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退屈論 河出文庫
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商品詳細
内容紹介 | |
---|---|
販売会社/発売会社 | 河出書房新社 |
発売年月日 | 2007/10/20 |
JAN | 9784309408712 |
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退屈論
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商品レビュー
3.4
8件のお客様レビュー
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※このレビューにはネタバレを含みます
・負荷-出力モデル 例)試験-簡単 -難しい ↑この落差が「安堵」「落胆」をうむ ・負荷が低いままだと出力も少なく、気持ちの上下がなくなり退屈をうむ。 ・人は厳しい身体的、精神的鍛錬に晒されると、脳内物質が分泌され、それが退屈な癒しにも精神症の治療にも効果がある。 ・鬱や神経症などの人の苦悩の根源を退屈に一元化し、宗教や性遊びなどはすべて「苦悩の根源=退屈」に対抗する手段である。
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「終わりなき日常」を生き抜くためには、「意味」よりも「強度」が求められなければならないと主張する宮台真司や、『逃走論』で近代の神経症から解放された「スキゾ・キッズ」の生き方を説く浅田彰、さらに、「祝祭」におけるエネルギーの解放を論じた山口昌男や栗本慎一郎らの主張に対して、この本の...
「終わりなき日常」を生き抜くためには、「意味」よりも「強度」が求められなければならないと主張する宮台真司や、『逃走論』で近代の神経症から解放された「スキゾ・キッズ」の生き方を説く浅田彰、さらに、「祝祭」におけるエネルギーの解放を論じた山口昌男や栗本慎一郎らの主張に対して、この本の著者は、「飽きないか」という、何ともみもふたもない疑問を投げかけます。 本書では、文学や歴史、人類学などの成果を参照して、人間が「生の意味を求める」のは生が「退屈」だからだ、という洞察を引き出します。個人的には、これまで哲学や宗教が扱ってきた問題を徹底的に世俗的なレヴェルに引き下ろした本だと理解しました。 ところで本書では、宮台と宮崎哲弥の対談のエピソードに触れられています。ある雑誌の中で「強度」を主張する宮台に対して宮崎が「飽きませんか」と尋ねたというエピソードを紹介している。これは、雑誌『サイゾー』に連載された「M2」(現在は朝日文庫に所収)のようですが、興味深いのは、この対談にゲストとして招かれた映画監督の青山真治の発言です。カンヌ映画祭受賞作となった『EUREKA』について、彼は「今まで神経症的に「退屈を恐れる」ことが、ものをつくる際のひとつのコードになってきた」が、「そういうつくり方の過程で捨てられてきたもののなかに、映画本来のものがあった」と言います。そして、今の時代に「そういうものをそのまま再現することはもはや……不可能だけど、僕がやっているような微分的に解体してもう一度一個ずつ積み上げるというやり方は結構それに近いことができる」と語っています。また宮崎は、作中の出来事がお定まりの「意味」に収斂するのではなく、「刹那に生滅しながら持続する時間の切なさ」が「体に残る」ところを評価しています。ここで2人が言おうとしているのは、自分たちの営みが「退屈しのぎ」であることを知ってしまっている者の態度であるように思われます。 本書の結論は、人間のあらゆる営みは「退屈しのぎ」にすぎないということですが、青山らにとっては今さら驚くような真理などではなく、むしろ彼の作品の前提だったのではないでしょうか。
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