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ノーベル賞受賞者の精子バンク 天才の遺伝子は天才を生んだか ハヤカワ文庫NF
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 早川書房 |
発売年月日 | 2007/11/25 |
JAN | 9784150503307 |
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ノーベル賞受賞者の精子バンク
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ノーベル賞受賞者の精子バンク
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商品レビュー
3.4
8件のお客様レビュー
文庫発売時(2007年?)に見つけて、読みたいなあと思ったまま10年経ってしまった本。結論から言うと、読んで良かった。 1980年に、富豪ロバート・グラハムによって設立された、「ノーベル賞受賞者のみ」を掲げた精子バンク。1999年に閉鎖されるまでに、200人ほどの子供が生まれた...
文庫発売時(2007年?)に見つけて、読みたいなあと思ったまま10年経ってしまった本。結論から言うと、読んで良かった。 1980年に、富豪ロバート・グラハムによって設立された、「ノーベル賞受賞者のみ」を掲げた精子バンク。1999年に閉鎖されるまでに、200人ほどの子供が生まれたが、その実態は看板とは全く別だった。 導入部とサブタイトルで、そのバンクによって生まれた子供の行く末をメインとしているように錯覚するが、それは全体の1/3ほどである。仮にその部分だけを押し通して、それぞれのケースレポートだったとしたら、それはそれでつまらないであろう。 つまり、先述したとおりであるが、「ノーベル賞受賞者」の精子など保存していなかったし、場合によってはどこの誰だかわからないような人の精子が使われていたという実態。 看板にある通りの選民思想(優生学)、無意識にそれを利用しようとする親のエゴ、様々なものが絡み合いながら存在している、商用の精子バンクであるので、どこをどう取材しても、ねじれた現実しか出てこない。そこが本書の面白いところである。 それだけでも読む価値はあるのだが、そこで思考停止になる人には、少々危ない内容である。 というのも、本書は「ジャーナリズム」としては、落第点しか取れないものだ。この本には、報道であり、取材の倫理というものがこれっぽっちも存在していない。 1990年代後半までの取材なら、まだ許せたのかもしれないが、本書が描かれたのは、読んでいても解るのだが2001~2004年である。その辺りに弱い日本でも「個人情報保護法」なるものが動き始めている時期だ。 そもそも、本書の中でも「精子バンクに登録してみた」という稿で、ドナーとレシピエント(購入者)は、一切接触を持たないことを前提としているではないか。 なのに、この作家(?)は、見つけたドナーと生まれた子供を会わせてしまう。会いたくないという意思を示している人の連絡先をドナーに教えてしまう。 ダメだろ。 巻末に近い項で、ドナーの精子から生まれた子供を「トゥルーマン・ショーのように」と批判的に書いているにもかかわらず、自分が見つけたドナーを、レシピエント家族に紹介し、結果として家庭崩壊につながっている(繋がってないと本人は書いているが、離婚している)。 そういうドキュメンタリーのあり方に疑問を呈する部分まで読めたとしての☆4。無批判に読んでしまいそうな人には☆2という所。かなりの劇薬系文庫である。
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読書録「ノーベル賞受賞者の精子バンク」2 著者 デイヴィッド・プロッツ 訳 酒井泰介 出版 早川書房 p410より引用 “彼の一番のお気に入りで数学の神童だった ドロンはしかし、自然科学を拒み、人間の精 神性という何よりもソフトな学問を選ん だ。” 目次から抜粋引用 “天才...
読書録「ノーベル賞受賞者の精子バンク」2 著者 デイヴィッド・プロッツ 訳 酒井泰介 出版 早川書房 p410より引用 “彼の一番のお気に入りで数学の神童だった ドロンはしかし、自然科学を拒み、人間の精 神性という何よりもソフトな学問を選ん だ。” 目次から抜粋引用 “天才づくり 精子探偵 のら犬一家 それでもやっぱり父は父 天才精子バンクの最後” 天才の精子バンクと、それらに関わった人 達を追い求めたノンフィクション。 同社単行本『ジーニアス・ファクトリー 「ノーベル賞受賞者精子バンク」の奇妙な物 語』改題文庫版。 天才精子バンクと優生学の関わりから実際 に生きている提供精子から生まれた人物への インタビューまで、粘り強い取材を元に書か れています。 上記の引用は、精子提供で生まれた子供の その後について書かれた部分での一文。 今現在は、遺伝で多くの大きなことが決まる との説のほうが強いらしいですが、遺伝で決 まっている通りに人が生きようとするかは 疑問です。 自分に見切りをつけた分、子供に期待しす ぎると、あまり良いこともなさそうですね。 なるようにしかならないとしか、言えないの かも知れません。 ーーーーー
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思った以上に面白かった。同時に、いやな感じも残るんですけどね。 わたしが、人工授精とか、この手のことで知っている知識は、昔読んだ夏樹 静子の短編ぐらい。 今調べてみると、「ガラスの絆」っぽい。 あと、海外のフェミニスト系SFかなにかで、ホモセクシャルの友だちのために子宮を提供...
思った以上に面白かった。同時に、いやな感じも残るんですけどね。 わたしが、人工授精とか、この手のことで知っている知識は、昔読んだ夏樹 静子の短編ぐらい。 今調べてみると、「ガラスの絆」っぽい。 あと、海外のフェミニスト系SFかなにかで、ホモセクシャルの友だちのために子宮を提供する女友達の話を読んだような気がします。 多分、女性の作家で短編。 確か、ホモセクシャルの友だちのために子宮を提供する女性は、ウェンディとか呼ばれて、社会的に認められているような設定だったような記憶が……。 これは、全然、検索してもわからないなぁ。多分、ハヤカワSF。 というわけで、まあ、天才の遺伝子から天才が生まれるかどうかは興味ないんだけれど、それが生み出す人間関係は、どうなっていくんだろうという興味があります。 「馬とかは、完全に血筋ジャン」とか言い出す人もいるかもしれませんが、あそこまで特化してやったことで、サラブレットって、自然に生きて行くためのものを一杯捨ててしまっていて、多分、繁殖されている分には良いけど、人間の保護がないとかなり生きていけない動物になってしまっている気がします。 あぁ、デザインベビーの話だとすると「私の中のあなた」も、関係ありか。 あれは、姉を生かすために妹を産むというお話でした。 どうしても、子どもを持ちたいというその思いには応えたいとは思うけれど、あんまり人が触れてもいい領域ではない気もしています。 諦めろというのは、傲慢なのかもしれないけれど。それでも、不妊治療は、自分の精神や肉体をつぶしてまですることではないというのが、今の時点のわたしの判断です。 いや、それは、この本のお話からはちょっとずれているか。 人工授精という枠の中に、「デザインベビー」、「不妊治療」、「家族」などいろいろな問題が入っていて、それが問題を難しくしていますね。 デザインベビーが、デザイン通りじゃなかった時にそれをうけとめることができるのか。もちろん、普通に産まれてくる子たちですら、すべて受け入れられているわけではないのに。 じゃあ、妊娠を免許制かなにかにして、ちゃんと育てられる人だけに許可するのか?それも、違うよねぇ……。 それもなんか、優生学的なにおいがする気がする。 基本、子どもが生まれるのは良いことだと思っているんです。 どんどん生まれて、どんどんしあわせになって欲しいんです。 保証なんか何もないこの世の中だけども。 生まれてよかったのかどうか、決めるのは自分。 生まれてこなければ、それすら、決められない。
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