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リベラル・ユートピアという希望
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リベラル・ユートピアという希望

リチャード・ローティ(著者), 須藤訓任(著者)

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リベラル・ユートピアという希望

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 岩波書店
発売年月日 2002/07/27
JAN 9784000255561

リベラル・ユートピアという希望

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商品レビュー

4.3

5件のお客様レビュー

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2017/04/30

プラトン主義というのは、西洋人でなくても、多くの人間が日常的にナイーブに抱く世界観である。つまり、現象のうらに本質があるという考え方であり、私の外側に客観的な世界があるという考え。そして、世界を認識した私は、言葉を通じて、主体を表現するという考え。 20世紀の現代思想、科学は...

プラトン主義というのは、西洋人でなくても、多くの人間が日常的にナイーブに抱く世界観である。つまり、現象のうらに本質があるという考え方であり、私の外側に客観的な世界があるという考え。そして、世界を認識した私は、言葉を通じて、主体を表現するという考え。 20世紀の現代思想、科学は、こうした思想を解体する方向でおおむね進んできたのだが、それでも、心の中のプラトン主義はなかなか無くならない。 こうした心のうちなるプラトン主義から離脱して、「物事の背後に根源を求めるのはやめよう」というのが、最近の私のテーマである。 という意味で、ローティの、反プラトン主義、反基礎付け主義は、自分の志向性ととてもフィットがよい。 ローティは、アメリカ的なプラグマティズムの伝統のなかにいる哲学者なのだけど、ハーバーマス、デリダ、フーコーなどの大陸系の哲学者ともその議論はしっかりと絡み合っているところがいいね。 かつ、この本における率直さはほんとうにすごい。 最近、正義や権力を巡る読書で、スピヴァク、デリダ、アーレント、ロールズなどの関連図書を読んでいて、なんとなく非決定論的な閉塞感を感じていたのだが、ローティは結構元気でる。 なぜか、マルクスの「共産党宣言」を、「新約聖書」とともに、希望の書として、学校で読むべき本として推薦していたりして、面白い。 つまり、哲学より「希望」のほうが大切なんだ! もちろん、「希望」を哲学的に基礎づけることなんかできない。 基礎付けなしの「希望」=実践と考えれば、確か、マルクスが「ドイツイデオロギー」で言いっていた「これまで哲学者は世界を解釈してきただけであったが、大切なのは世界を変革することである」という名文句も思い出されたりする。 そういえば、「ドイツイデオロギー」には、「共産主義とはある理想的な状態ではなく、活動である」といった主旨の言葉もあったな。 状態ではなく、活動である、という発想は、アーレントやロールズにも共通するところで、最近の読書がだんだんつながってきた気がした。 あと、後期ウィトゲンシュタインの言語論との関係とかともしっかりフィットする。ローティにとって哲学は、ウィトゲンシュタイン同様、言葉や思考の誤用というかこわばりをほぐす臨床的な行為なんだろうな。 哲学とかたいしたことない、思想より理想を、という哲学。

Posted by ブクログ

2014/03/23

ローティのこと、わたしあんまり好きじゃないかもしれない。プラグマティズムは、反本質主義的な意味で共鳴する部分があるのだけれども、やっぱり結果主義すぎる。功利主義に対する批判をこれが乗り越えられているとはおもえない。そして原理なき倫理はやはり、突き詰めればリベラル・デモクラシーを擁...

ローティのこと、わたしあんまり好きじゃないかもしれない。プラグマティズムは、反本質主義的な意味で共鳴する部分があるのだけれども、やっぱり結果主義すぎる。功利主義に対する批判をこれが乗り越えられているとはおもえない。そして原理なき倫理はやはり、突き詰めればリベラル・デモクラシーを擁護できないのではないか? ローティは明らかにひとつの価値、すなわちアメリカとリベラル・デモクラシーにコミットしているが、彼のプラグマティズムを突き詰めた先にそれがあるとは思えない。そして彼の思想はまったき他者を歓待せよ、というデリダの思想の重要な倫理に比べて、排他的になり得る可能性があまりにも高いように思われました。

Posted by ブクログ

2010/11/30

読了メモ。R.ローティ『リベラル・ユートピアの希望』。著者自身によるローティ入門のようなエッセイ集。自伝から、デューイ、ジェイムズ、ニーチェ、ハイデガー等、英語圏と非英語圏を跨いでみずからの哲学的、社会的主張と希望の概観が示されている。

Posted by ブクログ

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