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長崎蘭学の巨人 志筑忠雄とその時代
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長崎蘭学の巨人 志筑忠雄とその時代

松尾龍之介【著】

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長崎蘭学の巨人 志筑忠雄とその時代

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 弦書房
発売年月日 2007/12/20
JAN 9784902116953

長崎蘭学の巨人

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2020/04/17

志筑忠雄について書いた本はないかとネットを検索していたら出てきたのがこの本。手にしてみると、研究書ではなく半ば小説風の本。筆者は漫画家でその方面の本をたくさん書いている。なんだと思ったが、参考文献はとても充実しているし、中味もしっかりしている。日蘭学会の会員でもある。第一読みやす...

志筑忠雄について書いた本はないかとネットを検索していたら出てきたのがこの本。手にしてみると、研究書ではなく半ば小説風の本。筆者は漫画家でその方面の本をたくさん書いている。なんだと思ったが、参考文献はとても充実しているし、中味もしっかりしている。日蘭学会の会員でもある。第一読みやすく、二日で読んでしまった。志筑忠雄は長崎通詞であったが、病気を理由に通詞の職を辞し、家にこもり、長崎も出ず多くの文法書を書いただけでなく、『求力法論』『暦象新書』などを書き、その中で「重力、引力」等のことばをつくっただけでなく、「鎖国」ということばもつくっている(それは鎖国肯定論である)。前者は岩波書店の『洋学』に入っているし、後者は『文明源流叢書』に入ったもので読むことができる。しかし、本書は全体をモチーフとして、「気球」を取り上げる。「気球」がヨーロッパで発明され、その情報が日本に伝わったばかりでなく、ロシア船(レザノフ)に乗っていた博物学者ラングスドルフによって長崎でも実験され、忠雄も見たということである。また、ネルチンスク条約を結んだ中国とロシアの対談記録の翻訳もしている。これは後に川路聖謨がロシアと交渉するときの資料とされたという。  忠雄がなにゆえ、家に籠もっていたか。本書では和蘭商館長の書斎に勝手に潜り込んで和蘭書を読んでいた忠雄が、捕まりそうになり階段を転げ落ち怪我をし、それ以後出島を出ることになったと書かれている。『長崎通詞ものがたり』(創拓社 1990)を書いた杉本つとむ氏は「彼が通詞の職を辞した原因は未詳」(p174)としている。

Posted by ブクログ

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