法然の宗教

高橋弘次(著者)

• 販売会社／発売会社: 仏教書林中山書房
• 発売年月日: 2004/01/01
• JAN: 9784883637324

商品レビュー

2010/04/16

家にあったので読んでみた。前提として自分自身はどこの宗教だとか、何かを信仰しているわけではないのであくまでアウトサイダーとしての意見を述べることにする。

法然と言う人物は多くの人が歴史の本でちょろっと出てきたなあくらいの印象であると思う。俺もそのくらいの感じである。どんな人かは本書で詳しく見てもらえればいいとして、ざっと経歴的なことを今風に言えば、東大で博士くらいまで進むも、自分ではついていけてないと思ってる一人の男が出来ないことに文句ばかり言っているからダメなんだと、どこか自虐的な面を持っている。ついには30年も勉強したことを捨ててビジネスの世界に乗り出すみたいな。

で、法然というのは極端な話、往生するためには「唱えたらええねん」的な人らしく、考えるより先に南無阿弥陀仏と脊髄反射の如く言えという思想を持っていたそうで。単に開き直って、愚痴を言う自分にとても都合がいいように正当化してるようにしか思えないけど、それでも信じてやったことが片隅にでも歴史に残った所以ではないかと。

ただ、本書の内容として、半分はどこかからの引用の解釈が多く、いきなりこれを読んでもその引用元を多少なりとわかってないと読んでもわからなかったりする。なぜなら、経済と同じように義務教育+αくらいでは深く触れない内容だから。

一応科学とは非なる部分で理屈を通しているということだけはわかったのでよしとする。まあ、科学とは言語が違うという程度のもんかもしれない。現実的にそう単純な置き換えというほどではないにしても、一方聞いて沙汰ではいけないのでたまには動かしていない脳の部分を動かしてみてはどうか。

一読してから往生しても悪くはないかもしれないし、そんな大層なもんでもない。