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白い牙 新潮文庫
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 新潮社/新潮社 |
発売年月日 | 2006/04/01 |
JAN | 9784102111017 |
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白い牙
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商品レビュー
4.2
26件のお客様レビュー
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
冒頭の雪山シーン(2名が犬ぞりで棺桶?を運ぶ)ですぐに引き込まれた。勿論、目の前数十センチしか見えない雪道を、いつ目的地に辿り着くか分からない苛立ちの中で歩いた経験はないが、自然に状況を想像することができた。 物語の大部分は元オオカミのホワイト・ファング視点で展開していき、その成長/適応を追体験することができる。オオカミとしての本能に根付く行動を行い、自然や人間からのFBを受けることで、犬?として適応していく過程は、大きな驚きはないものの、普遍性を持つテーマ/物語展開であると思う。テーマの普遍性故に何を学び取るか?は難しいが、1つ選ぶのであれば、それは「自身の本能/核はやはり変わらない」ということ。ホワイト・ファングも一定状況に適応しているものの、根幹の部分は幼少期に形成され、そこから大きな変化はないように読み取った。核を持ち、日々の生活の中で社会性を帯びていく。良し悪しではなく、そういうものだと、時間軸(本書は100年以上前)・主体軸(本書のテーマはヒトではなく犬)をずらしても尚通用する普遍性を教わった気がした。 特に印象に残った箇所は以下の通り ・その壁は前に経験したほかの壁とは違い、近づいていくにつれて、退いていくように思われた。ためしに柔らかい小さな鼻を突き出してみても、かたい表面にぶつからなかった。その壁の実質は、光のように、はいりこんでいけば形が変わるように思われた。しかも子オオカミの目には、それがちゃんとした壁に見えるのだから、その壁の中にはいっていった。そしてその壁を作っている実質に浴した(p.101) ・あの頃はほんの子オオカミで、生まれてまもないので、型にはまっていなかった。環境という親指が、いつでも細工できるようになっていた。だが、今は事情が違っていた。環境の親指が、細工を仕上げすぎてしまっているのだ。ホワイト・ファングは凶暴で執念ぶかく、冷たくて愛嬌のない「けんかオオカミ」という堅い型にはめられていた。この型を変えることは、生存の逆流に等しかった。というわけは、ホワイト・ファングはもう若さの適応性を持っていなかったからだ(p.288~289)
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長年の積読だったが旅行を機に一気に読了。狼じゃないのによくここまで狼視点で書けるものだと感心しました。ジャックロンドン結構好きかもしれない
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犬が4分の1混じった狼犬「白い牙」。最初は自然の中に暮らしていたが、やがて橇犬に、そして闘犬にさせられてしまう。その苦難がなんとも激烈で息苦しくなってくる。「野生の呼び声」がやはり橇犬からやがて大自然へと回帰していくのとは対照的だ、解放感と収束感ともとれる。 同じカナダ北部を舞...
犬が4分の1混じった狼犬「白い牙」。最初は自然の中に暮らしていたが、やがて橇犬に、そして闘犬にさせられてしまう。その苦難がなんとも激烈で息苦しくなってくる。「野生の呼び声」がやはり橇犬からやがて大自然へと回帰していくのとは対照的だ、解放感と収束感ともとれる。 同じカナダ北部を舞台にしながら、ちょっとした運命の岐路で大きく違ってくる人生(犬生!) 犬ではあるが犬それ自体を見る時は擬人化してみて、がんばれ、と応援している。ただやっぱり、人間は「神」、犬は命令する者が必要、といった記述からは、やっぱり我々は人間であって、いくら犬が主人公であれ、人間を通した犬人生しか描けないよなあ、という気がした。犬から見た橇引人や金鉱掘り人や、酒場に集うよたものたち、先住民たち、といった人間描写が鋭い。 また犬橇の犬の引き方が扇形と直線型があり、扇形の先頭犬は後の犬から追われるという立場、直線型の先頭犬は後の犬をコントロールする役目があり主導犬。「白い牙」はとちらも経験するのだが、この違いがおもしろかった。「荒野の呼び声」では直線型しか出てこない。先頭の先導犬になることが、犬集団のリーダーになることで犬のプライドをここで描いていた。 この「白い牙」も「荒野の呼び声」と同時期に読んだ気がしていたのだが、まったく内容は覚えていなかった。「白い牙」の方が人間社会への皮肉を感じた。「荒野の呼び声」は大自然へ帰る、と言う解放感の気持ちよさが勝っている。 1906年発表 1958.11.10発行 1982.9.20第31刷 図書館
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