綴っていて、一方的に成功した青森隊を上げ、失敗した弘前隊を下げるようなことはない。両者は目的・実施内容も若干異なり、成功のみならず失敗からも多くのことを日本陸軍は学んだと評価している。ただ、両者が適材適所であったか。ということに対しての疑問と、福島大尉の部下に目的意識を持たせて一丸となって作戦を進めるその手腕と成果はもっと評価されてしかるべきと述べられている。 確かに試験研究要素の強い弘前隊と、実践模擬の青森隊では違いがあると読んで思わされた。けれども福島大尉の目的にどん欲に取り組む姿、決然とした意志の強さには敬服の念を抱かずにはおれない。明治人の気骨を感じられる。
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日露戦争直前の1902年1月、青森県の八甲田山で神成大尉率いる青森第五連隊が訓練行動中に遭難し、199名の死者を出すという世界史上で最悪の山岳遭難事件が起きた。後に言う「八甲田山雪中行軍遭難事件」である。青森第五連隊が遭難していた時、同じ場所を通過して無事に帰還した別部隊がいた...
日露戦争直前の1902年1月、青森県の八甲田山で神成大尉率いる青森第五連隊が訓練行動中に遭難し、199名の死者を出すという世界史上で最悪の山岳遭難事件が起きた。後に言う「八甲田山雪中行軍遭難事件」である。青森第五連隊が遭難していた時、同じ場所を通過して無事に帰還した別部隊がいた。福島大尉率いる弘前第三十一連隊である。山岳小説家としてしられる新田次郎氏が、生死を分けた2つの部隊のリーダーを「八甲田山死の彷徨」の中で克明に描写し話題になったが、小説であるがゆえに事実とは異なるフィクションも含まれる。 本書は生還した弘前三十一連隊の福島大尉に焦点を当てたリーダー論である。著者は八甲田山の事件を長年にわたって研究している山下康博氏。本書では当時の日本が置かれていた時代背景や、福島大尉の生い立ちやその後についても詳しく解説されており、山下氏は福島大尉と弘前第三十一連隊の偉業から後世に役立つ教訓を得ようとしている。 山岳遭難描写のリアリティという点では新田次郎氏の小説には及ばず、不確実性の高い状況下でのリーダーシップ論という点では「ニジョナリーカンパニー4」に見劣りするが、両書と併せて読むことで、危機下でのリーダーのあり方について理解が深まるだろう。
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