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生命とは何か-物理的にみた生細胞 岩波新書
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 岩波書店 |
発売年月日 | 2005/12/22 |
JAN | 9784004160809 |
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生命とは何か-物理的にみた生細胞
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5件のお客様レビュー
相対論・量子論の図解本を読んだ時に、このシュレーディンガーという人物の成したことが、ものを考えるひとのそれであった。 生命というものを物理学的にみる。それは一体どういうことなのか。生きているということを物理学がどう描いていくのか。存在という不可思議を知りたいという点で、このひとの...
相対論・量子論の図解本を読んだ時に、このシュレーディンガーという人物の成したことが、ものを考えるひとのそれであった。 生命というものを物理学的にみる。それは一体どういうことなのか。生きているということを物理学がどう描いていくのか。存在という不可思議を知りたいという点で、このひとの情熱は先哲と同様であった。 巧みに形而上学・哲学の問題と切り分けながら、物理学の限界まで突き進んでいく。驚くべきは、この「わたし」が存在している事実。これは一体なんなのだ。彼が知りたいのはこの一点である。 物理学からすれば、この「わたし」という存在が持続しているというのは驚くべき事実なのである。不確定の熱運動に乱され、原子というものはいつも同じではいられない。常に統計学的・確率論的な揺らぎの中にある。ひとを形作るのは、たったひとつの細胞であり、しかもその中の設計図・暗号文はほんのわずかな原子から成り立っている。とすると、ある一定の持続性をもって生じる遺伝という現象は起こり得るはずがない。ところが、生命はそんな風になっていない。ならば、生命はこれまでの物理学的な説明とは違った構造をとっていなければならない。量子飛躍の考えに基づけば、この説明がつく。 自然というものは不連続なもので、ある状態からある状態へ移行するには、それ相応のエネルギーが加わらなければならない。そういうしきいによって隔てられている。このしきいによって隔てられたものは、ハイトラーロンドンの力によって結びついたもの、すなわち結晶であり、なおかつ複雑で非周期的なものである。遺伝子というものは本質的にこういうものではないか。 そして、このような遺伝子によって構成されるからこそ、生命はあたかも機械仕掛けの時計のようにふるまって見える。実際は複雑さの中で常に揺らいでいる。真に機械仕掛けの時計となりうるのは、絶対零度という理想地点でしか起こりえない。 これが、彼の第一原理。生命の誕生の神話。このように考えると、生命というのは無秩序さの及ぼす力が徐々に強まっていき、とうとうエントロピー最大、平衡状態へたどり着く。これが生命と非生命の違いである。生きているということは、どこかでエントロピーを放出している、あるいはそれを相殺するエントロピーを吸収していると考えることができる。こういうわけである。 真に物理学に基づくと、もうそれは形而上学とならざるを得ない。そも、物理学とは数式という文字による世界の記述、物語であるから。どんなに考えても、この自分が自分であるという端的な事実の説明がつかないのである。カントは、それをア・プリオリだとして批判しなかった。では、そうするとどうして今目の前に他人という不可解なものが存在してしまうのか。どうしてそういう存在と同じことばを用いて話をしているのか。 「わたし」とはいったい何か。どうして「あちら」ではなく「こちら」なのか。「経験や記憶をその上に集録した画布」これが形而上学でなければなんなのか。 彼の声がもっと聴きたい。
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内容は遺伝子によって永い年月生命が伝えられるという物理学的な証明という感じでしたが、随所にへぇ~!と思われることがいろいろ書かれていてためになりました。 特に思考はそれ自体秩序だったものだからそれに対応する脳などの感覚器官は秩序だったものでなければならないというような記述は目か...
内容は遺伝子によって永い年月生命が伝えられるという物理学的な証明という感じでしたが、随所にへぇ~!と思われることがいろいろ書かれていてためになりました。 特に思考はそれ自体秩序だったものだからそれに対応する脳などの感覚器官は秩序だったものでなければならないというような記述は目からウロコで、ひっくり返せばセカイが無秩序でも脳を含む身体に秩序があるから人間は秩序ある世界認識ができるんだなぁ~ということのようです。 あと、物理や化学の規則性というか法則性というのは実は統計学的なものでたくさんの原子や分子のふるまいがあるからあらわれるものなんだという指摘には驚きました。感覚的にはまるで逆に考えていました。 Mahalo
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シュレディンガーが生命現象を物理学的に解明・説明しようと試みた古典。 物理学者のシュレディンガーが生物学の領分に進出したという構図で考えると、いわゆる「物理帝国主義」の典型例に思える。しかし、内容を読むと、生命現象に対応するために新たな物理学(=量子力学)の必要性を説く、物理学内...
シュレディンガーが生命現象を物理学的に解明・説明しようと試みた古典。 物理学者のシュレディンガーが生物学の領分に進出したという構図で考えると、いわゆる「物理帝国主義」の典型例に思える。しかし、内容を読むと、生命現象に対応するために新たな物理学(=量子力学)の必要性を説く、物理学内部の改革運動的な側面があることが分かった。 エピローグでは、生命現象に対する機械論的決定論と自我についての著者の哲学が述べられている。訳者あとがき では、訳者の一人、鎮目恭夫氏のルイセンコ学説に関する反省が述べられていて興味深い。
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