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この世からきれいに消えたい。 美しき少年の理由なき自殺 朝日文庫
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この世からきれいに消えたい。 美しき少年の理由なき自殺 朝日文庫

藤井誠二(著者), 宮台真司(著者)

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この世からきれいに消えたい。 美しき少年の理由なき自殺 朝日文庫

定価 ¥572

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 朝日新聞社/朝日新聞社
発売年月日 2003/10/16
JAN 9784022643179

この世からきれいに消えたい。 美しき少年の理由なき自殺

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商品レビュー

3.3

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2013/08/18
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※このレビューにはネタバレを含みます

いきなり私の話になってしまいますが、小学校3年生ぐらいから大学3年生ぐらいまで、(たぶん多くの人がそうであるように?)私も自分の生きている"意味"が分からず、意味を探すことに疲れて毎日を楽しめていませんでした。予定調和的な友人との会話に嫌気がさして、でも予定調査的な会話に自身が慣れないと一人ぼっちになってしまう怖さから、無理やりテレビドラマを見たり、芸能情報をかき集めたり、周りの人に認められたくて思っても無いようなことを言ったり、そんなことをしながら、毎日不安定に生きていた気がします。大げさに、聞こえるかもしれないんですが。笑 本書を通して、そんな過去の自分を今一度俯瞰するような気分になりました。本書のメインテーマである"なぜS君は自殺してしまったか"を分析するに当たり、S君が書き留めていた日記の内容がもろに自分の過去と被っていて「あ、自分だけじゃやっぱりないんだ」って思えたり、自分がうまく言語化できない痛みが言語化されていたり、自分が辛い中考えたことが著書でも書かれていて「やっぱりそれでいいんだ」って思えたり。読む中でとても癒されました。またこういう感覚を分かってくれる大人がいることも、すごくうれしかった。 例えば「誰かになりたい」と「何者でもなりたくない」という矛盾の間の葛藤は、小学校からずーっと考えていたことでした。空気のような、何者でもなくなることによって傷つくことから逃げる自分と、誰にも傷つけられない代わりに誰からも愛されない自分の間でよく葛藤していたのが、懐かしかったです。また、自尊心(Self Esteem)=見栄(Pride)+自己信頼(Self Confidence)という式も分かりやすく、よく考えていたことでした。見栄を「他者からの承認」、自己信頼を「自身による承認」という言葉でよく考えていました。「自身による承認」が上手くできないと「他者からの承認」にすがってしまうけど、それは不安定だよなあと、すがりながら思っていました。 今でもたまに、この本に書かれているS君のような気分になりますが、「こんな時期もあったな~」という感じで読めたことも嬉しかったです。改めて「自分の生きる意味」に苦しむのではなく、日々の瞬間を「楽しむ」ことが大事と、思いました。 最後に本書で引用されているニーチェの言葉を引用します。そうだなーと思いました。 「意味が見つからないから良き生を送れないのではなく、良き生を送れないからこそ意味にすがるのだ。」 --ニーチェ

Posted by ブクログ

2011/05/16

大きな物語」に帰属し続けるための目標=意味を求めて生きてきた世代が、「大きな物語」が崩壊した中での生き方を考えるきっかけとしての「意味」と「強度」について、ヒントをもらえる本。 「〜のために生きる(「意味」)」ことの無為さに気づき始めた世界で、自分が幸せに暮らすためには「強度」を...

