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猫のゆりかご
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猫のゆりかご

カート・ヴォネガット(著者), 伊藤典夫(訳者)

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猫のゆりかご

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 早川書房/早川書房
発売年月日 1979/07/25
JAN 9784150103538

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商品レビュー

3.7

103件のお客様レビュー

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2015/02/26

ニヒルの中の喜劇

アメリカ的なウィットに富んだ文章、科学と宗教に対して散りばめられた皮肉。あやとりの紐はただXの線だけで猫なんていない! 科学に振り回され、宗教に安寧を求めない、日本人には感覚的にも知識的にも理解しにくいところもあるが、おもわず力が抜けてしまう、ヴォネガットの世界観が堪能できる。

makijun

2025/12/16

中々、クセのある小説である。 冷戦期の核戦争をメタファーとした物語であるはずだから、コミカルに語られているのであれば嫌悪感しかないのではと思いながら読み始める。だが、いきなりそのクセに絡めとられてしまう。 語り手は、原爆を開発した科学者についての本『世界が終末をむかえた日』を...

中々、クセのある小説である。 冷戦期の核戦争をメタファーとした物語であるはずだから、コミカルに語られているのであれば嫌悪感しかないのではと思いながら読み始める。だが、いきなりそのクセに絡めとられてしまう。 語り手は、原爆を開発した科学者についての本『世界が終末をむかえた日』を書こうと考えた。世界が終末をむかえた日というのは、広島に原子爆弾が落とされた日のこと。その日、世界はどのようであったのか。 調査の中で、科学者が「氷よりも高温でも溶けない新物質(アイスナイン)」を開発していたことを知る。地球上のすべての水を凍らせかねない、究極の兵器。語り手はその調査の過程で、カリブ海の小国にたどり着き、禁断のボコノン教に入信する。そこは独裁者が支配する貧しい国であり、国民の多くは「ボコノン教」という架空宗教を信じていたのだが、これはすべての教義が「嘘(フォーマ)」であると公言する奇妙な宗教。語り手と独裁者、アイスナインを巡り、物語が進む(核心に触れずにあらすじを書くと伝わりにくいが…)。 アイスナイン。名前はとてもクールだ。だが、触れたものを全て凍らせてしまう。これが物語では核の隠喩であり重要なアイテムとなる。先ずこれを小説から取り出して眺めてみる。善悪や感情に関係なく、制御不能な連鎖として世界を終わらせる力を持つ。『アナと雪の女王』を思い出す。エルサの力は、恐怖と未熟さによって暴走し、意図せず対象を凍りつかせてしまう。本書の科学者と同様に、力の結果に対する責任を引き受けきれない存在だ。ヴォネガットは、恐らく核兵器に対して何かを含みたかったのだろう。 次に、ボコノン教。BOKONON教?NON-BOOKみたいなアナグラム?つまり、嘘(フォーマ)だ。いや、この物語に何か意味を見い出そうとするのが誤りなのか。 表紙絵で“あやとり”をしている両手。猫のゆりかごとは、“あやとり”という意味だ。ネタバレではない。本書の序盤の注釈にある。というか表紙絵だし—— だが、これが全てではないのか。 どこからどうみても、ただの紐。紐を操る人間により、意味づけがなされるのが「あやとり」。そう、科学技術はただの紐。意味づけされたものが、兵器なのか、エネルギー源なのか。それを認知する人間が、勝手に物語を作っていく。まるで、ボコノン教の教義のように。 戦争は、狂信的なほどの正義の暴走によって起こる。国家が、人殺しを正当化し得るほど、正義の物語を浸透させなければ成立しない。合理性の停止により発動するのが、狂信的正義。だが、そんな論理が成立しなくても、「一時の恐怖、高揚感」が暴走してしまう事がある。合理性の麻痺。「自粛警察が巨大化したような存在」になり炎上が集団の麻酔薬となる。お祭りとしての炎上。その薪となるのが、正義としての意味づけ。つまり、正義は、あやとり。いや、正義はただの紐で、意味づけがフォーマ(嘘)だという事になるだろうか。

Posted by ブクログ

2025/07/31
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

「キャット・クレイドル」の名は、宇宙船の名として知った。『宇宙英雄物語』の最終話にぽっと出てきたキャラの愛機だ。ぽっと出のキャラだが紅龍を逮捕するなどの活躍をしており、もっと活躍する予定のキャラだったらしいことがおまけページに書かれている。 別の機会に同名の小説作品が存在することを知った。 本を手に取るまで『タイタンの妖女』の著者の作品であることを知らなかった。知ってしまえば期待は爆上がり。クールに虚無を積み重ねていく語り口調はパラニュークや『パルプ・フィクション』を思わせるもので、発表順からすれば影響を与えたかもしれない側となる。 短いエピソードの連なりで物語は構成されている。外堀が少しずつ埋められていくような、完成図が見えないジグソーパズルが全体像を想像させないまま次第に出来上がっていくような。読んでいる最中はとても幸せだった。 しかし、どうにも期待をかけすぎたようだ。美しいクライマックスであるとは思える。しかし、完璧な結末とは思えない。

Posted by ブクログ