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インディアスの破壊についての簡潔な報告 岩波文庫
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商品詳細
内容紹介 | |
---|---|
販売会社/発売会社 | 岩波書店/岩波書店 |
発売年月日 | 1976/06/25 |
JAN | 9784003342718 |
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インディアスの破壊についての簡潔な報告
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商品レビュー
3.9
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基本的にスペイン人(…
基本的にスペイン人(一部ドイツ人)がひたすらインディオを騙し殺すという内容なので、感覚が麻痺してしまうかもしれない。数千、数万単位での記述がされているので、今現在まがりなりにも南米にインディオの末裔がいることが奇跡に思えてしまうくらいである。
文庫OFF
ラス・カサスという、カトリックの司教が、アメリカ大陸で行われる大殺戮の様子を見て、スペインの王様に「どうかやめさせてください」と報告している短い書簡です。 数ページ読んだだけで、言葉にするのもおぞましいほどの人の皮を被った悪魔が、現地の清く美しく、戦うことを知らないインディオたち...
ラス・カサスという、カトリックの司教が、アメリカ大陸で行われる大殺戮の様子を見て、スペインの王様に「どうかやめさせてください」と報告している短い書簡です。 数ページ読んだだけで、言葉にするのもおぞましいほどの人の皮を被った悪魔が、現地の清く美しく、戦うことを知らないインディオたちをいかに残虐に殺しまくったかという様子が描かれています。 イエスの行いや教えをそれこそ、180度正反対にしたベクトルの悪事という悪事です。 同じような描写が、一部ではなく新世界全体で行われていたというのですから、いかに「キリスト教徒たち」「スペイン人」がやりたい放題やっていたかということがわかります。 おおよそ人間が想像つく限り以上の残虐な所業です。 さらにこの書簡が、インディオの権利の擁護のためでなく、 のちに、スペインに対立している国のスペイン叩きにために利用され、 さらに、独立を目指す征服者たちの子孫が、本書をたたき台にしてスペイン政府を批判します。 スペイン王国はこのラス・カサス報告を虚偽として葬り去ってきたという不幸な歴史もあるわけです。 間違いなく、西洋キリスト教および人類にとっての最悪な負の歴史の一つでしょう。 秀吉や家康はその実態をよく知っていたので、 植民地支配の尖兵となったキリシタンたちを拷問にかけて棄教を迫りました。 明治期になっても禁教は続き、 戦時中になってからも弾圧の対象となりました。 ラス・カサスは、このように勇気ある告発をして、 晩年には教皇庁に、そういうことをするキリスト教徒、インディオを野蛮とみなす者は破門に処するように嘆願し、 カルロス国王もそのような侵略をやめさせる決定をしているということです。 確かに、キリスト教徒たちの残虐非道な行いには全く弁解の余地のない悪魔的な行い以外の何者でもありません。 しかし、内部でこのように強い強いブレーキをかけようとする動きや命を恐れぬ内部告発があったということです。 その告発は、外部からの批判よりも、何倍も強い自己批判であることがわかります。 「征服者側」の司教の悲痛な訴えかけは、過去の話だけでなく、 何か現代の帝国主義や植民地支配、格差の姿勢を厳しく訴えかけているように思われます。
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「一五一四年から一五六六年に他界するまで、六回にわたり大西洋を横断し、インディオの自由と生存権を守る運動の中心的な役割を果した」(p.183)ドミニコ会のスペイン人宣教師であるラス・カサスが、「国王カルロス五世に謁見して、インディオの蒙っている不正とスペイン人の非道な所業を詳説...
「一五一四年から一五六六年に他界するまで、六回にわたり大西洋を横断し、インディオの自由と生存権を守る運動の中心的な役割を果した」(p.183)ドミニコ会のスペイン人宣教師であるラス・カサスが、「国王カルロス五世に謁見して、インディオの蒙っている不正とスペイン人の非道な所業を詳説した報告書を提出し、制服を即時中止するよう訴えた」(同)報告書。1552年に刊行されたもの。 10年以上前にメキシコに旅行に行き、その後で読んだ中公新書の『物語メキシコの歴史』の中で紹介されており、その時に買ったものを今やっと読んでみた。 「インディアス」とはスペイン人が植民していった地域、西インド諸島と南アメリカと北アメリカの一部のことらしいが「ラス・カサスはインディアスがインドの一部であると信じ、『新大陸』であることに気付いていなかった。」(p.173)らしい。 それはともかく、それらの地域の各々で、要するに「小羊のように従順で謙虚な原住民が、寛大な心でスペイン人をもてなしたのにもかかわらず、金目的のスペイン人によって騙されたり脅されたりした挙句、サディスティックな拷問を受けたり、レイプされたり、槍で突き刺され、犬に八つ裂きにされ、生きたまま火あぶりにされたりして殺される、あるいは奴隷にされて、最終的には死ぬ」という話が繰り返される。 ナチスのホロコーストとか、アメリカ原住民の迫害の話とか、色々あるけど、なんでこの話はそれほど有名ではないのだろうというくらい、凄惨で残酷。ものすごい悲劇で、気分が悪くなるし、これを目にしたこの著者はどうやってこれを見ることに耐えられているのか不思議で仕方なかった。良い結末になる話はほぼゼロで、絶望的な感じになる。 どこかで聞いたか読んだことがあるが、昔に比べれば人間は残酷なことをしないようになってきた、という話はあるけど、人間の本性というのはそんなに変わるものなのか、人の残虐性というものについて考える本だった。確かに幼児期には虫とかに残酷なことをするものだけれど、あれこそが人間の本性なのだろうか、とか。歴史の書というよりはそういうことを考えた本だった。(21/04/01)
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