大きな物語」に帰属し続けるための目標=意味を求めて生きてきた世代が、「大きな物語」が崩壊した中での生き方を考えるきっかけとしての「意味」と「強度」について、ヒントをもらえる本。 「〜のために生きる(「意味」)」ことの無為さに気づき始めた世界で、自分が幸せに暮らすためには「強度」を求めればいいから、自分が楽しめることを何でもやってみて日常を送ることで悩まずに生きられるというのが本論。 物事を客観視して世界を理解していくことが、実は自分自身の解体にもつながってしまい、その重圧に耐えられなくなると鬱だとか自殺だとかを引き起こすことになる。これは構造主義から未だに脱却できない我々共通の問題であり、客観視すればするほど主体性がなくなる恐怖は、いまや構家庭・学校・職場等どこにでも見られるようになった。パターン化による不幸が、強度を得にくくしているという指摘。 何かゲームをやろうとするとき、今は攻略サイトなしではできなくなった。物語分岐のフラグを無視したり、アイテムを取り逃すのが怖いから。しかし、攻略サイトを見て完璧に攻略したところで、それはパターンの検証/追体験に過ぎないから、ほとんど面白くない(「強度」が無い)。 一般に、物事はコントロール可能なパターンになればなるほどつまらない。必ず倒せる敵など倒したところで何のカタルシスも無いし、絶対に儲かる株があったら仕事も楽しくない。ディストピア=ユートピアに、我々の社会が近づいている。 是非文庫本のあとがきの最後まで読み切ってほしい。

Posted by ブクログ

2008/02/07

1月8日購入。1月22日読了(2日間) 宮台真司の本を読むと、全てをわかりきったように感じてしまう─これはその通りであると思う。退屈な日常の原因に「意味(先延ばし的な生き方、受験、就職・・・)」と「強度(今が楽しければいい、ダンス、サッカー、セックス)」の対概念を当てはめ、意味か...

1月8日購入。1月22日読了(2日間) 宮台真司の本を読むと、全てをわかりきったように感じてしまう─これはその通りであると思う。退屈な日常の原因に「意味(先延ばし的な生き方、受験、就職・・・)」と「強度(今が楽しければいい、ダンス、サッカー、セックス)」の対概念を当てはめ、意味からの解脱と強度の獲得を目指す「まったり革命」なるものはまさに今の世代の若者を惹きつけるのには十分な要素を備えつつある(刹那主義、現実逃避)。ただ、それはやはりそう簡単にできるものではない。その実行可能性の未知数さと具体的なが、社会システム理論家宮台の功罪の「罪」の部分ではないだろうか。主人公のSの自殺も、強度への獲得の困難さに彼が苦悩の帰結である。この主人公のは本を読む限りでは、容姿端麗で、それなりに教養もあり、家庭環境も良好(これに関しては親が甘やかしすぎという見方もあるだろうが)、しっかりと自立できている青年である。なのになぜ自殺を─などという愚問はもつべきではないだろうな。Sは彼なりに苦悶していたのだろう。自分のありのままを受け入れてくれる人物を探していたのだろう。共感はできないが、理解はできる。 本自体は藤井誠二のルポと宮台真司の独白で構成されている。ルポはなかなか読み応えがあったが、独白は残念ながら、宮台の他の著作をすでに読んでいる自分にとってはなくてもよっかたと少々思わざるをえなかった。 巻末の対談とあとがきはもしかするとある意味本文よりも示唆に富むものであった。「いつでも死ねると思えば、生きる気がでてくる」というのはピュアな喜怒哀楽の感情である─鶴見済の著書を読んで以来、これはかなりプラクティカルな警句だと感銘を受けたのだが、どうやらもうそんな時代ではないらしい。コンビに化やネット化によって生死の境界線が薄れてきた今、たとえばSのような意味から無意味へ覚醒し、それに苦悩して死を選ぶという意味のある自殺は少なくなってきているらしい。そうではなく、生きたくもないが死にたくもないというもやもやした人々が増えている。そうであればもはや「生きていれば必ずいいことがある」というポジな文言はもちろん、「いつでも死ねる〜」といったアナーキーな文言も意味を成さない。「気分を変える」ことが一番有効らしいのだ。なるほど。自分の近くに、鬱気味の人や自殺願望者がいたらこれから私はどこか楽しい場所に連れて行こう。最後に付しておくが、それにしても美しい表題であると毎回感じる。

Posted by ブクログ

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