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五瓣の椿 新潮文庫
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五瓣の椿 新潮文庫

山本周五郎(著者)

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五瓣の椿 新潮文庫

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 新潮社/新潮社
発売年月日 2002/10/01
JAN 9784101134055

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商品レビュー

3.8

27件のお客様レビュー

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2023/02/06

血への抗い

椿の真紅の花片は、主人公が嫌悪して止まない母そして自分にも流れる淫蕩な血の象徴でもあるように映る。復讐の瞬間に性の恍惚を覚えつつ純潔を守り通し、最後に、人の罪は法で罰せられないとすれば、その人自身で償うべきものと悟る主人公が哀れである。

fugyogyo

2010/05/28

自分が不義の子だと知…

自分が不義の子だと知ったおしのは、母を殺し、その相手を次々と殺していく。潔癖な娘という設定なのでしょうが、殺人を犯す理由に感情移入できませんでした。

文庫OFF

2022/08/04

山本周五郎の長篇時代小説『五瓣の椿』を読みました。 『寝ぼけ署長』に続き、山本周五郎の作品です。 -----story------------- 父思いの娘が復讐の殺人鬼と化す異色の周五郎時代長編。 倒叙ミステリーとしても傑作。 婿養子の父親は懸命に働き、店の身代を大きくした...

山本周五郎の長篇時代小説『五瓣の椿』を読みました。 『寝ぼけ署長』に続き、山本周五郎の作品です。 -----story------------- 父思いの娘が復讐の殺人鬼と化す異色の周五郎時代長編。 倒叙ミステリーとしても傑作。 婿養子の父親は懸命に働き、店の身代を大きくした。 淫蕩な母親は陰で不貞を繰り返した。 労咳に侵された父親の最期の日々、娘の懸命の願いも聞かず母親は若い役者と遊び惚けた。 父親が死んだ夜、母親は娘に出生の秘密を明かす。 そして、娘は羅刹と化した……。 倒叙型のミステリー仕立てで描く法と人倫の境界をとらえた傑作。 ----------------------- 講談社の雑誌『講談倶楽部』に1959年(昭和34年)1月号から9月号に連載された作品… 時代小説ですが、内容はサスペンスでしたね。 家のために働きづめ、その挙句倒れて死んでしまった大切な父… その時母は浮気相手と不義密通を働いていた、、、 おしのが母をなじると、返ってきたのはおどろくべき言葉だった… 「おしのちゃん、あなたの本当の父親はほかにいるのよ。」 母の不義を憎み、次々と母や、男たちに復讐を果たしながらも、不浄な血が流れている自身の存在に悩むおしの… 最後の復讐相手、自分の本当の父親と直面したおしのがとった驚くべき行動とは――。 犯した罪をどうやって償うべきか… サスペンス仕立てで語られる、罪と罰の物語。 父を失い、おしのは殺人に手を染めることに… 自分が不義の子と知り、淫蕩な母と相手の男たちを次々と殺害、、、 息絶えた5人の男たちのそばには赤い椿の花びらが…… という連続殺人を描いた物語なんですが、殺人に至った辛く哀しい顛末やおしののひたむきさに気持ちがシンクロしてしまって、その罪を赦してやってほしい、捕まらないでほしいと願いながら読み進めました。 法では罰せない罪に対し、自分ならどう向き合っていくか… 考えさせられましたね、、、 そして、終盤の血を分けた父親との決着の付け方、その後の身の置き方に、おしのの潔さが感じれました… 憎んでいた母親の血が流れている自分、復讐とはいえ殺人を犯した自分を赦せなかったんでしょうね。

Posted by ブクログ

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