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人間の絆(上) の商品レビュー

4.3

17件のお客様レビュー

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2022/11/10

ずっと読みたいと思っていて、今まで手を出していなかったもの。10年近く前にモームを読みふけっていた時代があったが、その時以来のモーム。モームの自伝的要素を含んだ作品。600ページ超のボリューム。描写や比喩の表現はやっぱり綺麗ですごく好き。でも、なんだろう読んでると眠くなる……。

Posted byブクログ

2021/01/11

☆☆☆2020年1月☆☆☆ サマーセット・モームの時点ともいえる作品。 主人公のフィリップは纏足。幼くして両親と死に別れ、コンプレックスを抱えながらも生きていく。 物語は母の死から始まり、叔父叔母に引き取られるところから始まる。 エマという乳母と涙の別れのあと、フィリップはけ...

☆☆☆2020年1月☆☆☆ サマーセット・モームの時点ともいえる作品。 主人公のフィリップは纏足。幼くして両親と死に別れ、コンプレックスを抱えながらも生きていく。 物語は母の死から始まり、叔父叔母に引き取られるところから始まる。 エマという乳母と涙の別れのあと、フィリップはけろっとしてしまい、エマの事はすぐに忘れてしまう。 エマはその後二度と出てこない。 「人生ってそんなものさ」 エマはきっとフィリップの事を忘れないだろう。彼女はその後どうなったのか? やがてエマは成長し、人生の岐路に立つ。 叔父と同じ聖職者の道を歩むか? しかし彼が選んだのは芸術の道。おいおい大丈夫か?という感じだが、突き進んでいく。 厳しい現実、貧困。才能の限界。挫折。 この小説は、一人の人間を通して多くのものを見せてくれる。 ミス・プライスの自殺というのが この小説全体でもっとも忘れられない場面だ。 ミルドレッドというより、ミス・プライス。 彼女の存在こそが、もっとも強く訴えかけてくるものがある。努力は報われないのか?なぜ彼女は自殺しなければならなたっかのか? いずれもう一度読む日が来るかもしれない。 その時はどんな感想を抱くか楽しみだ。

Posted byブクログ

2020/04/08
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

モームの自伝的長編小説。 1915年に書かれているので100年経っている。 後年書かれた『月と6ペンス』が大ヒットしたおかげで、『人間の絆』も読まれるようになったらしい。ベストセラー作家というとどうしても村上春樹と比較してしまう。両者とも読みやすく面白い本を書くが、ノーベル賞から距離を置かれるなど共通点もある。 肝心の小説に話を移す。 主人公フィリップ・ケアリが両親を失い叔父夫妻の養子になるところから物語は始まる。神学校に入学して、ドイツに語学留学に行ったりロンドンで会計士になろうとしたり、やっぱりやめてパリで画家を目指したり、そしてロンドンに戻って医師になるというお話。上下巻合わせて1300ページあるので、かなりボリュームがある。行く先々でたくさんの人物が登場する。 友人たちとの出会いと別れや、恋愛に焦点が当てられている。けっこう衒学的で、その当時のロンドンやパリでの暮らしや、芸術についての考えや身の立て方、果ては紳士とは?などいろいろと世情を垣間見れる。 上巻で僕が気に入ったのは実家やキングススクールという神学校で過ごした時期の話だ。主人公が高校生になるくらいまでの話。主人公フィリップは先天性内反足という障害を持っていて、それが為にいじめられるなど鬱々とした毎日を過ごす。このあたりでは感情がほとばしるような筆致に圧倒された。 青春期によくある迷いといえばその通りだが、主人公フィリップは変遷の多い人物だ。あれになると言ったらやっぱりやめる。次はこれを目指すといったように。息子の節操のなさに呆れながらも愛し続けるケアリの叔父さんと叔母さん、立派な人物で頭が下がる。全体を通して感情の機微、人生の上がり下がりが上手く描かれている。なかでも人物の描写はまるで優れた絵画を思わせるように情報に富んでいて、厭きることがない。 唯一残念だったのは、主人公フィリップが小説家にはならないことだ。モームの口から小説家になるとはどういうことか語られたとするなら、きっと面白い話になっただろうからだ。

Posted byブクログ

2020/01/11

こんな小さいけど、素敵な作品があるんだな、と何だか幸せな気持ちになりました。 私は"Lデパードとアリエット愛の物語"が、一番好きです。 お父さんも亡くなったぢろうに、会いに行けばいいのにー、とか思うけど、そういう問題では無いんだろうな。 愛の凄さでしょうか。 私には無理だな。...

