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俄 新装版(上) 浪華遊侠伝 講談社文庫
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商品詳細
内容紹介 | |
---|---|
販売会社/発売会社 | 講談社/講談社 |
発売年月日 | 2007/06/14 |
JAN | 9784062757584 |
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商品レビュー
4.1
11件のお客様レビュー
幕末の大阪、極道屋の明石屋万吉の生涯を描く。 幼少期から埒外で、大阪の米会所騒動、町奉行の不浄作戦、市中警備と、その覚悟と愛嬌で乗り越える。
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※このレビューにはネタバレを含みます
「そんなこと」 小春は当惑した。めっさと惚れるな、といわれたところで、どうにもならぬことだ。 「深いのはいかん」 情愛の深いのは、である。 「サラサラと行け。万事、水が浅瀬を流れるがごとくさらさらと人の世を過ぎてゆく。そいつで行ってもらいたい。淀みの水のようなおなごは、わいはきらいや」 「さあ」 小春は、、くびをひねっている。どうもこの花婿のいうことは片言でよくわからない。 「要するにやな」 万吉は、いった。 「わいは極道屋という稼業がら、いつ死ぬかわからん。あすにも、すぱっと」 頸を煙管でたたいた。 「飛ぶかもしれん。その時、わしを偲んで泣きくさる奴が、この世で一人でも居たらかなわん。ぞっとする」 小春は、ぼう然とした。 「そやがな。そういうときは、万吉も死にくさったかとさらさらと笑い、あくる日からけろっと忘れてくれるような嫁がええ」 (やっぱり怪態なお人や」 小春は万吉をじっと見ている。どう理解しようにも理解しようのない人物であるようだった。
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国民的作家司馬遼太郎は大阪の出身。本書の主役明石家万吉には筆者の祖父の生涯が反映されているという。町人の街大阪から見た明治維新。 「手掘り日本史」に紹介されていたのを機に本書を手に取る。江戸とは異なり大阪は一部の町奉行のほかはほとんどの町人の街。司馬遼太郎が大阪の出身ということ...
国民的作家司馬遼太郎は大阪の出身。本書の主役明石家万吉には筆者の祖父の生涯が反映されているという。町人の街大阪から見た明治維新。 「手掘り日本史」に紹介されていたのを機に本書を手に取る。江戸とは異なり大阪は一部の町奉行のほかはほとんどの町人の街。司馬遼太郎が大阪の出身ということもあり、心地よい関西弁のリズムが楽しめる。大上段に構えた代表的作品に比べれば、どこか肩の力を抜いて筆者自身が楽しんで書いたように思われる。それだけテンポが良い。 ”どつかれ屋”として名を上げた極道屋の明石家万吉の生涯。上下巻の上巻は西大阪の港一帯の警備を請け負った万吉が長州藩士たちの上京に出くわし維新の動乱に巻き込まれるところまで。
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