靖国への帰還

内田康夫【著】

• 販売会社／発売会社: 講談社
• 発売年月日: 2007/12/14
• JAN: 9784062144001

商品レビュー

2021/05/11

昭和20年5月19日未明に京浜工業地帯を襲ったB29爆撃機を迎え撃った複座戦闘機月光が62年後にタイムスリップ、主人公は「今浦島」として2007年の世界に出現(母妹の家族２名は既に戦災死、本人も未帰還で既に靖国神社に祀られていた)。作者の意図は“タイムスリップした英霊”に靖国神社への思いを語らせることにあって、「なぜ公務員が宗教施設に行ってはならないのですか」「無宗教の慰霊施設などありえますか」「無神論の共産党中国が他国の宗教に注文をつけるのですか？」「戦争したこと自体が犯罪とは」「天皇陛下御参拝は」など。

俺だったら爆弾を撒き終えたB29が撃墜されパラシュートで脱出して43年後にタイムスリップ、ﾋﾛﾋﾄ天皇とも会い「カーチス・ルメイ大佐？もちろん知ってます」(勲一等旭日大褒章受章)と言ったりするが、靖国神社遊就館はバカにして暴言を吐き、米国に帰るとつい戦前の習慣で差別した朝鮮人に殴り殺される、という筋書にするけどな。

2015/12/07

いろんな見方から靖国問題について触れているので、普段靖国について考えることは滅多にありませんでしたが良いきっかけになりました。この本はこの問題を通してなにかもっと大切なことを忘れていないか？と問いかけているように思います。読了後すぐに靖国神社へ参拝に行きましたが、前に訪れた時とは違った視点から参拝、遺品を見ることができました。物語としては恋愛要素がすこし軽かったようにも感じましたがラストは当然な終わり方で、よかったと思います。

2014/12/16

なんて本だ！終わり方が許せない！
タイムスリップして憧れの女性（沖有美子）の人生を狂わせ、その姪っ子の子供（深田瞳）もまた失望にからせる。「靖国」の色々な問題をわかりやすく解説し、いや、それだけのためにタイムスリップして来た武者滋。
気にしながらも初めての内田康夫。2014年12月16日。