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権威と権力 岩波新書
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 岩波書店/岩波書店 |
発売年月日 | 1974/03/28 |
JAN | 9784004120360 |
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権威と権力
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商品レビュー
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権威には自発的に従うニュアンスがあるが、権力は相手を無理に従わせる。権威は人を従わせるのに規則・法を必要としないが、権力は規則・法を必要とする。権力を行使するために、権威が利用される。▼権威のある人間は安心感を与える(※フロムの議論)。内なる不安は権威を求める。一方、権力は外から...
権威には自発的に従うニュアンスがあるが、権力は相手を無理に従わせる。権威は人を従わせるのに規則・法を必要としないが、権力は規則・法を必要とする。権力を行使するために、権威が利用される。▼権威のある人間は安心感を与える(※フロムの議論)。内なる不安は権威を求める。一方、権力は外からの具体的な恐怖を必要とする。▼お前は何もわかっていない、何も知らない、と言われたとき、自分の無知は受け入れるにしても、相手の正しさを受け入れる必要はない。p.141 ▼社会主義者に蔓延る権威主義。「マルクスはこう言っている」「マルクスの言ったことだから間違いない」「スターリンは悪者だが、マルクスやレーニンは正しかった」。「自分たちの方がマルクスやレーニンにより忠実だ。自分たちこそ正統である」。社会主義を科学としてではなく、権威として押し付ける。左翼権威主義者たちによる茶番。p.203-『権威と権力』 民俗は現実、民族はフィクション。日本国民は現実、日本民族はフィクション。p.139『民族という名の宗教』
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高校生と著者との対談という形式で、人の集団を動かすものがどのように作られ強化されるかを暴いた内容。古い本だが十分現代に通用する内容と思う。権威の背後にあるのは自分が知らない・分からないことに対する不安であって、権威を感じる対象・感じる主体の間に挟まった存在が行使するのが権力という...
高校生と著者との対談という形式で、人の集団を動かすものがどのように作られ強化されるかを暴いた内容。古い本だが十分現代に通用する内容と思う。権威の背後にあるのは自分が知らない・分からないことに対する不安であって、権威を感じる対象・感じる主体の間に挟まった存在が行使するのが権力という見方は興味深い。調和を目指すというのが著者の主張ではあるが、現実にはまとまりを欠いた世界はアナーキーなものにならざるを得ないようにも思ってしまう。
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最近身の回りで、何らかの権威の存在を感じることが多かったために読んだ。著者と高校生A君の対話という形式で、身近な話題から、権威・権力・説得などについて議論が繰り広げられていく。難解な言葉を使わずして、ここまで思考を刺激する文章が書けるものなのだな、と感嘆した。 つまるところ権威...
最近身の回りで、何らかの権威の存在を感じることが多かったために読んだ。著者と高校生A君の対話という形式で、身近な話題から、権威・権力・説得などについて議論が繰り広げられていく。難解な言葉を使わずして、ここまで思考を刺激する文章が書けるものなのだな、と感嘆した。 つまるところ権威というのは人々に「いうことをきかせる」力であって、権力というのは、それでもいうことをきいてくれない場合に、何らかの制度的な措置で無理やりいうことをきかせる力であるという。 また、権威というのは、権威を有するとされる側が特別何かを持っているというよりは、いうことをきかせられる側が抱いてる不安に立脚していることが多く、自分たちが判断するのをあきらめて、誰かに判断を委ねると、権威が入ってくる隙が生まれるという指摘はその通りだと感じる。 また、本文ではそう明示されていないが、最近の社会(この本は1974年に出版されている)では目に見える危険は少なくなったけれども「ひそむ危険」が大きくなっており、これが一層、権威主義を加速させているのでは、ということが述べられている。これはまさしく、(公害問題等が発生した直後という時代背景から考えても)いわゆる「リスク社会」を意味しているように思われた。 そもそも、絶対的な判断を求めてしまうからこそ権威主義的になってしまって、わからないことに対してのある程度の諦めの気持ちを持っておくことが大事だというのは本当に納得できる。 「まとまりのある社会」ではなく、みんなが好き勝手やっているけれどある程度「調和がとれる社会」が理想だとしつつ、その理想は必ずしも実現すると考えないで、永遠の彼方にあり、我々の進路を教える導きの星である、としている。ここが個人的には一番感動した部分で、嘘偽りを言っているでもなく、それでいて冷ややかさも感じない、ちょうどいい温度の優しさを感じる。
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