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ブルックリンの八月 文春文庫
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 文藝春秋/文藝春秋 |
発売年月日 | 2006/12/10 |
JAN | 9784167705411 |
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ブルックリンの八月
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商品レビュー
3.3
10件のお客様レビュー
キングの第三短編集の…
キングの第三短編集の第四巻。「ワトソン博士の事件」などパスティーシュが2編収録されている。
文庫OFF
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
最近楽しみにしているポッドキャスト番組『美玉ラジオ』で紹介されていたので読んだ。スティーブン・キングという大作家を前にすると、一体何から読めばいいのかと足踏みしてしまうが、今回のように構えることなく、自分の興味のまま読めばいいなと思った。ただ、スティーブン・キングの初手としては絶対これじゃないなと思いつつ、メタ構造をふんだんに含んだ小説と巨匠の筆致を感じられるエッセイ、いずれもオモシロかった。 本著は短編小説が四つ、エッセイ一つ、詩が一つで構成された特殊な一冊である。後半に載っている野球に関するエッセイを目的に読んだが、短編小説もオモシロかった。なかでも、ホームズやチャンドラーに対するオマージュ作品に驚いた。これだけビッグネームの作家が、同様のビッグネーム作品に対して模倣作(パスティーシュ)を試みているだなんて。ホームズの方は、相棒のワトスンが推理能力を発揮する、いつもと立場が逆転した推理小説。久しぶりにストレートな推理小説を読むと、謎解きの過程がシンプルに楽しい。チャンドラーの方は、オマージュというより、小説の作者と主人公の邂逅というメタ的展開を駆使して、いい意味でダラダラと作家稼業について語っており興味深かった。 野球エッセイは、著者の息子が参加したリトルリーグの大会に関するものだった。リトルリーグならではの視点で、子どもたちのメンタル面からくるプレーの質の変化について鋭く考察していた。チームメイトのキャラクター描写はさすが巨匠!という塩梅で、それを駆使した野球の試合の白熱っぷりと、息子のチームがいかに奇跡的だったか、熱を持って伝わってきた。日本の高校野球の刹那性に近いが、もっと不安定でどう転ぶか分からないムードがリトルリーグにはあることを知った。また、同じ地域に暮らすという共通点しかない中で育まれる友情の尊さもそこにあった。歳を取れば取るほど、関係性はたこつぼ化していく中、子どもの頃に世の中の雑多性を知っておくことは必要だと読んでいて改めて感じた。 スティーブン・キングは映画化されまくっているので、わざわざ小説で読む必要があるのかと躊躇する作家だったけど、これをきっかけに色々読んでみたい。
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ブルックリンというワード(地名)に惹かれて手に取りました。スティーブン・キングの短編集(エッセイ入り)という予想外の本。 短編のひとつがシャーロック・ホームズ模倣小説で引退したワトソンが回想するという形で展開。スティーブン・キングがシャーロック・ホームズ物をということで目を引く...
ブルックリンというワード(地名)に惹かれて手に取りました。スティーブン・キングの短編集(エッセイ入り)という予想外の本。 短編のひとつがシャーロック・ホームズ模倣小説で引退したワトソンが回想するという形で展開。スティーブン・キングがシャーロック・ホームズ物をということで目を引くのは当然ながら、もともとシャーロック・ホームズ自体が回想録の形態をとることが常ながら、シャーロックホームズが世を去り40年、ワトソン自身も百歳に手が届こうとしているという状況設定なのが軽くショッキング。もう時間もたったからという訳で、ワトソンが告白するような形で秘めた事件を語るというもの。 その他、合わせて5つの短編とエッセイと1篇の詩からなる本書。スティーブン・キングファンの箸休めにはよいかもです。
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