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自伝・私の生い立ち 与謝野晶子児童文学全集5少女小説篇
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自伝・私の生い立ち 与謝野晶子児童文学全集5少女小説篇

与謝野晶子【著】, 上笙一郎【編】

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自伝・私の生い立ち 与謝野晶子児童文学全集5少女小説篇

定価 ¥2,640

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 春陽堂書店
発売年月日 2007/12/01
JAN 9784394902539

自伝・私の生い立ち

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2013/04/17

与謝野晶子の児童向け作品を集めた全集の一冊。 単行本未収録のものが結構入っているらしい。 「自伝」と銘打ってあるけれど自伝ではない。 少女小説と、随筆(この部分が「自伝」らしい)およびインタビューと、与謝野晶子編の女性版百人一首が入っている。 少女小説部分はなんとなく小川未明...

与謝野晶子の児童向け作品を集めた全集の一冊。 単行本未収録のものが結構入っているらしい。 「自伝」と銘打ってあるけれど自伝ではない。 少女小説と、随筆(この部分が「自伝」らしい)およびインタビューと、与謝野晶子編の女性版百人一首が入っている。 少女小説部分はなんとなく小川未明を思い出した。 これは大人が子供に読ませるために書いたお話。 だから、とても丁寧にきれいな言葉で作られている。 幼稚な大人が自分の読みたいものを描いた「児童向け」とは一線を画する。 反面、教訓が強すぎて、今の感覚だと古いものもある。 教訓が全面に出ているものよりも、ちょっと投げちゃってるようなののほうが面白い。 でもこういうきれいな、基礎を作る為の「栄養」の本も読んで育ちたいものだ。 随筆部分は当時の風俗が描かれているのが楽しい。 しかし当時の風俗がわからないので、たとえば着物の雰囲気がわからない。 「素敵なもの」が華やかなのか大人びているのか粋なのか流行りなのか可愛いのかさっぱりわからない自分が残念だ。 普通にさらりと描かれている登場人物のひとりは、大逆事件で死刑になった人の遺族らしい。 子供時代の学校の思い出の中で、「このひよこは何を思っているでしょう」という問いを考えるエピソードが印象に残った。 手を挙げた人を見て、ひよこの気持ちがわかるなんてすごいなと思ったが、答えを聞いたらそれは「自分だったらこう感じる」というものに過ぎなかったのでがっかりする。 「作者の心情を察しなさい」式の教育は明治から脈々と無批判に続けられているのか… 幼いころの思い出では繰り返し引っ込み思案だった様子が描かれる。 大人になってからも「友達らしい友達がいない。でもまあそんなもんだよね」とスパッと書いちゃう。 こういう子が、きちんと主張できる人に育つとはすごいことだ。 百人一首は、今の研究成果に照らし合わせてみると誤っている部分がいくらかあるらしい。 だったらその部分に注釈を容れてほしい。 どこかに間違いがあるよとだけ言われると、「与謝野晶子はこう読んだ」という読み方しかできなくなってしまう。 恋の歌っぽいものを「友」として読んでいるのは少女向けの配慮なんだろうか。 編集者の後書きがなにやらとても古臭い。 出版年は比較的新しいけれど、昭和に出たものの再版だろうかと考えてしまった。 古いものを読むときに時代や筆者の立場を勘案することは大事だけれど、少なくともこの少女小説は「母親の寝物語」だの「女性運動」だのといった余計なものを考えずに読むべきものだと思う。 昔らしい雰囲気を重視するなら総ルビが良かった。 すべてじゃなくてももっと多めがいい。 児童向けのものを集めたものなのに子供に読ませることを想定していない作りだ。 なんだか全体的に編集が残念。 表紙は竹久夢二。挿絵なし。

Posted by ブクログ