1,800円以上の注文で送料無料

幸福論(第1部) 岩波文庫
  • 中古
  • 店舗受取可
  • 書籍
  • 文庫

幸福論(第1部) 岩波文庫

カール・ヒルティ(著者), 草間平作(著者)

追加する に追加する

幸福論(第1部) 岩波文庫

定価 ¥1,001

550 定価より451円(45%)おトク

獲得ポイント5P

在庫あり

発送時期 1~5日以内に発送

店舗受取サービス対応商品

店舗受取なら1点でも送料無料!

店舗到着予定

11/26(火)~12/1(日)

商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 岩波書店/岩波書店
発売年月日 1935/05/15
JAN 9784003363836

店舗受取サービス
対応商品

店舗受取なら1点でも送料無料!
さらにお買い物で使えるポイントがたまる

店舗到着予定

11/26(火)~12/1(日)

幸福論(第1部)

¥550

商品レビュー

3.9

22件のお客様レビュー

レビューを投稿

2024/05/07

ヒルティの幸福論は三部構成であるが,第一部を今回の夏読書の対象本とした.大学一年生になりたての時,ブックオフにてタイトル買いし,そのまま眠っていたが,この機会に読むことにした.本書に登場するトピックごとに,心に残った本書の言い回しを引用+引用部分に対して可能な限りで自分の経験と照...

ヒルティの幸福論は三部構成であるが,第一部を今回の夏読書の対象本とした.大学一年生になりたての時,ブックオフにてタイトル買いし,そのまま眠っていたが,この機会に読むことにした.本書に登場するトピックごとに,心に残った本書の言い回しを引用+引用部分に対して可能な限りで自分の経験と照らし合わせながらの感想という構成とした. ■働きと休息は対立概念であるか? 働きと休息はよく,対立概念として語られることが多い.直感的にも対立であると思う人が多数派ではないだろうか. 人の求める休息は肉体と精神とを全く働かせず,あるいはなるべく怠けることによって得られるのではなく,反対に心身の適度な秩序ある活動によってのみ得られるものである.人間の本性は働くようにできている. 本当の休息は活動の最中にのみあるのである. ヒルティはこのように働きと休息は両立する.むしろ,働きがあるからこそ,本当の休息が生まれるのだと主張する.具体的には以下の記述がある. 精神的には仕事が着々と捗り,課された任務がよく果たされていくのをみることによって得られるし,また,肉体的には毎夜の睡眠や毎日の食事など,自然に与えられる合間の休みや何物にも変えがたい日曜日の休養のオアシスの中に,真の休息は得られるのである. 以前,長期インターン先で,仕事のストレス解消をインターン先の入社7年目のエース社員に聞いたことがある.予想していた回答は,ゲームだとか,飲酒だとか,そのようなことを想定して聞いた質問だった.が,回答としては,「仕事のストレスは仕事でしか解消できない」と返ってきた.彼の発言の本質は,まさしくこのことであろうと本書を読みながら思った.同じ質問を入社3年目の社員にも聞いたが,その社員はゲームと回答した.社会人として仕事に従事する中で,ヒルティの,働きと休息が両立する観念に辿りつくのだろうと納得感を得た. ■人生とは「享楽」すべきものであるか 人生はそもそも「享楽」すべきものではなく,必ず実を結ぶように営もうと心掛けなければならぬ.これを悟らぬ者はすでに精神的健康を失っているのである.その彼が,なおよく,肉体的健康を保っていようとは考えられない.肉体的健康はその生来の体質に応じて正しい生活の仕方をするときにのみ保たれうるからである.辛苦と勤労との生涯であっても,得がたく尊いものである. この部分は自分にとって非常に印象的であった.というのも,自分は高校卒業後浪人経験があるのだが,高校時代,身分不相応にも,目指していたところが高かったこと,理系から文転したこと,などから,高校時代での勉強の貯金で浪人時は一年丸々遊んでも今の進路を叶えることができることを確信しており(実際今の進路となっているが),とにかく好きなだけ寝て,好きなだけ名探偵コナンのアニメを見て,深夜にカラオケに1人で出かけ,などといったことを繰り返していた浪人時代があった.高校時代の反動か,「享楽してやるぞ」という意気込みで一年過ごした.実際,毎日楽(らく)ではあったが,心の充足感がなく,それが非常に辛かった.精神的に不健康であったのだ.人生は「享楽」すべきものではないと身にしみて感じていたのである.そしてこれが次のトピック,「怠惰」に繋がる. ■怠惰について 障害に打ち勝つための第一歩はその障害を知ることである.仕事ができるのを妨げるのは主として怠惰である.勤勉は感情的な怠惰よりも一層強い動機がなければ生まれるものではない.動機には2種類ある.低いほうの動機は欲情,名誉心,生活維持の必要.高い方の動機は仕事そのものに対するあるいは,その人々のために仕事をしなければならぬその人々に対する愛や責任感情である.必ずしも結果に拘泥しないという特質を持つ. 仕事における大敵は怠惰なのである.働きと休息が対立であるという誤認とその誤認から来る,人生は「享楽」すべきものであるという人生観のためではないかと思われる.人生は「享楽」すべきものであるという人生観は目先の短期的な,刹那的な快楽,アリストテレスの言葉を借りるならば,ヘドニア的な快楽,幸せを追い求めてしまうことに大いに貢献する.そして,享楽は精神的不健康をもたらす. 先に働いていない休息は食欲のない食事と同じく楽しみのないものだ.最も愉快な最も報いられることの多い,その上最も安価な最も良い時間消費法は常に仕事である. 徒らな享楽は食欲のない食事であり,本当の意味で,食事の幸せを享受することはできないのである.仕事,働きの対義語は休息なのではなく,徒らな享楽なのである.怠惰の克服は働きと休息が対立であるという観念を改めることから始まるという教えを本書から得た.

