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人間の絆(上) 新潮文庫
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商品詳細
内容紹介 | |
---|---|
販売会社/発売会社 | 新潮社/新潮社 |
発売年月日 | 2007/04/23 |
JAN | 9784102130254 |
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商品レビュー
4.4
16件のお客様レビュー
☆☆☆2020年1月☆☆☆ サマーセット・モームの時点ともいえる作品。 主人公のフィリップは纏足。幼くして両親と死に別れ、コンプレックスを抱えながらも生きていく。 物語は母の死から始まり、叔父叔母に引き取られるところから始まる。 エマという乳母と涙の別れのあと、フィリップはけ...
☆☆☆2020年1月☆☆☆ サマーセット・モームの時点ともいえる作品。 主人公のフィリップは纏足。幼くして両親と死に別れ、コンプレックスを抱えながらも生きていく。 物語は母の死から始まり、叔父叔母に引き取られるところから始まる。 エマという乳母と涙の別れのあと、フィリップはけろっとしてしまい、エマの事はすぐに忘れてしまう。 エマはその後二度と出てこない。 「人生ってそんなものさ」 エマはきっとフィリップの事を忘れないだろう。彼女はその後どうなったのか? やがてエマは成長し、人生の岐路に立つ。 叔父と同じ聖職者の道を歩むか? しかし彼が選んだのは芸術の道。おいおい大丈夫か?という感じだが、突き進んでいく。 厳しい現実、貧困。才能の限界。挫折。 この小説は、一人の人間を通して多くのものを見せてくれる。 ミス・プライスの自殺というのが この小説全体でもっとも忘れられない場面だ。 ミルドレッドというより、ミス・プライス。 彼女の存在こそが、もっとも強く訴えかけてくるものがある。努力は報われないのか?なぜ彼女は自殺しなければならなたっかのか? いずれもう一度読む日が来るかもしれない。 その時はどんな感想を抱くか楽しみだ。
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※このレビューにはネタバレを含みます
モームの自伝的長編小説。 1915年に書かれているので100年経っている。 後年書かれた『月と6ペンス』が大ヒットしたおかげで、『人間の絆』も読まれるようになったらしい。ベストセラー作家というとどうしても村上春樹と比較してしまう。両者とも読みやすく面白い本を書くが、ノーベル賞から距離を置かれるなど共通点もある。 肝心の小説に話を移す。 主人公フィリップ・ケアリが両親を失い叔父夫妻の養子になるところから物語は始まる。神学校に入学して、ドイツに語学留学に行ったりロンドンで会計士になろうとしたり、やっぱりやめてパリで画家を目指したり、そしてロンドンに戻って医師になるというお話。上下巻合わせて1300ページあるので、かなりボリュームがある。行く先々でたくさんの人物が登場する。 友人たちとの出会いと別れや、恋愛に焦点が当てられている。けっこう衒学的で、その当時のロンドンやパリでの暮らしや、芸術についての考えや身の立て方、果ては紳士とは?などいろいろと世情を垣間見れる。 上巻で僕が気に入ったのは実家やキングススクールという神学校で過ごした時期の話だ。主人公が高校生になるくらいまでの話。主人公フィリップは先天性内反足という障害を持っていて、それが為にいじめられるなど鬱々とした毎日を過ごす。このあたりでは感情がほとばしるような筆致に圧倒された。 青春期によくある迷いといえばその通りだが、主人公フィリップは変遷の多い人物だ。あれになると言ったらやっぱりやめる。次はこれを目指すといったように。息子の節操のなさに呆れながらも愛し続けるケアリの叔父さんと叔母さん、立派な人物で頭が下がる。全体を通して感情の機微、人生の上がり下がりが上手く描かれている。なかでも人物の描写はまるで優れた絵画を思わせるように情報に富んでいて、厭きることがない。 唯一残念だったのは、主人公フィリップが小説家にはならないことだ。モームの口から小説家になるとはどういうことか語られたとするなら、きっと面白い話になっただろうからだ。
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こんな小さいけど、素敵な作品があるんだな、と何だか幸せな気持ちになりました。 私は"Lデパードとアリエット愛の物語"が、一番好きです。 お父さんも亡くなったぢろうに、会いに行けばいいのにー、とか思うけど、そういう問題では無いんだろうな。 愛の凄さでしょうか。 私には無理だな。...
こんな小さいけど、素敵な作品があるんだな、と何だか幸せな気持ちになりました。 私は"Lデパードとアリエット愛の物語"が、一番好きです。 お父さんも亡くなったぢろうに、会いに行けばいいのにー、とか思うけど、そういう問題では無いんだろうな。 愛の凄さでしょうか。 私には無理だな。 何とも言えない、切なくて温かい気持ちになりました。
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