ゴードン・スミスの見た明治の日本 日露戦争と大和魂 角川選書411

伊井春樹【著】

• 販売会社／発売会社: 角川学芸出版/角川グループパブリッシング
• 発売年月日: 2007/07/31
• JAN: 9784047034112

商品レビュー

2011/01/09

明治後半、日本に居住した英国人ゴードン・スミスが残した日記の中から日露戦争に関連した部分の紹介。
40歳を過ぎてから大英博物館標本採集員という立場で来日し、その後何回か英国に帰るものの、最終的に62歳で亡くなるまで、妻子を本国に置いたまま日本に滞在を続けた。
民間人ではあるが、日英同盟を締結した同盟国市民として日露戦争の推移を見守るとともに、戦争の被害者である孤児や未亡人、傷病軍人の救済に私財を投じた。
彼が再三指摘しているが、当時の日本では徴兵された兵隊も、一般の大衆も極めて自制的で、酔っ払って騒いだり喧嘩する者がなく、常に粛々と行動していることに感心している。
英国人の目から見た日本人の大和魂、武士道の精神は常に称賛の対象であり、これが後の太平洋戦争に向かうベースとなることがよく理解できる。
自ら写真を撮り、絵師に挿絵を描かせ、当時の世相がわかるという点でも非常に興味深い。
今の日本が失いつつある日本人の良さを描いていると思う。

2010/10/01

明治時代、そして日露戦争(1904～1905年)前後に日本にいたイギリス人、ゴードン・スミス氏が残した日記をもとに書かれている。当時の日本の新聞記事や親しい日本人からもらったものが大切に保管されていて、当時の様子を知るうえで非常に面白かった。

スミス氏が日本人がお祭りでも酔っ払って迷惑をかける人がおらず、節度あり礼儀正しいと評価していることが日本人としてはうれしい。そして、今の日本を思い返すと寂しい気持ちになる。当時の日本人は、そんなに礼節ある人ばかりだったのか。美化されているようにも思える。

2008/02/01

かつての日本人は識字率も高く、教養があり、品があった。町だって清潔だった。文明の進化とはどういうことなのでしょうか。気にしない人はしないのだろうけれど、私は「とはいえ」「だけに」という言い回しが嫌になるほど目についた。