Posted by ブクログ

2024/05/06

キリスト教道徳をベースに勤勉、誠実、調和を説く、正直に言って退屈な本。 最も、ヒルティ本人もそこは理解してるらしく、「自分の考え方に共感できない人間に何を言っても仕方がない」という趣旨のことを書いている。 それでもいくつか見るべきところはあった。 まだ小さい子供に宗教的教理を無...

キリスト教道徳をベースに勤勉、誠実、調和を説く、正直に言って退屈な本。 最も、ヒルティ本人もそこは理解してるらしく、「自分の考え方に共感できない人間に何を言っても仕方がない」という趣旨のことを書いている。 それでもいくつか見るべきところはあった。 まだ小さい子供に宗教的教理を無理につめこむこともまた、教育上の誤りだ、とわれわれは考える。これは通常、キリストの言葉をすっかり誤ってとるところから生ずるのだ。聖書にはなるほど、キリストが幼な子を「抱き、そして祝福された」とは出ているが、しかし、かれらに話しかけたり、教えたり、まして自分に従うようにと要求した、などとは決して書いていないのである。子供に必要なのは多くの愛とお手本とであって、宗教的教理は少しも必要ではない。ところが、後者(この方がずっと安あがりだ)が多く与えられるほど、前の二つのものの与えられる分量はますます少なくなるのがふつうである。そして子供が自ら宗教を要求する時期がくると、この薬はそれまでに散々濫用されていて、もはや効き目がない。宗教を軽んずるすぐれた人たちはみな、このような生活体験をもつのである。 教育の目標とするところは、善への性向をもつ人間を育てあげることである。いつでも善と悪とをよく考えて選ぶというのでは、頼みにならない―人間の激しい感情に対してはそんなことをしている暇がない―、むしろ望ましいのは、いろいろ考えなくても即座に、善を実行する傾向である。 あまり自分自身を大事がらないことである。いいかえれば、時間、場所、位置、気乗りや気分などの準備に長い暇をかけないことだ。 気乗りは、仕事をはじめれば自然にわいてくるもので、よく最初にありがちな一種の倦怠でさえ、それが本当にからだの原因から来ていないかぎり、仕事にたいして単に受け身でなく、むしろ攻勢に出れば直ぐに消えるものである。 「決心がついたら即座に、できそうなことの前髪を思いきって引っ掴むことですね。そうすれば、金輪際それを放そうとはしないから、いやでも前へ進んで行けようというものです。(ゲーテ「ファウスト」劇場での前戯)」 学問と行動とを交互に行うことは、一般に人の精神を最も健康に保つ方法である。単なる学識は、いくぶん病的であって、「青白い思想の病気にかかる」という形容は決して誇張ではない。あらゆる時代の最大の学者の中に、ともすると人間として最も大切なものを欠く者がある。これは、特に国家生活においていちじるしい。そこでは彼等は、学者にふさわしく自由の代表者となる代わりに、きわめてしばしば権力の賛美者となるのである。 「神曲」煉獄篇 第四歌 この山を登ろうとする者、 その麓にて大きな困難に出会うであろう。 されど上るにしたがって困難は減じ、 おんみの辛苦は今ようやく愉しみとなる。 やがて登ることにきわめてやすく、 小舟で急流を下るがごとくになるであろう。

Posted by ブクログ

2024/01/13

最初の章「仕事の上手な仕方」は、わりと読みやすく、すっと腑に落ちるところも多い。 ところが、次章の「エピクテトス」は、2000年前のローマ帝国のストア哲学を現在(と言っても100年以上前の)スイスの学生に講義した内容で、かなり難解。以降も、100年以上前のスイスドイツ語の長たら...

最初の章「仕事の上手な仕方」は、わりと読みやすく、すっと腑に落ちるところも多い。 ところが、次章の「エピクテトス」は、2000年前のローマ帝国のストア哲学を現在(と言っても100年以上前の)スイスの学生に講義した内容で、かなり難解。以降も、100年以上前のスイスドイツ語の長たらしく仰々しい表現が続き、読み進めるのがつらい。 4章の「良い習慣」には、何度か読み返してなんとかその含蓄を感じるところがある。例えば、以下のように。 「人間生活の理想は、すべての善は習慣的に自明であり、すべての悪はその人の本性に反するために、ほとんど肉体的に不愉快な印象として感じられる、というような生活である。このようにならない限り、いわゆる徳も信心も、すべてまだ良い意図というにとどまり、実際には善への道へ通ずるというにとどまり、悪への道へも容易に通じるのである。」 しかし、全体的にこんな調子なので、最後まで読み切ることは断念して、ブックオフ。

Posted by ブクログ

関連ワードから探す

関連商品

同じジャンルのおすすめ商品

最近チェックした商品