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大杉栄評論集 岩波文庫
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大杉栄評論集 岩波文庫

飛鳥井雅道(著者)

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 岩波書店/岩波書店
発売年月日 2003/06/09
JAN 9784003313428

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商品レビュー

3.8

4件のお客様レビュー

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2024/09/16

1923年9月16日、関東大震災の混乱が色濃く残っているとき、大杉栄(38歳)、伊藤野枝夫妻と甥・橘宗一少年は、憲兵隊に虐殺された。今日はそれから101年になる。この時、朝鮮人のみならず、多くの社会主義者も殺されたと聞いているが、この時彼らの「社会主義思想」は、どのような水準にあ...

1923年9月16日、関東大震災の混乱が色濃く残っているとき、大杉栄(38歳)、伊藤野枝夫妻と甥・橘宗一少年は、憲兵隊に虐殺された。今日はそれから101年になる。この時、朝鮮人のみならず、多くの社会主義者も殺されたと聞いているが、この時彼らの「社会主義思想」は、どのような水準にあったのだろうか。それが本書を紐解いた理由である。 柳広司「パンとペンの事件簿」の大杉栄は、堺利彦社長の売文社で働きながらも、そして荒畑寒村と共に「近代思想」という雑誌を作っていようとも、独自路線を貫き、政府にはもとより、仲間たちにも遠慮呵責なく迫るタイプの人間であった。頭は良い。獄舎に入る毎にいち外国語を習得してゆき、その数7ヶ国語に達したという。 編・解説は飛鳥井雅道だった。おそらく氏の最晩年の著作(1996年)だろう。日本近代思想史研究者の大家である。その氏をして、「「社会主義」思想家の評論集を編んだのではない」「アナーキズムを提出しているのでもない」と言わしめているのは重要だろう。一般に言われている「無政府主義者大杉栄」は、一般の社会主義者とは少し違うという事が、本書を読むと実感できる。 一つ気がつくのは、堺利彦以上の散文である。まるで演説するように文章を書いている。次から次へと、頭の中の知識が湧き出るかの如くだ。 ここには、1911年から1923年までの評論が順番に収められているが、実質彼の思想家としての活動は10年から23年までの13年間しかなかったという。最晩年、自ら創刊した「労働運動」には、1917年に成立したソビエト連邦への政策批判に終始している。レーニンが成したのはボルシェヴィキ革命だったわけだから、トロツキーに心酔している栄がソ連政策に満足できるはずもない。栄の主張は、例えば労働者や農業者の自主性を保障せよ、という当然のものではあった。それは、大杉栄の個人主義思想を貫徹する為には、当然の主張でもあった。しかし、彼の主張は当時のソ連への経済事情を分析できていない、形而上の物だったから、一部学生以外の多くの研究者からは評価されてはいない。 思えば、彼は「化ける」可能性があった。真の共産主義者として、アジテーターとして。時の政府が彼を恐れたのも宜なるかなと思う。大杉栄殺害は、思うに絶妙なタイミングだった。 それから日本の社会主義思想は、真の冬の時代に入ってゆく。冬籠りの中で、日本に真の社会主義思想がはいってゆくには、30年代の野呂栄太郎、古在由重などの若き英才を待たねばならなかった。

Posted by ブクログ

2022/12/22
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

われわれが自分の自我ーー自分の思想、感情、もしくは本能ーーだと思っている大部分は、実に飛んでもない他人の自我である。他人が無意識的にもしくは意識的に、われわれの上に強制した他人の自我である。  百合の皮をむく。むいてもむいても皮がある。ついに最後の皮をむくと百合そのものは何にもなくなる。  われわれもまた、われわれの自我の皮を、棄脱して行かなくてはならぬ。ついにわれわれの自我そのものの何にもなくなるまで、その皮を一枚一枚棄脱して行かなくてはならぬ。このゼロに達した時に、そしてそこからさらに新しく出発した時に、はじめてわれわれの自我は、皮でない実ばかりの本当の生長を遂げていく。

Posted by ブクログ

2022/02/20
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

理解するのはなかなか難儀でしたが、アナキスト大杉栄の評論集。 アナキストもよくわかってないレベルで読んで、理解したことは、 ・個人主義は自己を確立させて自分の意志を持つ ・個人が基礎となるので政府はいらない 自我の拡張が人間の義務というのは、確かに現代にも通じる。 大杉栄は労働者側が無感情で何も考えない姿勢も改善せよと言っている。 おかしいと思うことは声を上げる、自己の人権を自分の手で作ってあげるというのは大事。 征服者と非征服者の二分化した理由の分析は面白かった。 征服者→非征服者 人類は、各所で組織を作り交わらずに生活していたが人口が増え活動領域が増えると、別のコミューンと交わる→戦争、戦い→武器の強いものが勝つ→勝った方が征服者になる→非征服者は人の下に立つことになれる→征服者は教育を施し征服者が非征服者よりも偉いと刷り込む→非征服者の中でも上に上がれる仕組みを作る↑中間層ができる 今の時代に資本主義からまた個人主義になるメリットがさっぱりわからないのと具体的に無政府になってどうするの?ということはよくわからなかった。 最後はロシア革命についての批判を長いこと論じていたけど、この章で社会主義と個人主義の違いがよくわかったし、社会主義が結局資本主義に近づくしかなくなったことがわかったのはなかなかの発見。 次はロシア革命やマルクス主義を学ぼうかな。

Posted by ブクログ

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