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海国記(下) 新潮文庫
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商品詳細
内容紹介 | |
---|---|
販売会社/発売会社 | 新潮社 |
発売年月日 | 2007/12/21 |
JAN | 9784101341354 |
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商品レビュー
3.6
5件のお客様レビュー
(上下巻合わせてのレビューです。) 大好きな作家である服部さんの歴史小説モノ。 時代はちょうど平家台頭~滅亡、鎌倉幕府設立くらいまで。 この時代は、どうしても平家vs源氏に目がいってしまうのですが、 (そうではなく)中国(宗)からの貿易ルートに注目し、 そのルートを...
(上下巻合わせてのレビューです。) 大好きな作家である服部さんの歴史小説モノ。 時代はちょうど平家台頭~滅亡、鎌倉幕府設立くらいまで。 この時代は、どうしても平家vs源氏に目がいってしまうのですが、 (そうではなく)中国(宗)からの貿易ルートに注目し、 そのルートを押えた者が権力を持つことができるという 今までにない部分(=経済)に注目して書かれた歴史小説です。 いわゆる流通経路を押えた平氏の発展が非常に興味深かったです。 (古文の苦手な)自分には、 やや読みにくい(理解しにくい)表現がたくさんあったり、 登場人物がたくさん出てくるので巻末の家系図と本文を 行ったり来たりしながらも、何とか2冊とも読破です。 (もしかすると単純に歴史小説を読み慣れていないだけかも!?) こういう歴史モノも今年は少しずつ チャレンジしていこうと思っています。
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日宋貿易や瀬戸内といった海の道を軸にした歴史小説。平安末期から鎌倉という時代には興味はあるし、切り口は面白いが、切り口にこだわりすぎ、やや人物の描き方が希薄な印象。やや残念。
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(2012.09.14読了)(2012.07.24購入) 【9月のテーマ・[平清盛を読む]その②】 忠盛から清盛へ、保元の乱、平治の乱、清盛の天下、源平合戦、鎌倉幕府、北条政権、と歴史は進んでゆくのですが、作者にとっては、歴史の主流にはさほど関心がないようです。 物流の要をだれが...
(2012.09.14読了)(2012.07.24購入) 【9月のテーマ・[平清盛を読む]その②】 忠盛から清盛へ、保元の乱、平治の乱、清盛の天下、源平合戦、鎌倉幕府、北条政権、と歴史は進んでゆくのですが、作者にとっては、歴史の主流にはさほど関心がないようです。 物流の要をだれが握っているのか、福岡から京都への物の流れで、だれが多くの財をわがものとすることができたのか、というところに主眼があるようです。 清盛については、わがまま放題勝手放題、平氏の繁栄さえ考えていないかのような書きぶりです。こんな平清盛は読みたくなかった、という気持ちです。 最後の第五章は、源頼朝後の、西園寺公経について書かれています。鎌倉幕府は、西日本の物流に興味を示さなかったので、西園寺公経がその要を握ったという事のようです。 堺屋太一さんに書かせたら、もっとわかりやすく面白く書いてくれたテーマかもしれません。残念です。 ●源為義(74頁) 奥州十二年の合戦に携わり、陸奥守に任じられた源頼義を曾祖父に、源義家を祖父に持つことから、陸奥守の座を望んだが、許されていない。 ●保元の乱後(94頁) 合戦で八面六臂、奮戦したにも関わらず、源義朝が得た任官は右馬権頭にすぎない。 源義朝は、報いの薄さに不満を募らせていると聞いている。 しかし、清盛はそうは思っていない。 敵の要である上皇や左府を見逃し、数日にわたって落ち延びさせたのは、北を固めていた源氏の輩の失点である。清盛の側に落ちていたなら、上皇は丁重に保護し奉り、頼長は討つところであった。 ●誤植(185頁4行目) 自分も(御)白河法皇の御為にその首尾を・・・ ⇒自分も(後)白河法皇の御為にその首尾を・・・ (新潮社の出版物で誤植を見つけたのは、初めてです。小さい出版社のものでは割とありますが。) ●『太平御覧』(270頁) 『太平御覧』は天地の博物、森羅万象を類別し、典故事縁を雑多に並べたもの、系統だてて学ぶものではあるまい。ことに応じて参照するのがよろしかろう…… ●平一門の分裂(304頁) 平一門の中でただ一人、頼盛だけが右衛門督の職を解かれた。その上、池殿周囲には宗盛の兵が詰めている。すわ一門分裂の合戦かと、人が見るのも無理はない。 「奴ばらが、八条院の莫大な所領を頼りに、わしに背くと申すものがあってのう」 ●財の占有(310頁) 中宮は娘(徳子)。皇太子は孫(安徳)。関白は婿殿。 いかに申し開きをしようとも、巷の目には、血縁をよいことに、平一門のみが財を占有しているようにしか映らないであろう。 ●建造こそが懐を富ませる(376頁) 頼盛は気づいた。入道大相国は、信西入道の手跡をなぞろうとしているのであった。 思い返せば、保元の乱で、信西入道は白河の院御所に火をかけている。焼き討ちという方針に周囲は驚いたが、信西入道は動じなかった。再び院御所を建て奉ることが、受領の繁栄に繋がると見抜いていた。 ●頼朝の扱い(402頁) 国をほぼ平定した頼朝を畏まらせ、〝頼朝は久しく遠国に住し、未だ公務の仔細を知りませぬ。たとえ仔細を知るといえども、まったくその任(原文では〝仁〟ですが、誤植ではないでしょうか)にあらず〟との言質をとったのは、やはり法皇、および女院のお力を背景にした丹後局の手ぎわである。 ☆関連図書(既読) 「清盛」三田誠広著、集英社、2000.12.20 「海国記(上)」服部真澄著、新潮文庫、2008.01.01 「平清盛-「武家の世」を切り開いた政治家-」上杉和彦著、山川出版社、2011.05.20 「平清盛 1」藤本有紀原作・青木邦子著、NHK出版、2011.11.25 「平清盛 2」藤本有紀原作・青木邦子著、NHK出版、2012.03.30 「西行」高橋英夫著、岩波新書、1993.04.20 (2012年9月17日・記)
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