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逃避行 光文社文庫
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商品詳細
内容紹介 | |
---|---|
販売会社/発売会社 | 光文社/光文社 |
発売年月日 | 2007/04/20 |
JAN | 9784334742263 |
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商品レビュー
3.5
18件のお客様レビュー
主人公である「妙子」の家庭で飼っていた愛犬の「ポポが」、隣家の子供を噛み殺してしまう。 ポポの行動の理由は、子供の方に過失があったにもかかわらず、世間は一方的に飼い主の非を咎め、凶暴な犬を責め立てて処分を要求する雰囲気が拡がる。 妙子は何とかポポの命を守ろうと思案するのだが、夫を...
主人公である「妙子」の家庭で飼っていた愛犬の「ポポが」、隣家の子供を噛み殺してしまう。 ポポの行動の理由は、子供の方に過失があったにもかかわらず、世間は一方的に飼い主の非を咎め、凶暴な犬を責め立てて処分を要求する雰囲気が拡がる。 妙子は何とかポポの命を守ろうと思案するのだが、夫を筆頭に娘たちまでもがポポの処分が当然と考える。 妙子は、自分の家庭環境に対する疑問を抱き続けていた事もあり、自分一人のチカラでポポを守ろうと、計画性もなく突如ポポと共に家を出る。 総てを投げ打って家を出た妙子が、最後まで大事にしたものは何なのか⋯、家族とは何なのか⋯、他人の優しさにも触れながら人が信ずるものの重さを考えさせてくれる一冊となった。 相変わらず篠田節は冴え渡り、登場する女性達は強く格好良いのだ。
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犬関係の小説は好きです。どの小説でも犬は人間の大事な友達です。 飼い犬が隣の家の子供を噛み殺す。当然殺処分という事になります。 この当然というのは自分でもそう思うと思いますが、殺処分というのはよく考えたらどう意味なんでしょうか?死刑という意味合いになるのでしょうか? もし自分の子...
犬関係の小説は好きです。どの小説でも犬は人間の大事な友達です。 飼い犬が隣の家の子供を噛み殺す。当然殺処分という事になります。 この当然というのは自分でもそう思うと思いますが、殺処分というのはよく考えたらどう意味なんでしょうか?死刑という意味合いになるのでしょうか? もし自分の子供が噛み殺されたら絶対に赦さないし、何なら自分で手を下すかもしれません。 この本のクソガキはポポ(ゴールデンレトリーバー)に対して棒で殴るわ、爆竹で脅かすわ、おかしなものを食べさせるやらやりたい放題。親に申し入れても直らず、敷地に入って爆竹で脅そうとした時に怯えたポポが、思わず喉笛に噛みついてしまったというのが原因でした。 小説の中では子供が悪いんだから仕方が有るまいと思いますが、実社会ではそんな理屈は通用しないです。やはり人を傷つけた動物には皆冷たいですし、そこは僕も同じです。 しかし小説はニュースとかでは見えない裏の事情が見える所がポイント。皆ポポに声援を送ると思います。頑張れポポ。 しかしこの妙子さんが不用意なんじゃないかなあとモヤモヤします。悪戯されると分かっているのに庭に放しているのが違和感なんですよね。まあそうじゃないと話が始まらないんですけど。 点数低めに設定していますが、それは物語としての完成度がちょっと低めに感じるからであって、実際はハラハラしながら一気読みでした。引き込まれたと言っても過言ではありますまい
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50歳の主婦・妙子が愛犬のゴールデンレトリバー・ポポを連れて逃げる話。 ポポが不幸な事故で隣の家の子どもを死なせてしまう。ポポだけが悪いわけではないことを妙子は知っているけど、誰も耳を傾けてくれない。殺人犬となったポポを処分するように家族からも迫られポポと家を飛び出す。そこからの...
50歳の主婦・妙子が愛犬のゴールデンレトリバー・ポポを連れて逃げる話。 ポポが不幸な事故で隣の家の子どもを死なせてしまう。ポポだけが悪いわけではないことを妙子は知っているけど、誰も耳を傾けてくれない。殺人犬となったポポを処分するように家族からも迫られポポと家を飛び出す。そこからの逃避行。 たどり着いた山奥の生活で厳しいながらも心穏やかなひとときも訪れ。そして妙子にもポポにも忍び寄る老い。 一気に読んでしまったけど、なんだか切ない話でした。一番切なかったのは、家族を最優先に生きてきた妙子が子供が成人してみて気づく、夫も子供もすっかり心が離れていって、妙子に対してなんの思いやりもなくなっていること。妙子の心に寄り添うのはポポだけ。どうしてもポポを守りたかった気持ちがわかる。 家族の絆は薄れていくものなのか。妙子が家庭で過ごした人生に何だったのか。生きるとはなんなのか。考えさせられる。人は所詮ひとりなのかな。まだそう考えるのは寂しすぎる!と思うけど。
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