ITデューデリジェンスの実務 M&Aを成功に導く

フューチャーシステムコンサルティング【編】

• 販売会社／発売会社: 中央経済社/中央経済社
• 発売年月日: 2006/11/10
• JAN: 9784502265808

商品レビュー

2012/07/21

ITDDの本が少ないので期待して読んだが、かなりガッカリ。ビジネスDDの方が非常に良くまとまっていた分、クオリティの低さが目立った感じもある。

全体の構成、章の中の構成、説明の粒度、どれもバラバラ。DDのプロセスも曖昧だし、何をアウトプットとすればいいのかも不明。ToBeモデルが重要と言いながらも、それを如何に描くかという方法がほとんど書いていない。技術的な説明も古臭く、６年前の本とは言え、当時でもこれでは通用しなかったと思わざるを得ない。

この内容ではコンサル失格。中古で定価の倍くらいの値段で買ったのだが10分の1くらいの値段で良いと思う。

2010/09/10

同じシリーズのビジネスDD、財務DDの本が読みやすく参考になったのでこれも。

M&Aにおいて、ITシステムをどう評価していくかを、時系列順に解説しています。図表や事例が豊富なので、ITシステムに不慣れな人にも比較的イメージしやすくできており、他のシリーズ同様とてもわかりやすい。

他のシリーズとくらべると、M&A後を見越した内容が大変多いようです。ビジネスDDにしろ財務DDにしろ、M&A後を考慮しないDDはあり得ませんが、とはいえ現時点でどんな状況にあるかが中心的作業となると思います。ビジネス自体は多少の無理をして現場の人に対応してもらうことができますし、財務はなおさら現在の財務状況を把握して価格算定につなげるのが目的です。それに対してITDDでは現状把握もさることながら、M&A後にシステムをどうしていくかという観点が比較的強い。システムは人のように柔軟に対応させることは難しいですし、M&A後も使い続けることになるかもしれない。だからM&A後も強く意識したDDが求められるといいうわけですね。確かに、納得。

そうしたM&A後を見据えた評価となると、買収側企業のIT戦略を理解し、それとマッチするようなような評価を実施する必要があるわけですが、それはM&Aの際だけでなく、いろいろな場面で共通かもしれません。現状システムの有効性効率性を評価するような場合、従来システムを刷新するような場合、あらゆるシーンでここに書かれている内容が役に立つんじゃないかと思います。

2007/04/15

この本、読みやすいんですが、実際に仕事でＭ＆Ａをやるわけではないので、流し読みって感じになってしまった感はあります。

でも、やっぱりコンサルの人が書いてるだけあって、考え方が網羅的で整理されていますね。

調査の進め方、システム構成の分類、ビジネスの課題や改善点の整理など、サンプルの図や表が載ってますので、これは日々のお仕事に活用させてもらおうと思います。