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有機農業農園の四季
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 七つ森書館 |
発売年月日 | 1993/09/01 |
JAN | 9784822893132 |
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有機農業農園の四季
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著者は、この国の農業が農薬、化学肥料の大量投入で安定収量を得るのが当たり前になっていく時代の中で、有機農業での営農とその組織化に成功したパイオニア。なお著者の実家は400年続く農家で、父親は今では当たり前となった「トンネル栽培」を日本で初めて導入した篤農家というから、まさに筋金入...
著者は、この国の農業が農薬、化学肥料の大量投入で安定収量を得るのが当たり前になっていく時代の中で、有機農業での営農とその組織化に成功したパイオニア。なお著者の実家は400年続く農家で、父親は今では当たり前となった「トンネル栽培」を日本で初めて導入した篤農家というから、まさに筋金入りである。 とはいえ、著者のモデルが成功したのは東京世田谷区という土地柄が大きいと思う。この都市型営農モデルを中山間地域で同じように成功させるのは容易ではない。 これまでにも有機農業家の文章をいくつか読んできたが、ニュアンスこそ違えど根底にある「近代型の石油資源多投式慣行農法へのアンチテーゼ」という思想と、「堆肥活用を中心とした土づくり」という働きかけの基礎部分はそれぞれ共通している。いろいろな人の文章を並べて読んでみると、最初分からなかった言葉や記述も、だんだんその意味がわかってくる。 余談だが、発展途上国で風車式の水汲みポンプを導入するくだりで「適正技術」という言葉が出てきてハッとした。てっきり昨今の“デザイン思考流行り”の中で出てきた考え方だと考えていたが、海外協力という括りの中で既に存在していたのか。やっぱり思考のタコツボ化はよくない。 Amazonでレビューすら付いておらず、古本屋でも格安で売られた本書だが、個人的には発見の多い一冊だった。新刊ばかりを追いかけるのはすべてではなく、金銭的にもなかなか厳しい。同じように農業技術に関しても最新研究だけがすべてではなく、枯れた技術も大切にしたい。問題の根底は全く変わっていないのだから。 本書は1993年刊行だが、新刊でも古書にもならないこのあたりの“商業的に宙に浮いた書籍”から血肉を得られたというのは、ほんの選び手にとってはちょっとした喜びでもある。 「たしかに、農薬によって一時的には食料が増産されたかもしれない。しかし、それによって農薬被害、自然の生態系が変わるという代償を受けた。 (中略) 有機農業は環境保全型農業である。農薬、化学肥料に頼らず、食べて血となり肉となる安全な農作物。どれをとっても、自分のためであり、人類のためである。 穀物自給率三〇%、それも石油に支えられながらである。地方の過疎化した農村は、土地をゴルフ会社に売ってしまう。世界にまれに見る文明国家、日本の山河は瀕死状態にある」p.191 「石油や電気の大量使用は、地球の温暖化を促進させ、毎年、異常気象とさわぐ。何千年もかかってできたすばらしい自然を、一握りの企業があっという間に壊しているのが、開発である。 有機農業を行ってから、農業は機械化すればするほど、むだが出ることを知った。人間の欲は、地球環境を破壊へと向かわせている。 地球は生物全体のものである。人間はその中では少数派に属する。有機農業は、このような進みすぎた文明の「貧しさ」の中で、どのような役割を担えるだろうか」p.196
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