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遠野物語 光文社文庫
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商品詳細
内容紹介 | |
---|---|
販売会社/発売会社 | 光文社/光文社 |
発売年月日 | 2007/04/20 |
JAN | 9784334742393 |
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遠野物語
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遠野物語
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商品レビュー
3.5
9件のお客様レビュー
森山大道さんの写真集は、どれも不思議な郷愁や懐かしさを持っているのですが、不意に提示される事物の圧倒的な存在感にびくっとすることもあり、この本もそのような印象だったと記憶しています。 無作為な羅列のようでいて、物語を感じさせる内容です。 この本を読んだのは7年も前ですが、その時...
森山大道さんの写真集は、どれも不思議な郷愁や懐かしさを持っているのですが、不意に提示される事物の圧倒的な存在感にびくっとすることもあり、この本もそのような印象だったと記憶しています。 無作為な羅列のようでいて、物語を感じさせる内容です。 この本を読んだのは7年も前ですが、その時の感想というかエッセイめいたものが見つかったので少し推敲して載せておきます。 :::::::::::::::::::: 森山大道は、何も考えずに撮るが、 撮るということをとても考えている。 彼の撮った写真にはあざとさや、衒いがない。 ---- 自分は以前、写真という写実の媒体を使う写真家は、その表現力を機械に頼っていると感じていた。画家よりもおとるのでは、と。 たしかに同じ場所で同じカメラで同じアングルでシャッターを押せば、誰が撮っても論理的には同じような写真が撮れるはずだ。 では写真家の表現力とはどこに現れるのだろうか? 写真という芸術は、作品が無機的・写実的・機械的な性格を持つがゆえに、見るものに、撮影者自身の姿を想像させずにはおかない。 写真に固着されている情報はたしかに光の瞬間的データであるが、見た者はそこから写真家自身の姿や思いを想像するのだ。 何を撮っているのか、どのように撮るのか、撮ってきたのか、なぜ、それを撮るのか。 写真家にその写真を撮らせたのはなんなのか? その問いに対する答えをどう伝えるかが、写真家の表現力であり、その源は写真に対する意志である。写真家の写真には写真家自身の生き様や哲学が転写されるのだ。 森山氏を始めとする写真家たちの作品を見て、そう考えるようになった。 --- この『遠野物語』の写真にも、森山大道という人間が遠野に行き、何を見、何を感じたかが生々しく記録されているように感じられる。 モノクロであるがゆえに、色彩やディテールに気を取られずに、被写体そのものの存在感、そして、その被写体を選んだ彼自身のスタイルや流儀、哲学を想像することができる。 この作品から強く伝わってくるのは、森山氏の写真に向かい合う純粋さである。 いい写真をとろうとか、きれいな写真をとろうとか、そういった見栄は感じられない。 ものをみたそのままを感じるままに、 まるで目で見るようにカメラで見ている、そんな風に感じた。 しかもその視線は好奇でも凝視でも傍観でもない。 自分のようなアマチュアのカメラ好きは、カメラを構えると、ちょっとしたものを撮るにも、やれ構図だ、やれ光の加減だ。ピントだ。逆光だ。とあれこれ気にかかる。 それらは、必要なことだが、写真をとる本質ではない。それらは、きっと無意識的に行われるべきで、意図的すぎてはいけない。 それらに気をとられ過ぎるのは、商業的なことであり、被写体至上主義とも言えるものだ。 写真家が芸術家であろうとするには、 被写体をいかに美しく写すかだけではなく、 被写体を撮る自分が何なのか、何を思うのか、示し続けなければいけないのだろう。 被写体を写すことでしか表現できない写真家は、 自分自身の姿を、写真というフィルタを通して、被写体に投射する。 ―写真には、写真家の肖像が写っているのだ。 (…こういうとまるで心霊写真のようだが)
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四分の三くらいが写真なのですぐ読み終えることができた。私の写真作品鑑賞などそのていどのものである。とはいえ、写真はいつもの森山大道作品の力とけっして見劣りするものではない。
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文庫本。大半が写真。後半から書かれている文書はインタビューの書き起こし。この流れていくかのような体裁に森山大道という人の姿勢が見て取れる。というのは言い過ぎだろうか。写真とはこんなもので、写真だからこういう切り口ができる。という一つの提示とも感じられる心地よさがこの本からは伝わっ...
文庫本。大半が写真。後半から書かれている文書はインタビューの書き起こし。この流れていくかのような体裁に森山大道という人の姿勢が見て取れる。というのは言い過ぎだろうか。写真とはこんなもので、写真だからこういう切り口ができる。という一つの提示とも感じられる心地よさがこの本からは伝わってきた。撮影、喫茶店、撮影、喫茶店、撮影、喫茶店の彼が言う変な流れも「リズム」ととらえればごく自然。森山大道の写真がびっしり敷き詰められた部屋が見たい。それが読後に真っ先に浮かんだ感想。
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