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統合失調症がよくわかる本
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統合失調症がよくわかる本

E.フラートーリー【著】, 南光進一郎, 中井和代【訳】

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 日本評論社/日本評論社
発売年月日 2007/07/13
JAN 9784535562462

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商品レビュー

4.5

2件のお客様レビュー

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2014/09/18
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※このレビューにはネタバレを含みます

統合失調症を理解するための入門書。作者は精神科医であるとともに患者の家族でもある。 私は誤解していたことを知る。長い間、統合失調症は育った環境により発症する病気だと思っていたのだ。例えば患者と母親との関係においての問題が原因になるのではないかと考えていた。しかし、その考えはとうには古いものであり、この考えこそが患者や患者の家族を苦しめるものであると本書で知った。 統合失調症は脳の病気である。誰が悪いわけでもない。病気を受け入れ、薬を適切に服用すれば、苦痛は軽減され、たとえ完治せずとも本人家族みんなが心を楽にすることができる。統合失調症の一番の不幸は病気を理解しないことで起こるという。 この本の中で心にしっかりと止めておきたい言葉があった。 「親切」であること。 ここでいう親切は普通に接するということ。 病気を理解し、患者や家族を孤立させないことが重要なである。 統合失調症の患者が不当に扱われる理由は、周り人たちが病気を理解せず、病気を恐れている場合が多いという。恐れあまりに、遠ざける。しかし遠ざけても問題は解決しない。 統合失調症の患者の中には暴力的な症状をあらわす者がいる。それが周囲の人を恐れさせる大きな原因になっている。暴力的な行動に出る人々の多くが統合失調症にもかかわらず、ケアを受けていない人々だという。私はその事実を知らなかった。私と同じように知らない人も多いのではないだろうか。 患者の責任で病気になったのでもなく、病気なのだから患者一人の力で回復するのも難しいだろう。充分なケアの体制を整えれば患者も家族も周りに住む人たちもみんな不幸にならずにすむではないだろうか。 ケアするとはどういことか。 私は病院に閉じ込めることがケアではないと思ってきた。イタリア映画「人生、ここにあり」では精神病院が廃止になり、患者はたちは治療薬の服用を減らし、仕事をはじめ、生き生きと生きはじめる様子が描かれている。実話であり、素晴らしいと思った。地域が患者が受け入れられれば、孤立することなく住みやすい社会が築けるのではないかと理想を持った。 しかしそう簡単ではなかったことを本書で知った。 患者を病院から解放する試みは、うまくいっていないという。それは病院に代わるケアが十分でないからである。 自由が放置であってはならない。。私たち一人一人が親切心を持ち、社会に受け入れて、はじめて患者は解放されるのだと思う。 精神疾患の中でももっとも深刻な偏見にさらされている統合失調症への理解を深めることで、よい社会が生まれるのではないだろうか。 病院に患者を閉じ込める結果、多くの人がこの病気を理解する機会を失う。閉じ込めておけばいいという考えが、患者や家族を孤立させてしまう。患者の自由は奪われ家族は悩む。弱者を切り捨てるように、見えないところに追いやってしまうのがよい社会なのだろうか。 身内に統合失調症患者がいた。患者本人が悪いわけないとわかっていても、私は充分親切でなかった。病院に強制入院、飲まされる薬でぼんやりとしている様子が気の毒だと思っても仕方ないとしていた。難しい病気とわかっているから、地域社会が直ちにやさしく受け入れるべきとは言いきれない。 現実的には社会に受け入れられるのは簡単なことではないだろう。けれども患者を遠ざけてしまうがよいことだとは決して思わない。 この本に書いてあるように、昔のように人目を気にして隠す病気ではなくなってきたという感じている。 筆者は冒頭でメッセージを寄せている。 「(研究が進み)患者・家族に取って今後はこれまでになく明るいものになるでしょう」 現実を厳しく踏まえながら、希望が持てる本。 ケアの体制や人々の理解が進むことを願っている。

Posted by ブクログ

2012/07/16

米国での統合失調症治療医師によるバイブル的本。 たぶん、こういう本を読む事自体が既に「恥ずべき事」と 受け止められかねない現実こそ問題だよなと思った。 確かに問題は多いし、あまりにもナイーブな病気であることは事実だけれど。 偏見を無くすと言えば簡単だけど、 臭いものには蓋をし...

米国での統合失調症治療医師によるバイブル的本。 たぶん、こういう本を読む事自体が既に「恥ずべき事」と 受け止められかねない現実こそ問題だよなと思った。 確かに問題は多いし、あまりにもナイーブな病気であることは事実だけれど。 偏見を無くすと言えば簡単だけど、 臭いものには蓋をしたいのも人間の自然な心理。 だからこそ目を背けてはいけない問題だなと改めて思った。

Posted by ブクログ

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