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M/Tと森のフシギの物語 講談社文庫
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M/Tと森のフシギの物語 講談社文庫

大江健三郎【著】

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M/Tと森のフシギの物語 講談社文庫

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 講談社/講談社
発売年月日 2007/01/15
JAN 9784062756082

M/Tと森のフシギの物語

¥330

商品レビュー

3.8

5件のお客様レビュー

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2021/12/13

M/Tと森のフシギの物語 土地に伝わる伝説がやがて身内のできごととしてせまりくる。 もしくは、身内の出来事から歴史を手繰り寄せる。 輪廻はその森深い土地を媒介に自分に降り、次の世代に受け継いでゆく。 特定の土地という場所から浮遊し、“風土”と呼ぶにふさわしいかもしれない。 ...

M/Tと森のフシギの物語 土地に伝わる伝説がやがて身内のできごととしてせまりくる。 もしくは、身内の出来事から歴史を手繰り寄せる。 輪廻はその森深い土地を媒介に自分に降り、次の世代に受け継いでゆく。 特定の土地という場所から浮遊し、“風土”と呼ぶにふさわしいかもしれない。 人はそんな土地や風土といったものに支配されている。 それは“人”からみた視点で、本当は僕らの知らない土地では考えられないような物語を紡いでいるんだろう。 僕にまとわりつく風と土地は、僕をどんな物語のどんな役どころを演じさせているのかと夢想する。

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2015/11/30

まつろわぬ人・大江健三郎が 地元に語り継がれてきたとされる(ホントかな?)伝承を モデルとして書いた小説作品 具体的な地名は伏せられていたり変更されていたりして いちおう創作のスタンスを保っているが もろもろから察するに 宇和島藩の城下町を追放となったならず者たちが 宇和海賊の娘...

まつろわぬ人・大江健三郎が 地元に語り継がれてきたとされる(ホントかな?)伝承を モデルとして書いた小説作品 具体的な地名は伏せられていたり変更されていたりして いちおう創作のスタンスを保っているが もろもろから察するに 宇和島藩の城下町を追放となったならず者たちが 宇和海賊の娘から船を借り 佐田岬半島を迂回して肱川河口からさかのぼっていって 新天地を発見するといった筋書きだろう ならず者のリーダーは「壊す人」と呼ばれ 神がかり的な力を発揮する また 村の創建者たちが「故郷でありふれた人生を送っている自分」を 夢に見ながら消滅するというエピソードには アナザーワールドの可能性も感じられるのだった やがていろいろあって、なし崩し的に 外の世界と併合されてしまった村は「二重戸籍」のからくりによる 税金のごまかしが露見したことを発端に、大日本帝国との 全面戦争へ突入する Mとはメイトリアークの頭文字で、母なる存在を意味し Tはトリックスターを示している 「森のフシギ」は、森にさまざまな怪現象をひきおこす謎の存在 それはときおり音というかたちで顕現し 最終的には 新時代のトリックスター・語り手の息子(大江光)によって 音楽へと昇華される まあ、大江が我が子を不憫に思う気持ちは伝わってくるのだけど オウムと少年Aの時代を経て ふたたび検証されるべきところはあるだろう

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2013/09/27

これまでにもいくつかの小説で微妙に変奏されながら語られてきた大江の故郷の村の物語の、いわば集大成である。四国の谷間を遡ったところにあり、周りからは隔絶した村の創世神話と、それに続く歴史が語られる。ひじょうに特異なのは、国家の神話とは別の体系を持って「壊す人」と「オーバー」に始まる...

これまでにもいくつかの小説で微妙に変奏されながら語られてきた大江の故郷の村の物語の、いわば集大成である。四国の谷間を遡ったところにあり、周りからは隔絶した村の創世神話と、それに続く歴史が語られる。ひじょうに特異なのは、国家の神話とは別の体系を持って「壊す人」と「オーバー」に始まる村の神話が語られることだ。すなわち、そこでは国家全体のナショナルと極微のリージョナルとが拮抗している。そして、歴史時代に入っても、この村は大日本帝国に対して「五十日戦争」を闘うのだ。大江のリージョナルにして壮大なマルケス風の物語。

Posted by ブクログ