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商品詳細
内容紹介 | |
---|---|
販売会社/発売会社 | 筑摩書房/筑摩書房 |
発売年月日 | 2007/02/25 |
JAN | 9784480842732 |
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商品レビュー
4.3
8件のお客様レビュー
私個人の中に複数の意見を持つことが大切だと思った。それを持つことで、私の内部で議論できるからだ。それは、行動の抑止にもつながる。私の外部での議論になると、とかく争いになる。でも、それでさえ何も議論しないよりはマシなのである。 物事に無関心になっていくということで、人間は怪物にも...
私個人の中に複数の意見を持つことが大切だと思った。それを持つことで、私の内部で議論できるからだ。それは、行動の抑止にもつながる。私の外部での議論になると、とかく争いになる。でも、それでさえ何も議論しないよりはマシなのである。 物事に無関心になっていくということで、人間は怪物にもなる。しかし、過去の悪しき経験から、人間としての在り方を学べるだろうか。所詮はみな歯車の一種にすぎないのではないか。一生懸命働いている世の中のサラリーマンは日常を考えているのだろうか。悪の色をした悪は少ないと思われるが、何気ない悪というのは、多くあるのではないか。そして、気づかぬうちに、自分も悪の手に染められていくことになる可能性があるのではないか。 しかし、悪人のなかの規律では、それを順守する人は善でもありえないか。そもそも、善悪の判断は後からつけられるものである。悩みながら生きていくこと。
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どのような問いにも、それぞれの状況に応じた異なる答えが必要なのです。この二十世紀が始まってからわたしたちが経験してきたさまざまな危機が教えてくれるのは、もはやある決まった一般的な基準に基づいて、正しい判断を下すことはできなくなっているということだと思います。どのような問いにも確実...
どのような問いにも、それぞれの状況に応じた異なる答えが必要なのです。この二十世紀が始まってからわたしたちが経験してきたさまざまな危機が教えてくれるのは、もはやある決まった一般的な基準に基づいて、正しい判断を下すことはできなくなっているということだと思います。どのような問いにも確実に適用できる一般的な規則というものは、もうないのです。
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原著は2003年に出版されたアーレントの遺稿集。 なんだけど、全く、落ち穂拾い的ではなくて、主に「イェルサレムのアイヒマン」から死の直前までのアーレントの思考、アーレントが最終的に到達した思想をまとめた貴重なものとなっている。 つまり、新たな展開が期待されつつ未完に終わった「...
原著は2003年に出版されたアーレントの遺稿集。 なんだけど、全く、落ち穂拾い的ではなくて、主に「イェルサレムのアイヒマン」から死の直前までのアーレントの思考、アーレントが最終的に到達した思想をまとめた貴重なものとなっている。 つまり、新たな展開が期待されつつ未完に終わった「精神の生活」のコアの議論がどんなものだったかを想像させるものとなっている。 もしかすると、アーレント本人の本を読むときの最初の1冊としていいかも。(この前に「アイヒマン」を読んでいたほうが面白いとは思うが) おさめられているのも、講演や講義、書評や雑誌掲載のエッセイなどで、他のアーレントの本にくらべると、圧倒的に読み易い。 また、もともと生前に本として出版されたものは、難解なうえに、皮肉ぽかったり、縦横無尽の引用などなどで、なんか気難しい人なのかな、という印象なのだが、講演などは、なんだかやさしい語り口で、「いい人」というか、「愛」を感じてしまった。 それにしても、「アイヒマン」でナチのユダヤ人問題の「最終解決」にユダヤ人のリーダーたちが協力していたことに言及して、ユダヤ人コミュニティから絶縁されてしまったあとも、ローマ法王がユダヤ人を見捨てたことの不作為の罪、アウシュビッツの実行者レベルの裁判をめぐる「もういいじゃないか」というドイツの雰囲気の問題などなど、大騒ぎになりそうなエッセイを発表しつづけていて、ただただスゴいな、と。 あと、アメリカの公民権運動の大きなポイントである「リトルロック」のエッセイも大騒ぎになったものらしい。 いや〜、本当に、他の人がどう思おうが、言いたいことを言うという覚悟はすごいですね。 そういうなかで、圧巻なのは、前半の「責任」に関する論考群。「独裁体制のもとでの個人の責任」「道徳哲学のいくつかの問題」「集団責任」「思考と道徳の問題」。 タイトルを見ただけで、ゾクゾクしますね。基本的には、同じテーマを扱っていて、かなり重複しているのだけど、ちょっとづつ違う角度から説明しているので、ニュアンスがよく伝わってくる。 ここでの議論の要約は難しいけど、帯に書いてある文章を紹介しとく。 「思考とは数少ない人々の特権ではなく、すべての人に存在する能力なのです。同じ理由から、思考する能力に欠如していることは、どんな人にもつねに存在する可能性なのです。問われているのは、大悪人とその罪ではありません。邪悪でないごくふつうの人のうちに、特別な動機がなくても、無限の悪を為す能力があることが重要なのです。何が『善であるか』を見失い、道徳が崩壊する瞬間において、人々が考えもせずに流されるとき、思考する人々が姿を現します。そして別の人間的な能力、すなわち判断の能力を解放するのです」
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