データが語る(3) 団らん・しつけ・地域の力を徹底検証-家庭・地域の課題

河村茂雄【著】

• 販売会社／発売会社: 図書文化社/図書文化社
• 発売年月日: 2007/06/10
• JAN: 9784810075014

商品レビュー

2011/11/30

全国データから見る事で見えてくるもの

[いじめの温床]

家庭や地域などの環境が子どもたちの指導方針にも大きく左右することを教えてくれた一冊です。
シリーズ本の第三弾で、同じ問題や症状を抱える学級、生徒たちを指導する際に、家庭環境と居住している地域性を加味して検証するべきであると教えてくれています。

Q-Uを利用して作る指針もさらに地域性を取り込むことを提案できるのも全国を回っている著者の豊富な経験とデータから生まれる利点だと思います。

他の地域経験が少ない場合には比較対象がないため、検証することができないと思いますが、本書で全国の状況を活用し自分の地域、学級そして子どもたちのこれからを考えることができるはずです。

学校全体で、各教師に、是非保護者にも読んでいただきたいデータ本だと思います。

2011/10/22

自分の地域を知ってより正しい指導を知る

[cardspecialist]

Q-Uをベースに子どもの学力向上と学級生活の満足度における挑戦的な視点から徹底検証するシリーズの第三弾です。

〈１〉では学級状態、〈２〉では友人関係から、そして本書は学校の地域性から見た学級状態の傾向についてです。

全国の豊富なデータから研究されている全体的な視点を持つ著者だからできる検証であると思います。

同じQ－Uの結果を取っても、それが地域によって見方が変わることを認知していないと、正確な指導ができないというポイントはQ－U本来の実践に基づいた非常に頷ける論法であると思います。

全国のデータから自分がいる地域性を学校や保護者たち検証し、子たちによりよい学校生活を送らせたい教師・保護者に是非お勧めです。

2011/03/27

地域差からわかること

[monochouwa]

三冊目である本書は、「地域社会」を教育問題の中に提起したとても興味深い視点が特徴だと思います。
シリーズ一冊目から「Q-U」を取り入れた学級状態の把握を肝とした学級経営をしていくことが基盤ですが、
地域社会の違いから指導方法や教育指針も臨機応変に変化させていくべきであることを想起させています。
確かに地域社会によって保護者の社会性や価値観が様々であることは、都心と地方の農業地域を比べてみても明らかです。この文化も多様化している時代に教育方法を一本化していることこそが、
問題を発生させているということだと著者は語ります。
中央集権型である教委会を変えることは簡単ではありませんが、各教師や保護者たちがそのような状況を理解し、
子どもたちの指導教育に向き合っていくことは、問題解決への大きな前進になると思います。
是非職員会議などでも取り上げていただきい良書であり参考になるデータ集になっています。