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エセルとアーネスト ほんとうの物語
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エセルとアーネスト ほんとうの物語

レイモンドブリッグズ【作】, さくまゆみこ【訳】

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エセルとアーネスト ほんとうの物語

定価 ¥2,420

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 小学館
発売年月日 2007/12/15
JAN 9784097272434

エセルとアーネスト

¥2,090

商品レビュー

4.4

6件のお客様レビュー

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2022/06/27

レイモンド・ブリッグズ(1934〜)、イギリスの絵本作家。「風が吹くとき」という、核戦争勃発時に政府の言う通りに家の中に避難して、ゆっくり死んでゆく夫婦を描いた人。チェルノブイリ事故より少し前の作品(1982)であり、私たちには衝撃的だった。現代の子供たちには「スノーマン」の作者...

レイモンド・ブリッグズ(1934〜)、イギリスの絵本作家。「風が吹くとき」という、核戦争勃発時に政府の言う通りに家の中に避難して、ゆっくり死んでゆく夫婦を描いた人。チェルノブイリ事故より少し前の作品(1982)であり、私たちには衝撃的だった。現代の子供たちには「スノーマン」の作者と言った方が通りが良いか。 その彼の、お父さんとお母さんが出会って、結婚して、亡くなるまでの「ほんとうの物語」を、ときにマンガのようにコマ割りで、ときに一頁を使って、リアルに描いた絵本。牛乳配達員のアーネストと元メイドのエセルは、戦中戦後を通じて下町の通りに面した煉瓦造りの家を離れることなく、一人息子を育て上げた。家の景観は41年間(空襲でボロボロになった時と大きくなった梨の木以外は)ほとんど変わらず、2人が亡くなると他の所有者に「FOR SALE」されてゆく。イギリスの住宅事情がよくわかる。 戦争はアーネストにおびただしい子供の遺体を見せ、息子のの学童疎開に悩み、「ヒロシマに原子爆弾、10万人が死亡」というニュース(実際の死亡者は20万人だけど)を聞けば、「これで戦争はなくなる」と呟く(「だって開戦した途端、みんな死んじゃうじゃないですか」)。戦後しばらくは英国は徴兵制だったので、息子も成人した後は徴兵されていた。 労働党支持のアーネストと保守党支持のエセル。2人は新聞を通して、いつも会話している。寝室には、息子の資格証書と父親の退職証書を額に入れて飾っている。記念写真は7つも立てかけている。息子の長髪を嘆き、就職を心配し、精神疾患の嫁さんをもらったことを心配している。「あの子たち、分裂症の件はあるけど、とても幸せそうじゃないか」。どちらにせよ、子どもたちの巣立ちは寂しそう。そうやって2人は、エセルのなくなったあとに追うように直ぐにアーネストも亡くなったのである。 なんと温かい目で(ときにはシニカルな視線で)、自分の両親を見ているのか。英国庶民の戦中戦後が、立体的に見えて来る良書でした。seiyan36さんのレビューを5月3週に見て紐解いた。

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2022/05/23

著者、レイモンド・ブリッグズさん、どのような方かというと、ウィキペディアには次のように書かれています。 レイモンド・ブリッグズ(Raymond Briggs, CBE, 1934年1月18日 - )は、イギリスのイラストレーター、漫画家、作家。大人向け作品と子供向け作品の、双方...

著者、レイモンド・ブリッグズさん、どのような方かというと、ウィキペディアには次のように書かれています。 レイモンド・ブリッグズ(Raymond Briggs, CBE, 1934年1月18日 - )は、イギリスのイラストレーター、漫画家、作家。大人向け作品と子供向け作品の、双方で大きな成功を収めた。 ロンドンのウィンブルドンで、女中の母エセルと牛乳配達人の父アーネストの間に生まれた。ブリッグズは幼少時から漫画書きの道を追い続け、母親がこの利益にならない趣味をやめさせようとしたのにもかかわらず、彼はウィンブルドン・カレッジ・オブ・アートとスレイド美術学校に通った。短期間絵画を学んだ後、ブリッグズはプロのイラストレーターとなり、すぐに児童文学作品での活動を開始した。 本作は、著者の、父アーネストと母エセルが一緒になる頃から亡くなるまでを、一気に書き上げた作品です。 かなりの部分が実話であると思われます。 いやあ、良い内容ですね。 まっとうに生きた夫婦が描かれています。 絵本なので、とても読みやすいです。 本作の内容は、次のとおり。(コピペです) 絵本作家ブリッグズが描いた両親の伝記絵本 本書は絵本作家ブリッグズの両親の半生を描いた絵本です。牛乳配達の父と母の結婚に始まり、 息子の誕生、第2次世界大戦中の苦難…と、激動の20世紀を生きた庶民の歴史を、暖かなまなざしで描いた感動の物語です。 ●2022年8月11日、追記。 著者、亡くなられたようです。 ご冥福をお祈りします。 以下、日経新聞の記事です。 レイモンド・ブリッグズ氏(「スノーマン」で知られる英絵本作家)AP通信などによると、8月9日死去、88歳。死因など詳細は不明。 1934年、ロンドン生まれ。広告業界で働いた後、子ども向けのイラストレーターとして頭角を現した。代表作となった文字のない絵本「スノーマン」(78年)は世界中で550万部以上販売され、アニメーション化もされた。

Posted by ブクログ

2020/01/16

おかん(元メイドのクラス)とパパ(労働者階級)の、家庭内の格差と所属する階級に基づく配偶者へのいろいろが情けも容赦もなく描かれる。  その割に、彼氏が推す英国人俳優が、認知症で呆けた母親の口からすごいものとして出る(それを息子が聞いて悲嘆にくれる)とか、結構いい夫婦な感じも描かれ...

おかん(元メイドのクラス)とパパ(労働者階級)の、家庭内の格差と所属する階級に基づく配偶者へのいろいろが情けも容赦もなく描かれる。  その割に、彼氏が推す英国人俳優が、認知症で呆けた母親の口からすごいものとして出る(それを息子が聞いて悲嘆にくれる)とか、結構いい夫婦な感じも描かれる。  なんか、第二次世界大戦の後のイギリスは、戦勝国な感じがない、と言ふのは 未だに違和感が。  あ、こっちで両親のいろいろ持ってって貰ふの、「救世軍」だ。

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