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カネと暴力の系譜学 シリーズ 道徳の系譜
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 河出書房新社/河出書房新社 |
発売年月日 | 2006/11/30 |
JAN | 9784309243955 |
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カネと暴力の系譜学
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カネと暴力の系譜学
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国家だけが暴力を独占的、合法的、実効的に占有できる。それには根拠があるわけでなく、実効的に占有できるものが国家となる。所有は暴力を背景に国家が認めることで成立する。 例えば日本の武家政権のなりたちや御恩と奉公を知っていれば事例として容易に理解はできるが、哲学・思想として説明され...
国家だけが暴力を独占的、合法的、実効的に占有できる。それには根拠があるわけでなく、実効的に占有できるものが国家となる。所有は暴力を背景に国家が認めることで成立する。 例えば日本の武家政権のなりたちや御恩と奉公を知っていれば事例として容易に理解はできるが、哲学・思想として説明されるのは面白かった。
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※このレビューにはネタバレを含みます
国家と資本という、現代に生きる人にとっては当たり前のシステムが「強制的、合法的にカネを吸い上げる回路である」という、なかなかショッキングな定義から始まる。論調は過激にも取れるが、論そのものは明快。 2章では、国家とヤクザの類似性について触れられている。一見すると両極端のようだが、カネを支払うことで暴力やトラブルの解決を期待できること、暴力を背景にカネの聴衆が強制的になされること、他の暴力を違法なものとして取り締まることなど、実は似ている点もあるということが分かる。 終盤では「暴力」からはやや離れた点として、資本主義が深化していくと「カネ無しで営まれていたことが、カネで買うサービスとして商品化される」ため、「カネを介さない相互行為の幅が狭まっていく」という論が提示される。 ここに来て、日本社会がかつてと異なり、子どもや老人の世話をコミュニティでしなくなったという社会問題の原因が明らかになる。子どもの世話は幼稚園や保育園や学童、老人の世話は介護福祉系の「商売」が成立したので、今の日本には互助のシステムがあまりない。翻って、そういった「商売」がまだ導入されていない途上国などでは、弱者の世話をみんながする、というコミュニティが機能している。なぜ、日本よりも途上国のほうが子どもや老人が幸せそうなのだろう、という自分の長年の疑問が一つ、解消された感があり、ここだけでも読む価値はあった。
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国家、社会のなりたちを、暴力への権利、富への権利という二つの権利から紐解いていく。 ドゥルーズ=ガタリ、フーコーらを引用しつつ、なぜ国家だけが暴力への権利を持つのか、それが何を可能にし、どんな風に社会を作り上げてきたのか、比較的平易で順序だったわかりやすい文章で綴る。 大学で講...
国家、社会のなりたちを、暴力への権利、富への権利という二つの権利から紐解いていく。 ドゥルーズ=ガタリ、フーコーらを引用しつつ、なぜ国家だけが暴力への権利を持つのか、それが何を可能にし、どんな風に社会を作り上げてきたのか、比較的平易で順序だったわかりやすい文章で綴る。 大学で講義に来てくれていたのに、もっとちゃんと聞けばよかった。
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