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枕草子 新版(下巻) 角川ソフィア文庫
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商品詳細
内容紹介 | |
---|---|
販売会社/発売会社 | 角川グループパブリッシング |
発売年月日 | 1980/04/01 |
JAN | 9784044026028 |
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商品レビュー
4.2
8件のお客様レビュー
なかなか手ごわい枕草子。引き続き下巻を読む。 そもそも「枕草子」とはどういう意味なのか? 現在は「まくら<の>そうし」と<の>を入れるのが一般的だが、古くは「まくらさうし」あるいは「まくらざうし」とされていた。また、現代では枕草子といえば清少納言が書いたものを指す固有名詞とされ...
なかなか手ごわい枕草子。引き続き下巻を読む。 そもそも「枕草子」とはどういう意味なのか? 現在は「まくら<の>そうし」と<の>を入れるのが一般的だが、古くは「まくらさうし」あるいは「まくらざうし」とされていた。また、現代では枕草子といえば清少納言が書いたものを指す固有名詞とされるが、かつては普通名詞であったようである。ではその「枕」とは何か、というのにもいくつか説があるが、一番有力なのは「備忘録」とする説であるようだ。 枕草子執筆の動機を示しているかもしれないものとして、跋文(あとがきのようなもの)には以下のように記されている。 宮の御前に、内の大臣のたてまつりたまへりけるを、(宮)「これに、なにを書かまし。上の御前には、史記といふ書をなむ書かせたまへる」など、のたまはせしを、(清少)「枕にこそはべらめ」と申ししかば、(宮)「さは、得てよ」とて、賜はせたりしを、・・・ 中宮の元に内大臣(伊周)が紙を持ってきた。「何を書いたらよいだろう。帝は「史記」を書いていらっしゃるそうだけれど」とおっしゃるので、「枕でございましょう」と申し上げると「それならそなたにあげよう」とその紙をいただいた、ということのようである。 わかったようなわからないような話で、帝が「史記」なら中宮は「枕」でしょう、というのもよくわからないが、それでどうして中宮自身が「では枕を書こう」というのではなく、「そなたに上げよう」となるのかもよくわからない。読者としてはちんぷんかんぷんなのだが、それで話が進んでしまっているのである。このあたりも訳注者が述べていた、著者にとっては「自明」のことで、それゆえ説明がないという一例だろう。 (大河ドラマでは『史記』→「しき」もの→「枕」/『史記』→「四季」の地口の連想と解釈していたようだが、それも一説にはなろうけれども、個人的には決定打という感じは受けない) 有名な「香炉峰の雪」もよく考えるとちょっと引っかかったりする。 雪の日、御格子をおろして皆で話などしていると、中宮が「少納言よ、香炉峰の雪は、どんなでしょう」と聞く。それで少納言は御格子を上げさせて御簾を高く掲げ、外の雪景色を見せる。中宮は我が意を得たりと笑う、というものだ。 「和漢朗詠集」の「遺愛寺鐘欹枕聴/香炉峰雪撥簾看」から採られているわけだが、何というか、「簾を撥(かか)げて雪を看る」のでは、漢詩そのままで、特にひねりがあるようには思えない。 つまり、問いかけた時点で、中宮の心中には「正解」があったのではないか。それに対して清少納言は正しい答えを出した、ということなのではないか。 機転とか頓智というよりも、和歌や漢詩をよく学び、とっさの時にすぐ、このシチュエーションならこの詩・この和歌がぴったりはまる、あるいは、この詩・この和歌の背景はこう、と、具体的に思い出せるようにしておくことが大切だったのかという印象を受ける。脳内でデータベース化して、必要なときには直ちに検索してふさわしいものを見つけ出す。それがこの時代の宮廷の「教養」だったのではないか。 中宮はおもしろいから笑ったのではなく、求められる「才」を清少納言が発揮したから満足して笑った、ということなのではないかなぁ・・・。それならちょっとわかるような気もする。 何だか雲をつかむような感じで読み進めていく中で、少々おもしろかったのは、清少納言が宮仕えし始めたころの話。 中宮は輝くばかりに美しく、親切に絵などを見せてくれる。世間知らずな自分が恥ずかしくて、満足に顔も上げられない。中宮の周りには物慣れた先輩女房達がいて、皆、気後れもしていないようだ。のちの才気煥発の清少納言からはちょっと考えられないような「借りてきた猫」のような姿。けれども中宮は最初から、清少納言には期待していた風が見える。このあたりの距離感が興味深い。 原文や補注まで読み切ったわけではないので、「枕草子を読んだ」と胸を張って言えるかはやや疑わしいが、とりあえず、一通り、印象はつかめたように思う。 ・・・いや、意外に難しい。千年の隔てはそう簡単には埋まらない。 とはいえ、そこここに当時の才ある女性の素顔が見えるようにも感じた。
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『枕草子』は当時の帝のお妃である中宮定子のための随筆だと言われるところですが、読んでみると随筆といったものの、作為的に書かれている感じのするところがあります。巻末の解説を読むと、解説者自身は「無条件に随筆であるとする立場にはない」とのことでした。つまり、空想やフィクションが混じっ...
『枕草子』は当時の帝のお妃である中宮定子のための随筆だと言われるところですが、読んでみると随筆といったものの、作為的に書かれている感じのするところがあります。巻末の解説を読むと、解説者自身は「無条件に随筆であるとする立場にはない」とのことでした。つまり、空想やフィクションが混じっているのでしょう。このあたりを鑑みて、僕のごく個人的な評価にはなるんですが、「『枕草子』は、私小説的エンタメ(随筆形式)。」とくくってみることにしました(僕としてはフィットするんですが、どうでしょうね?)。自分に悪い噂が立ち、大切にしたい繋がりを持つ人に誤解されないためであっても、こちらから説明や弁明はしない、なぜなら癪に障るから、というのがどうやら清少納言なので、もしも当時マスメディアがあってインタビューすることができても、彼女の創作の秘密は明かされないような気がします。
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平安時代中期に中宮定子に仕えた女房、清少納言により執筆されたと伝わる随筆です。古文の授業とかだと冒頭を始め、途中の段を抜粋して終わってしまうけど、それではもったいないです。もっと色々な事柄が清少納言の目を通して語られています。そうそう最近だとFGOに清少納言(キラキラのアーチャー...
平安時代中期に中宮定子に仕えた女房、清少納言により執筆されたと伝わる随筆です。古文の授業とかだと冒頭を始め、途中の段を抜粋して終わってしまうけど、それではもったいないです。もっと色々な事柄が清少納言の目を通して語られています。そうそう最近だとFGOに清少納言(キラキラのアーチャー)が登場してtwitterとかで名前を見かけましたが、マスターだったら読んでおいたほうが良いと思うよ。
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