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オオカミを放つ 森・動物・人のよい関係を求めて
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商品詳細
内容紹介 | |
---|---|
販売会社/発売会社 | 白水社/白水社 |
発売年月日 | 2007/01/19 |
JAN | 9784560040768 |
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オオカミを放つ
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商品レビュー
3.6
5件のお客様レビュー
この本は自然についての生態系の未来についてオオカミが重要だと考えさせられた本だった。オオカミは人を襲うことはないのは、よーく分かったけど世の中馬鹿な連中が多いからオオカミを放つのは危険だと思った。 オオカミ以外で生態系を復活させることは出来ないだろうか?
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丸山氏率いる「狼再導入派」の著書。 本書ではオオカミの再導入によってシカの個体数調整ができるのではないか?という事を呼びかけている。 とてもわかりやすい書籍で、生態学について全く知らなくともスラスラと読むことができ、日本の自然環境が非常に大きな危機に面していることやその解決法と...
丸山氏率いる「狼再導入派」の著書。 本書ではオオカミの再導入によってシカの個体数調整ができるのではないか?という事を呼びかけている。 とてもわかりやすい書籍で、生態学について全く知らなくともスラスラと読むことができ、日本の自然環境が非常に大きな危機に面していることやその解決法としてのオオカミ再導入について丁寧に述べられている。 しかし、本書を読む上で肝に銘じておかなくてはならない事がある。それは本書が「オオカミ再導入の良さのみを語っている」という点である。端的に言えば「偏っている」のだ。 本書のオオカミ再導入論は一見素晴らしいアイディアに思えるが、いろいろな"穴"が存在しており、現在、野生動物の専門界隈ではかなり少数派な意見となっている。 理由としては以下のものがあげられる(長くなるので箇条書きならびに割愛) ・本書が発行された後になるが、DNAを用いたクラスター分析によってニホンオオカミには固有性があったことが指摘されている(2009 石黒)。このことからハイイロオオカミとニホンオオカミを同一視する事は難しく、再導入というより外来種導入といったほうが適切である。 ・根本的にニホンオオカミの生態が不明である故に、そもそもニホンオオカミがシカの個体数調整を行っていた確証が存在しない。(ニホンオオカミは大陸のオオカミと異なるものであったというのは先述したとおり) ・過去の文献調査により、日本においてシカは継続的に人間によって利用されてきていることが明らかになっている。シカに対するキーストーン種がニホンオオカミではなく人間であった可能性を否定出来ない。 ・オオカミをコントロールができる確証がない。ハブとマングース問題のように予想外の結果となる可能性がある。どちらにせよ、万が一が生じた際に狩猟者が必要となる。 ・前述の通り狩猟者が必要。狩猟者は高齢化で減少傾向にあるため、狩猟者を増加させる必要がある。狩猟者を増やせるならそもそも狩猟者にシカを獲らせれば良い。(これが現在野生動物の専門界隈で主流となっている狩猟者による個体数調整)。これに加えてオオカミを放すのは労力を増やすだけである。 ・設定条件が多少現実に即していないが、シュミレーションによって実際に放してもあまり効果が出ない可能性があると指摘されている。(生態学会2011ポスター発表) ・イエローストーンでも人間との軋轢が発生している。本書で述べられているような"人間への普及啓発"では軋轢を0にはできない。 ・イエローストーンには家畜や人的被害に対する補償制度が存在する。日本でも同制度を生み出す必要性がある。しかしどこが資金を出し、運用するのかについての議論がなされていない。 これは私見だが、オオカミ再導入は現在の日本に適した手法ではないと思われる。 この本から野生動物管理に興味をもった方は、再導入を進めている日本オオカミ協会のHPを併せて見たり、他の野生動物管理関連の書籍を読むことを強くおすすめしたい。 現在主流になりつつある狩猟者による個体数管理法など、本書の対立意見について学ぶ事は、日本における現在の野生動物保護管理を考える上で間違いなく有用になるはずだ。
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増えすぎたシカなどの個体数管理のために日本にオオカミ再導入が必要。 それを訴えるための本なのだが、ちょっと強引すぎるような部分がある。前半のシカの個体数が増えていることを示すデータは、もうちょっといいデータがあるのではないだろうか。また本当にオオカミが人や家畜に危害を及ぼさないの...
増えすぎたシカなどの個体数管理のために日本にオオカミ再導入が必要。 それを訴えるための本なのだが、ちょっと強引すぎるような部分がある。前半のシカの個体数が増えていることを示すデータは、もうちょっといいデータがあるのではないだろうか。また本当にオオカミが人や家畜に危害を及ぼさないのかについての検討も不十分。ただ全体的にはわかりやすいし、この問題について考えるには読んでおくべき本だと思う。
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