こんな小さいけど、素敵な作品があるんだな、と何だか幸せな気持ちになりました。 私は"Lデパードとアリエット愛の物語"が、一番好きです。 お父さんも亡くなったぢろうに、会いに行けばいいのにー、とか思うけど、そういう問題では無いんだろうな。 愛の凄さでしょうか。 私には無理だな。 何とも言えない、切なくて温かい気持ちになりました。

Posted byブクログ

2019/12/29

東日本大震災が起きてから、いっとき「絆」という言葉が流行った時期があった。 それはそれで、いろんなことを見直すきっかけにはなった、ということなのだろう。 本書はタイトルからすると「絆」礼賛本のようだが、まったく逆で、「絆」っていいことばかりではない。それによって苦しめられること...

東日本大震災が起きてから、いっとき「絆」という言葉が流行った時期があった。 それはそれで、いろんなことを見直すきっかけにはなった、ということなのだろう。 本書はタイトルからすると「絆」礼賛本のようだが、まったく逆で、「絆」っていいことばかりではない。それによって苦しめられることもある。 そう気づかされる本なのだ。 この主人公は、信仰や恋愛、成功などが自分に幸福をもたらしてくれると信じていたわけであるが、結局いずれも挫折を味わい、苦しめられる。 そういう挫折やいろんな人々との出会いをとおして、それらが自分を縛る「絆」であったことに気づき、そこから自由になることで、心からの幸福に近づいていく、という話である。 この小説が発表されたのが1915年。 ちょうど時代の転換期であり、それこそ価値観が大きく変わろうとしていたころだろう。 国内では資本主義の隆盛、世界では列強が覇権を争っている時勢。 ある意味で分かりやすい、価値観がまだ分化していない時代だったろう。 そのころにあって、時代のうねりに迷わず、いや迷った挙句に、このような境地を示してくれているのだ。 100年も前の本であるが、通底する考えは全く古くない。 むしろ、価値観が多様性を示し、多くの人が迷いやすい21世紀にこそ、心に響いてくる小説ではないだろうか。 小説としては、抜群に面白いが、やや長いので、興が乗るまでは忍耐である。 あとはミルドレッドの件で辟易しないように。そこを乗り越えて下巻に入ると、がぜん面白くなる。と自分は感じた。 あと翻訳がやや古い。。

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2017/04/01

なんとも美しいキラキラまぶしい小説。時代のムードが感じられる翻訳で、栄養価が高い。いやあ、文学って本当にいいもんですね~。後半から勢い止まらず、下巻へいざ!

Posted byブクログ

2017/02/28

両親の不在という生まれながらの不幸を背負い、さらに障害という足かせを負いながらも、自らの意思を貫き成長する人間フィリップの生きざまを描く長編。物語を要約すると単なるシンデレラストーリーであるが、人間模様の描写が多彩で現実に即している。主人公フィリップも不幸な生まれにあるのだがそれ...

両親の不在という生まれながらの不幸を背負い、さらに障害という足かせを負いながらも、自らの意思を貫き成長する人間フィリップの生きざまを描く長編。物語を要約すると単なるシンデレラストーリーであるが、人間模様の描写が多彩で現実に即している。主人公フィリップも不幸な生まれにあるのだがそれに対する悲壮感よりもむしろ未熟さや愚かさの描写がメインである。フィリップの行く手を阻む悪役?のキャラクターも愛嬌があり、プロットに当てはめているのではなく生身の人間がそこにあるように描かれている。誰にでも起こりうるけど、それでいて特別な人生の物語。

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2016/09/19

モームの「自伝的」長編,ということらしい. 青年期の主人公の心の迷い,移り気と持続力のなさ,女性との関係,過去の自分を振返ったときの恥ずかしさ,親代わりに育ててくれた叔父・叔母へ横柄な態度など,読んでいるこちらが身につまされて恥ずかしくなる. 下巻に続く.

Posted byブクログ

2015/07/08

ミルドレッドへの感情がとても興味深い。軽蔑しているのに恋している苦しみ。自分の中の矛盾に苦しむフィリップ。 でも、恋の対義語は無関心だと思うので、案外矛盾もしてないように思える。 購入時、2014/08/15

Posted byブクログ

2013/05/11

十代の頃に読んで、モームのような大家でも自分の駄目さ加減や孤独について考えるんだなあ…という当たり前のことに気づかせてもらい癒された。 自分を見つめ直したいときに読むと安定剤になるかも。

Posted byブクログ