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商品詳細
内容紹介 | |
---|---|
販売会社/発売会社 | 講談社/講談社 |
発売年月日 | 2007/06/14 |
JAN | 9784062757591 |
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商品レビュー
4.4
15件のお客様レビュー
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俄(にわか)とは、路上でやる即興喜劇のこと。主人公の明石家万吉の印象的な言葉がとても心に残る小説でした。 「わが一生は一場の俄のようなものだった。」 「知恵より大事なのは覚悟や。覚悟さえすれば、知恵は小知恵でもええ、浅知恵でもええ。あとは何とかなる。」 「それほど死ぬのがこわければ天下国家を論ずるのはやめい。」 お金を稼ぐコツは腹を立てないこと。自己愛が過剰でないというのは、それだけで際立った美徳である。
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(ええっ) と万吉は内心、叫びたくなるほどの驚きで建部小藤治をながめた。考えてみればこの小役人は、わが藩とわが身可愛さのあまり、万吉を他人の手で殺そうとしてきた男ではないか。 それが、 「頼む、わしも一緒に連れて行ってくれ」 というのである。 (全く、妙な生きものやな) 万吉は腹が立つよりも感嘆したい思いで建部小藤治を見ている。 建部にすれば、もともと万吉に悪意もなければ幕府に忠誠心もない。ただただひとえに自分の信念のなさと小心のために強いほうになびいているだけのことだ。 (世の中の人間はどいつもこいつも建部小藤治と似たようなものや。建部だけがおかしいわけやない) 万吉はそう思った。 むしろ建部小藤治は善人なのである。善人とは小心で毒にも薬にもならなくて一向に前後の見通しがなく、常に大きいものに巻かれることをもって生き方としている人間とすれば、建部小藤治は善人の標本のようなものだ。 (まあ、ええおっさんや) 万吉はそう思うのである。しかし考えようによっては善人ほど始末のわるい悪をする者はない。建部のこんどの行動などはその格好な例だろう。万吉を殺すために京につれてきたことも、「大公儀のため、御家のため」という立派な「善」に装飾されている。この善のために、殺される万吉の方こそいい面の皮だが。
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町人の街大坂が明治維新の流れに巻き込まれる中、侠客の明石家万吉の波乱の人生。上下巻の下巻。 司馬遼太郎の作品、随分と読んだつもりであったが見逃していた作品。「手掘り日本史」で紹介されていたのを機に読んでみました。米相場師だった司馬の祖父の姿が万吉に投影されているらしい。 司馬...
町人の街大坂が明治維新の流れに巻き込まれる中、侠客の明石家万吉の波乱の人生。上下巻の下巻。 司馬遼太郎の作品、随分と読んだつもりであったが見逃していた作品。「手掘り日本史」で紹介されていたのを機に読んでみました。米相場師だった司馬の祖父の姿が万吉に投影されているらしい。 司馬の本当の魅力は本書のような司馬の出身、大阪の言葉、風俗、文化を活かしたものにあるのかもしれない。 明治維新の流れの中、私欲なく行動する万吉。見返りを求めぬ姿を天は見ているのだろう。決して粗略に扱われない。 本書で初めて知ったのが堺港攘夷事件。万吉の仁義も見事だが、本書とは違った視点で掘り下げてみたい。 テンポよく痛快な娯楽対策。日本史に名を残す人物でなくとも楽しめる作品、ぜひご堪能あれ!
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