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檸檬・冬の日 他九篇 岩波文庫
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檸檬・冬の日 他九篇 岩波文庫

梶井基次郎(著者)

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檸檬・冬の日 他九篇 岩波文庫

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 岩波書店/岩波書店
発売年月日 1985/06/01
JAN 9784003108710

檸檬・冬の日 他九篇

¥330

商品レビュー

3.9

19件のお客様レビュー

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2025/06/19

「檸檬」 きりっとした檸檬の存在の美しさ・力のようなものをとらえた主人公の視線や感覚が伝わってきて、私も目の前に、この手に冷ややかでつややかでたくましい檸檬を持っているかのような気持ちになった。 暗闇にくっきりと光をたたえる果物屋のように、檸檬もその鮮やかな黄色の光を放っている。...

「檸檬」 きりっとした檸檬の存在の美しさ・力のようなものをとらえた主人公の視線や感覚が伝わってきて、私も目の前に、この手に冷ややかでつややかでたくましい檸檬を持っているかのような気持ちになった。 暗闇にくっきりと光をたたえる果物屋のように、檸檬もその鮮やかな黄色の光を放っている。 はっきりとした強い存在感のある、絵よりも強い小説だった。 映像でも伝わらないだろう。 これが、文学の力、だ。 「城のある町にて」 最後の静けさの中に響く雨の空気がたまらない。 美しいものに心がひたされるような、心ごと溶けて同化しているかのような、そんな文章だと感じる。 視線の受け止める繊細な景色の連続、といった小説だった。 「ある心の風景」 ちょっとわかりにくかったけれど、病気への不安が強いのやね。 死を感じて鬱々としている感覚が伝わってきた。 しかし、とりとめのない感じもして、それほど面白いとも思えなかった。 「冬の日」 死が近い男の晴れない心、美しさや大きなものを求めるかのような散策。 母のもとに帰れないほど、心身が弱っている。 人生のうつろさを感じているのに、それでも足を止めることはできない。 そんな男の姿が浮かび上がってきた。 面白い話ではなかったが、読んでいる途中より読後のほうが、より主人公の姿をくっきり思い浮かべることができるような不思議な思いがした。 「筧の話」 水音というのは、しみこむように人の心を震わせることがある。 山道の古い筧の見えないかすかな水音。 その音に魅せられ立ち止まる男。 幻惑、という言葉が浮かぶ。 心をとらえていたのは一時期だけ、というのも、まるで魔法の効き目が切れたかのような現実感があって、よいと思った。 「冬の蠅」 蠅を追う観察眼も面白かったし、わが身を苦難において、その苦難の中に生を見出している様子も興味深かった。 太陽を憎むというものの見方も、彼の繊細さがうまく表現されている、と感じた。 そんなに繊細では、さぞかし生き辛いだろうな。 「闇の絵巻」 闇の中を歩くということ。 怖さの中にある魅力のようなものを感じる。 幼いころに感じた闇の深さを思いだす気分だ。 私も歩いてみたい。 その深さ、その静けさ、不安と安堵、それらを味わってみたい。 そんな気持ちになった。 「交尾」 猫の方は純粋な交尾ではなくて、人間の交尾(?)のように見えるような艶めかしい様子を描かれている一方、カジカの方は相手を求めていく一途な姿に心を動かされている。 二つの交尾の対比が面白かった。 それを観察する語り手の目と心の動きが、ダイレクトに入ってくるような気がした。 「のんきな患者」 重病人の話なのに、つい笑ってしまうユーモアにあふれていて、楽しく読めてしまう。 素晴らしい。 この作品が梶井の最後の小説だったらしい。 自身の経験をこのように昇華させた梶井の人間性を見たような気がする。 愛おしさすら感じる。 改めて、素晴らしい。 「瀬山の話」 読みにくいし荒削りの部分が多いように感じた。 檸檬も、まだ洗練されていない状態がこれなのだろうな、と思った。 断片的に、胸に迫って輝くかのような部分があった。 つかみやすかった部分というか。 魅力が潜んでちりばめられているような作品に感じた。 「温泉 断片」 最後に、落ち着いたやわらかい作品を収録したな、と思った。 温泉の様子も、その周りの家の様子も、すっと心になじむ作品だと感じた。

Posted by ブクログ

2024/05/26

本書に収められた掌編には、作者の感受性が十分に感じられるのだが、それがともすると神経過敏に感じられたり、作品全体にいかにも暗い陰を落としているような印象を与える。 個人的には好きになれない小編集であった。かじいもと

Posted by ブクログ

2021/02/26

梶井自身のエッセイ的なものに風景描写を入れた短編集。梶井はある絵を構想していて、それを文章で説明してかつ物語性を持たせている印象。ちょっとくどいところもあるけれど、やっぱり好きだな。

Posted by ブクログ