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東インド会社とアジアの海 興亡の世界史15
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商品詳細
内容紹介 | |
---|---|
販売会社/発売会社 | 講談社 |
発売年月日 | 2007/12/17 |
JAN | 9784062807159 |
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東インド会社とアジアの海
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『東インド会社』とはなんだったのか。 本書はそんな不明瞭な質問に直球で答えてくれるわけではない。 オランダ・イギリス・フランスそれぞれの東インド会社は歴史の発端になったというよりも、 大航海時代の荒波に揉まれ、飲み込まれ、すり潰された大勢の中の一人であったように思える。 ヨーロ...
『東インド会社』とはなんだったのか。 本書はそんな不明瞭な質問に直球で答えてくれるわけではない。 オランダ・イギリス・フランスそれぞれの東インド会社は歴史の発端になったというよりも、 大航海時代の荒波に揉まれ、飲み込まれ、すり潰された大勢の中の一人であったように思える。 ヨーロッパから東インドへ。 香辛料と香料を求め、関税と危険に満ちた数多の陸上国家を経由しない海路の開発は、西欧社会の悲願であった。 ポルトガルがそれに先んじることができたのは、単なる歴史のタイミングという他ない。 スペイン、フランス、オランダ、イギリス。 国の趨勢に応じたタイミングでそれぞれが東インドへと足を伸ばし、未開の地を砲と銃で征服する。 日本が幸運にもその被害を受けずに済んだのは、当時の徳川政権による統治が沿岸部まで届いており、攻略にはコストがかかりすぎると見逃されたからにすぎない。 時に強奪、時に交易と、砲と積荷を使い分けたが、成功すれば多大な見返りを得られ、失敗すれば全てを失うことは変わらない。 どの国の東インド会社も単一企業ではそのリスクの大きさを背負いきれず、設立当初から投機の対象となっており、利益の拡大を常にせまられていた。 ゆえに香辛料と香料のハイリターンをさらに超え、 莫大な需要により労働環境にまで影響を与えることになる茶と、既存産業との競合が発生する綿織物にまでその範囲を広げると、貿易の範疇を超えて社会へ深く関わらざるをえなくなる。 中でも拡大したイギリス現地勢力は、インドのムガル帝国の皇帝死去による混乱に巻き込まれる形で明確な領地を得るまでになるが、領地運営は貿易の延長で手がけられるものではなかった。 インドでの税収拡大とのイギリス企業の利益確保という相反する価値観の調整は一企業には難しく、ついには東インド会社は完全に国のものとなり、その後世界的な自由貿易の流れに埋没した。 以降、貿易は国家と帝国の戦略により運営される時代となり、戦力を奪われた企業の海外戦略は資本主義の到来までその鳴りを潜めることとなる。 果たしてこの経験は、当時の西欧社会にはどのように総括されたのだろう。 帝国主義の萌芽、資本主義のつまづき、 植民地経営のさきがけ、奴隷貿易の遠因。 単一の事象を記した本書からは歴史の流れを伺うことはできないが、この積み重ねこそが、全体を知るための唯一の方法だろう。
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竜頭蛇尾?? と言っちゃ悪いかな? 前書きが長くて、とっても期待させるって却ってマイナスかも。 いや、内容が悪かったというわけじゃ絶対にないんですよ。 普段は見逃されている観点から歴史を見るという試みには大いに共感を持ちます。 その観点とは、東インド会社を中心として、アジアの海の...
竜頭蛇尾?? と言っちゃ悪いかな? 前書きが長くて、とっても期待させるって却ってマイナスかも。 いや、内容が悪かったというわけじゃ絶対にないんですよ。 普段は見逃されている観点から歴史を見るという試みには大いに共感を持ちます。 その観点とは、東インド会社を中心として、アジアの海の帝国を語ること。 勿論、アジアの海には日本の長崎・平戸を介した貿易が含まれます。 歴史というものは陸上を念頭において語られますが、海から見るというのはとてもチャレンジングな試みです。 とても興味深く読めましたが、ヴァスコ・ダ・ガマが喜望峰経由でアジアに至る海路を発見したときから、16世紀から18世紀までの200年間に絞って語られ、残念ながら植民地支配には踏み込みません。 何故なら東インド会社はそれ以前に終わってしまうからです。 もちろん東インド会社は植民地支配の先導役を果たします。 しかしながら、海からの観点からは植民地支配は描けません。 そこで終わるのは仕方ないことで、著者に対して竜頭蛇尾だと批判するのは的外れなことは分かっています。 さらに著者に気の毒なのは、主役たちがろくでもない連中ばかりで品格に欠けることです。 一攫千金を目論んで、命がけで海に乗り出す連中です。 金儲けが総ての連中に、品格のある歴史が作れるはずがありません。 でも、品格があろうがなかろうか、それは紛れもない歴史であり、彼らの活動によって歴史の大きな流れが確実に影響されたのは間違いのない事実です。 人類の進歩というものは、実に多くの紆余曲折があったんだなぁと改めて思わされます。
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オランダからインドへ、そしてマカオを超えて出島まで、やや物語的に過ぎるところもありますが、興亡の世界史シリーズでもっとも知的興奮を味わったのはこの本でした 貿易を主軸に幅広いテーマにきっちり目を配られていて、是非とも読むべき一冊です
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