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理想の出版を求めて 一編集者の回想1963-2003
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商品詳細
| 内容紹介 | |
|---|---|
| 販売会社/発売会社 | トランスビュー/トランスビュー |
| 発売年月日 | 2006/11/05 |
| JAN | 9784901510424 |
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理想の出版を求めて
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大塚信一さんの本は「河合隼雄 心理療法家の誕生」と「物語を生きる」の2冊の本を私は先に読んでいる。 著者の大塚信一さんは一社員から岩波書店の社長まで昇りつめた人物。この本には大塚さんが苦労して原稿を書かせた知識人のエピソードがふんだんに書いてある。 しかし、内容を理解できる人はそ...
大塚信一さんの本は「河合隼雄 心理療法家の誕生」と「物語を生きる」の2冊の本を私は先に読んでいる。 著者の大塚信一さんは一社員から岩波書店の社長まで昇りつめた人物。この本には大塚さんが苦労して原稿を書かせた知識人のエピソードがふんだんに書いてある。 しかし、内容を理解できる人はそう多くはないだろう。大学の文学部卒ぐらいの教養は必要である。なので、私が理解できたのは河合さん関連のことが書いてある1割ぐらいしかない。 大塚さんは「河合隼雄」の名を世に知らしめた功労者ではあるが、大塚さんにとっても「河合隼雄」は結果的には1割の部分ということがわかる。 大塚さんは本のなかで、以下のように言っている。 「私は40年間、出版の仕事に携わってきたが、その間、中村雄二郎、宇沢弘文、河合隼雄、大森荘蔵、上田閑照、荒井献、藤澤令夫、森嶋通夫といった方々の著作集出版に関わることができた。私はそれを大きな誇りとしている。なぜなら、出版の営為とは、優れた人間の知識と知恵の創出に加担し、併せてそれらを保持し次の世代に継承していくことにある、と考えるからにほかならない。」 残念ながら、私は、その知識を継承するだけの能力を持ち合わせていないが、全体像は俯瞰できたと思う。 「岩波書店の時代から 近代思想の終着点で」という続編のような本も2024年に出ているので合わせて読んでみたい。
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大塚信一さんはこちらの本を先に出したのが、ぼくは『山口昌男の手紙』を先に読んだ。それは、きっとこの本に出てくる人の数がおびただしく自分とはあまり縁のないものに覚えたからであろう。たしかに、出てくる著者の数はおびただしい。その人たちをある意味組織し、多くの叢書、講座をつくりあげた大...
大塚信一さんはこちらの本を先に出したのが、ぼくは『山口昌男の手紙』を先に読んだ。それは、きっとこの本に出てくる人の数がおびただしく自分とはあまり縁のないものに覚えたからであろう。たしかに、出てくる著者の数はおびただしい。その人たちをある意味組織し、多くの叢書、講座をつくりあげた大塚信一という人はどんな人なのだろう。編集者というのは、生の著者と接するだけに、生々しいエピソードを一杯もっているようだ。ぼくが面白いと思った箇所はいくつかあるが、そのうち二カ所をあげたい。一つは鈴木孝夫さんの『ことばと文化』をつくったとき。鈴木さんはだれかれかまわず自分が今考えていることを話すそうだが、このとき犠牲になったのは大塚さんだったのだ。しかし、「何回にもわたって何時間も話を聞かされた」という表現は迷惑受け身にとれる。これは本意か。また、服部四郎さんが『音声学』のカセットテープをつくるに際し、刊行後30年もたっていて、弟子たちは百数十か所の訂正箇所をあげたにもかかわらず、一つとして訂正に応じなかったこと、また入れ歯のせいでうまく録音ができたなかったというあたり、「一代の碩学の偉大さ」と「悲惨さを学ばなければならなかった」というのはすさまじいと思った。服部四郎さんのエピソードは文章にするには支障があってできないという。さぞかしすごいものなのだろう。ぜひ聞いて見たい気がする。
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