彼女は嘘をついている

小泉知樹【著】

• 販売会社／発売会社: 文藝春秋/文藝春秋
• 発売年月日: 2006/12/05
• JAN: 9784163687001

商品レビュー

2011/11/15

電車通勤のため本書を手に取った。痴漢冤罪･･･。本当にショッキングな内容だった。真向から司法に立ち向かう著者と、それを支え続ける彼の妻。特に、彼女の芯の強さには、読んでいる私まで本当に勇気付けられた。自分がもし当事者となった時には･･･考えたくない内容であるが、誰の身にも起こりうることだと思う。

2011/03/23

証拠関係を正確に把握しているわけではないので、
あくまで一方当事者の視点ではあるとしても・・・
刑裁修習中に読むと「ありえない」という印象しかない。
しかし、それが生じてしまっている現実。
コメントしづらいほど、自分の知る刑事裁判とかけ離れている。

自分なら決して、と思うだけでは足らない。
常に、初心を忘れず、依頼者と事件に誠実に向き合って
いくことが必要であり、今はそれしかないだろう。

本人だから書くことのできる心境のうちの、いくつかは自分が
察せられていなかったものであり、読んでよかったと思う。

・・・本当に、コメントが難しいな。

2009/07/16

2000年に起きた痴漢冤罪事件の裁判の様子を被告自らが著したもので、警察・検察・法廷が「痴漢事件」の真相解明に対してほとんど無力であるにも関わらず、その権威を固持する様が描かれる。できないことをできないと言わず、できているふりをする。今や明らかになってしまった、食品、医療、建築、年金などいろんな社会の仕組みが、実は機能不全を起こしているということが、この時代はまだ明らかになっていないのだ。みんなできているふりをしていたのだ…。タイトルは被告人を訴えた女性の供述を指しているが、今読んでみると、底に透けて見えるのは必死に嘘をついている「制度」の姿だ。