1,800円以上の注文で送料無料

愛する源氏物語 文春文庫
  • 中古
  • 店舗受取可
  • 書籍
  • 文庫

愛する源氏物語 文春文庫

俵万智【著】

追加する に追加する

愛する源氏物語 文春文庫

定価 ¥770

715 定価より55円(7%)おトク

獲得ポイント6P

在庫わずか ご注文はお早めに

発送時期 1~5日以内に発送

店舗受取サービス対応商品

店舗受取なら1点でも送料無料!

店舗到着予定

7/7(日)~7/12(金)

商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 文藝春秋/文藝春秋
発売年月日 2007/04/10
JAN 9784167548070

店舗受取サービス
対応商品

店舗受取なら1点でも送料無料!
さらにお買い物で使えるポイントがたまる

店舗到着予定

7/7(日)~7/12(金)

愛する源氏物語

¥715

在庫わずか
ご注文はお早めに

カートに追加するカートにいれる

商品レビュー

4.2

26件のお客様レビュー

レビューを投稿

2024/04/01
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

世の中に源氏物語に関する本は数多く出ているが、作中の和歌まで七五調そのままに現代語に訳して紹介されているのは本書ならでは。 歌人であり国語教師の経歴を持つ著者のポテンシャルが十二分に活かされており現代語のままに和歌の心地良いリズムを味わうことができる。 さすが歌人という心の機微を扱う人、人の気持ち、特に同性である女心を推し量るのが上手い。 登場する姫君たちが著者の解釈にそうそう、そうなのよ!と頷いているようだ。 「ああからころも」には笑ってしまったがネタ要員(?)の末摘花や近江の君にも笑う事なく寄り添う著者のやさしさが感じられる。   反面、著者の目も男性陣には厳しい。 源氏物語、魅力的な女性が多いのに男性陣ときたら・・・娘同然の玉鬘への源氏の求愛にはドン引き。そもそも紫の上に対しても現代ならグルーミングに近いよなぁ。 夕霧の落葉の宮への迫り方、薫→浮舟にもげんなり。 みな口説く相手を傷付けて泣かせてどうするの。 『幻』から『雲隠』がとても切ない。 平安時代当時の読者も涙ながらに読んだ帖なのかもしれない。 そして雲隠がまるまる空白となっているのもよい。紫式部の意図した事かは不明とのことだが、作者の演出説を支持したい。 源氏物語は登場人物の呼称が綺麗だなぁと思う。 花散里、朧月夜、末摘花、軒端荻、雲居雁、浮舟、落葉の宮…。 紫式部が作中で付けた呼称もあるが(空蝉など)、殆どは後世の人がつけたものらしい。 流石にあの大作を古語で読む気力はないが現代語訳はいつか読んでみたい。 本書が気に入った方なら、姉妹本の『恋する伊勢物語』もおススメ。

Posted by ブクログ

2024/03/09

『源氏物語』に登場する「和歌」に焦点をあて、歌人である俵万智さんが読み解きを行った本。これすごく良い本でした。ひとつひとつの和歌に込められた意味を丁寧に解説しつつ、お話の流れも一緒に追いかけてくれるので、『源氏物語』と併読、あるいは全て読んだ後に読むと、物語の解像度が一気に上がり...

『源氏物語』に登場する「和歌」に焦点をあて、歌人である俵万智さんが読み解きを行った本。これすごく良い本でした。ひとつひとつの和歌に込められた意味を丁寧に解説しつつ、お話の流れも一緒に追いかけてくれるので、『源氏物語』と併読、あるいは全て読んだ後に読むと、物語の解像度が一気に上がります。本書を読んでいると和歌こそが『源氏物語』の要なのだと、そんな気持ちになってくる。いや、というか実際その通りなのだろう。『源氏物語』は登場人物の心情を推し量るしかない場面があるけれど、和歌には雄弁に光君や姫君たちの心情が表れていた。そしてそのことを知ると、登場人物たちの印象そのものが大きく変わり、より人物像に厚みを感じるようになる。六条御息所とか夕顔とか末摘花とか、この本を読んだおかげでより好きになれたくらい。それくらい俵万智さんは登場する人物に、寄り添いながら和歌を解説してくれる。 冒頭に示された桐壺の和歌に対する帝の返歌が「ない」ことによって、帝の心がどれだけ乱れているかがわかる、という解説はそういう見方ができるのかと驚いたし、末摘花の和歌解説は笑えるやらいじらしいやらで、そんな様々な読み解き方が出るだなんてと舌をまく。「からころも」や「かくぞ」だけでそんな色んな解釈が出来るとは思わなかったなあ。俵万智さんすごい。てか紫式部がすごいのか。六条御息所についても作中では「生霊の人」というくらいにしか捉えてなかったのだけど、それが恥ずかしくなるくらい彼女の想いを掘り下げている。【朝顔】における、光君と朝顔の和歌のやり取りについては、他者の意見を参考にしつつ、独自の、そして納得感のある結論に至っていて、ふむふむ言いながら興味深く読んだ。 また、どんな「紙」を使って和歌を詠んだかも重要であったらしく、例えば白い事務用の紙に書いた場合は生真面目な印象を与えたり、あるいは厚ぼったい実用的な紙を用いることで野暮ったさを演出したりと、用途によって紙の種類を変えることで趣を出す効果があったとのこと。平安時代の文化や、貴族社会におけるマナーとか気遣いがわかるとさらに別確度から人物の心情が見えてくるわけで、なるほどこりゃあ沼だなあと思うことしきり。えっ、つうか柏木は女三の宮に近づくために、側近の女房と先に関係を築いてたの!? ぜんぜんわかんなかった。しかも女三の宮はそのことを承知してるようだし。いまの感覚からする女三の宮も女房もそれでいいの?という気がするけど……。 あと、『源氏物語』って男女が契りを交わす直接的なシーンを描かず、事前と事後を示すにとどめるパターンが多いから、「えっ、いつの間に!?」となることが割とよくあるなあと思っていたのだけど、「添い寝の効果」の章で、そのことをちゃんと言及してくれてて嬉しかった。よかったあ、私だけじゃなかったのね。 「和歌は心」。そのことを決して堅苦しくなく、楽し気に教えてくれる、とても頼りになる本でした。『源氏物語』の副読本としておすすめです。

Posted by ブクログ

2024/01/26
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

 和歌の名手・六条の御息所から「ボキャ貧」・末摘花まで、また、拙いながらも相手を思いやり寄り添う阿闍梨から口先だけで相手を不安にさせる匂宮まで、和歌という「心の結晶」が当時の人々にどのように息づいていたか、和歌が『源氏物語』の登場人物たちを生きた人間として浮かび上がらせ、どれだけ壮大な物語を彩ってきたか、私にとっては、歌人としての著者の分析が『源氏物語』をより魅力的な物語へと押し上げてくれたように感じる。  なかでも女三の宮の「煙くらべ」の和歌に対する分析は、すばらしいと思った。幼さを強調されていた女三の宮がここぞというところで秀逸な和歌を詠んだことについて、「それほど、女三の宮は、良く悩んだのだろうな、と思う。」という言葉が、俵万智さんほどの歌人から出るということは、やはり、そうなんだろうな、と思う。場面によくあっていて技巧を凝らした和歌は当然に美しいものではあるけれども、それは、詠んだ人物の心が伴っているからであって、テクニックがあるからというだけで美しいものにはなり得ない。女三の宮が生み出した「心の結晶」たる和歌に、彼女の苦悶などあらゆる表情が読み取れてきて、『源氏物語』という作品がより立体的に見えた。

Posted by ブクログ

関連商品

最近チェックした商品