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トラや
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 文藝春秋 |
発売年月日 | 2007/11/30 |
JAN | 9784163265100 |
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トラや
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商品レビュー
3.3
15件のお客様レビュー
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
一戸建ての平屋の病院住宅に妻と子供2人。1990年夏、母猫と子猫5匹が庭に。初秋、母猫二匹の子猫、トラ猫と白猫を庭に置いて去る。11月、2匹を家の中に。パニック障害、うつ病の時、猫がいる家の方が安らげると1ヶ月自宅静養。そのうち、シロはいなくなり、トラだけに。家を新築(二階建て)、猫の玄関を。トラ、去勢手術、太ってくる。たまに帰ってこない日が(とても心配)。交通事故で右の前足を骨折、1ヶ月寝込み、回復。老いが。冷たい水は飲まず、ぬるい湯を。トラはいつの間にか一家統合の要に。15歳、急性腎不全、没。トラがいなくなり、人だけが住むようになった家はひどく殺風景になった。玄関を開けると、私も、妻も、いつもトラを探してしまう。無言のまま、ため息をつく。
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ネコがでてくるのでとりあえず読んでみた。 うーーーん、イマイチ。 「ノラや」もまだ途中なんだよね。 子猫を川に捨てるなんてことが日常なのは、都市部以外の現状なのかな。悲しいことだ。 完全室内飼いが進めばいいな。小説の題材にはしにくくなるけど。
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一緒に過ごす猫や犬に、確かに救われた瞬間がある、と しみじみ思える人には、ぜひ手に取ってもらいたい本です。 待合室にあふれる患者を思うと、他の医者のように悠然と診察してなどいられなくて せかされるように、ひとりでも多く、と根をつめて診察を続け 見学していた医学生に「こんな生活し...
一緒に過ごす猫や犬に、確かに救われた瞬間がある、と しみじみ思える人には、ぜひ手に取ってもらいたい本です。 待合室にあふれる患者を思うと、他の医者のように悠然と診察してなどいられなくて せかされるように、ひとりでも多く、と根をつめて診察を続け 見学していた医学生に「こんな生活しとったら、長く生きられませんよ」 と真顔で言われた南木さん。 「人が病んで死んでゆく過程に付き合う仕事で生活の糧を得、 そのあまりの業の深さを世間に開示せずには生きてゆけそうもなかったから 小説を書き始めた」と綴る南木さん。 その生真面目さが呼び寄せてしまったかのような鬱病のせいで 奥さんの留守に、ついに包丁に手を伸ばし、死への衝動に身を任せそうになったとき 命の輝きをそのままかたちにしたように ふすまを突き破って、ぽんと飛び出すのです、子猫たちが。 いつもはうるさく鳴かないのに、その日に限ってにゃーにゃー鳴いて餌をねだり お皿に顔を突っ込んで、むせながらガツガツ食べるトラの旺盛な食欲が 南木さんの身に起こした小さな奇跡に、心が震えました。 死への衝動になんとか抗おうとする南木さんにじゃれついては繋ぎ止め 夫から目を離せない奥さんに寄り添って慰め 母をまるまる父に取られてしまう形となった子供たちの遊び相手になって 南木一家のいちばん苦しい時期を支えたトラの気配が 登場しない頁にまで感じられるような一冊です。
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